瓶詰めの映画地獄 〜断罪!断罪!また断罪!!〜

アクセスカウンタ

help リーダーに追加 RSS 2003年公開映画ベスト10 “極私的・映画史I”

<<   作成日時 : 2005/02/19 04:30   >>

トラックバック 1 / コメント 1

画像@ 『インファナル・アフェア』
  監督/アンドリュー・ラウ、アラン・マック (2002・香港)
A 『28日後…』 監督/ダニー・ボイル (2002・英)
B 『ダブル・ビジョン』
  監督/チェン・クォフー (2002・香港=台湾=米)
C 『ベッカムに恋して』
  監督/グリンダ・チャーダ (2002・英)
D 『運命の女』 監督/エイドリアン・ライン (2002・米)
E 『ゴーストシップ』 監督/スティーヴ・ベック (2002・米)
F 『NARC ナーク』 監督/ジョー・カーナハン (2002・米)
G 『六月の蛇』 監督/塚本晋也 (2002・日本)
H 『パイラン』 監督/ソン・ヘソン (2001・韓国)
I 『ファインディング・ニモ』 監督/アンドリュー・スタントン (2003・米)

綿密な調査をもとにじっくりと練り上げられた極めて完成度の高い脚本。
単なる画ではなく、人物の心象風景を、
そしてセリフとセリフの行間に込められた想いを語るために機能した映像。
名実ともに香港を代表する2大スターの合えば切れるかのような鋭い視線のぶつかり合い。
眼差しと物腰だけで映画に深みと奥行きを持たせてしまう香港映画界屈指の名脇役たちと、
凛とした美しさと華のなかに等身大の女性の強さと弱さを秘めてみせる女優たち。
そして、すべての風景、表情、セリフ、しぐさに命を吹き込む心こもった人間味豊かな演出と、
仏教の境地、“生きてゆく限り、この世は地獄である”という、
仏陀の悟りを表す原題、“無間道”に込められた意味を前向きに解釈した、
ハートのあるテーマとロマン溢れるストーリー……。
『インファナル・アフェア』(写真)は、間違いなく2003年最高の1本であり、
それまで作られた無数の香港映画たちの魂を一手に背負って現れた紛れもない傑作である。
あえて“警察VSマフィア”という手垢まみれの香港ノワール的構図を選択し、
それをムダなCGやド派手なだけのアクションという“ウリ”をいっさい排して作り上げ、
そして随所で展開されるビルの屋上のシーンでは、香港の全貌を大きく捉える……。
そこからうかがえるのは、
この映画に携わったすべての人々の香港映画に対する愛とプライドとプロフェッショナリズム。
空虚なハリウッド大作や話題性だけの作品にしか観客が足を運ばない昨今、
“映画とは何か?”を至高の映像体験とともに教えてくれる崇高な1本であり、
「今、これを作るしかない」という使命感に充ち溢れたこれは純粋な作家映画でもあるのだ。
とにかく2003年は、
これを観ずしてほかに観るべき映画などなかったと今でも断言できる珠玉の傑作。
すべてが熱く素晴らしく、震えがくるほど面白い。

Aは“リビングデッド3部作”のテーマ性を見事現代的に解釈した正統派ゾンビ映画の傑作。
Bは 『セブン』 的恐怖譚に台湾的静謐なドラマを融合させた新感覚サイコ・ホラーの傑作。
Cは邦題で判断すると確実に損をする万人に開かれた英=印折衷スポ根ドラマの傑作。
Dはこれも邦題に注意喚起の洗練された心理描写と本物の芝居に酔える不倫ドラマの傑作。
Eは出し惜しみのない残酷描写でラストまでブッチ切る痛快なスプラッター・ホラーの傑作。
Fはヒリヒリするような心理描写で人物の苦悩が痛く伝わってくるサスペンス・ドラマの傑作。
Gは“都市”と“肉体”をキーワードに現代日本人の暗部を抉った塚本監督の集大成的傑作。
Hは“韓流”“純愛”でなぜこの名が出ないのか不思議でならない韓国製恋愛ドラマの傑作。
Iは深読みさえしなければ老若男女思う存分楽しめる良心的なファミリー・ピクチャーの傑作。

そのほか、
『スコルピオンの恋まじない』 『SWEET SIXTEEN』 『Mr.ディーズ』
『戦場のピアニスト』 『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』 『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』
『クローサー』 『リベリオン』 『the EYE アイ』
『少女の髪どめ』 『ハンテッド』 『シティ・オブ・ゴッド』
『デッドコースター』 『エデンより彼方に』 『アダプテーション』
『呪怨2』 『リベンジャーズ・トラジディ』 『KEN PARK』
『アララトの聖母』 『マッチスティック・メン』 『シャンハイ・ナイト』
『ラスト・サムライ』 なども面白かった2003年は、
マイケル・ムーアがアカデミー受賞式の壇上で、
「ブッシュよ、恥を知れ!」とアジったことが話題にもなったように、
“9.11”以降、激変する世界的価値観のなかで、
アメリカによるイラク戦争が始められた痛切な1年でもあった。
そんななかで、
『戦場のピアニスト』 と 『ロード・オブ・ザ・リング』 の2本が公開されいずれもヒットしたことは、
“映画が世界に訴える”という意味において、
非常に大きな意義があったと個人的には思うのだが……。

設定テーマ

関連テーマ 一覧

月別リンク

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
インファナル・アフェア
いよいよ今週から日本でも公開される3作目であり完結編である『インファナル・アフェア 終極無間』ですが、本国での公開から2年、やっと上映されるという感じで嬉しく思っています。 ...続きを見る
かたすみの映画小屋
2005/05/05 20:11

コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
極私的・映画史、面白いですね。私もこの年は『インファナル・アフェア』が最も印象に残りました。セシリア・チャンの泣きの演技も好きなので、『パイラン』も好きですね。
操作ミスで、トラックバックを2つ送ってしまいました。どうも申し訳ありません。お手数ですが、削除してください。
サンタパパ
2005/05/05 20:20