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瓶詰めの映画地獄 2009
フランス料理のフルコース!? 『ロング・エンゲージメント』
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作成日時 : 2005/03/21 04:41
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多くの女性を“アメリになりたい症候群”へと駆り立てて、
各旅行会社と配給のアルバトロスを大いに潤わせたあの 『アメリ』 から早3年。
ジャン=ピエール・ジュネとオドレイ・トトゥが再び組んでとのフレコミで、
さぞかし劇場は女性客とカップルで大混雑……と思いきや、
新宿三丁目のピカデリーは、なんと3割にも満たないような客の入りだった。
ちょっとビックリ。せっかくの3連休に映画観てるヤツなんかいないってことか!?
実はボクもそう思います。
時は、第1次世界大戦下のフランス。
ある日、幼なじみの婚約者マネクが戦死したとの悲報を受け取ったマチルド(トトゥ)。
しかし、敵国ドイツ軍との前線で彼の最期を見届けた者がいないことを知った彼女は、
自分の直感だけを頼りに真相を探り始める。彼は、必ずどこかで生きている、と……。
もう圧倒的としか言いようのないセピア調も目に沁みる怒涛の映像美に、
観る者をアッという間に映画の世界に引き込んでしまう絶妙の語り口、
『プライベート・ライアン』 に 『アメリ』 を足して 『ひまわり』 で割ったような、
アンティークなテイストに彼も彼女もウットリのフランス式恋愛戦争超大作。
『アメリ』 じゃ物足りなかったフリークス感もよみがえってエロとグロもほどよく加わり、
133分はそれこそ夢のように過ぎ去ってしまう。
でも、その夢はまるでボクの心に跡を残すことはなく、
上映後の照明点灯とともに映画の記憶は霧のように消えていってしまった……。
『デリカテッセン』、『ロスト・チルドレン』、『エイリアン4』、
そして 『アメリ』 とヒット作を連発するもはやフランス映画界の重鎮的奇才、
ジャン=ピエール・ジュネ監督の映画の魅力と言えば、
それはもう風変わりなキャラクターたちの摩訶不思議な魅力と、
浮遊感も心地好い現実離れしたエピソードの奇抜な見せ方、
それに、汗や精液の匂いさえ薫り高く感じさせてしまう洗練された至高の映像芸術だ。
しかし今回に限り、そんな監督の作風がこの映画の題材にうまくマッチしてたかというと……、
っていうところが今作の評価のポイント。
要するに、ヒロインがいろんな登場人物たちの証言をたどって戦地に消えてしまった、
彼氏の行方を探すというミステリー・タッチにジュネの世界観は必ずしも合っていたのか?
という根本的なあたりが非常に微妙なのだ。
もっと直截に言えば、彼の映像にはミステリーを描くに適した緊迫感はまるでないということ。
だから、スクリーンいっぱいに広がる映像世界に酔おうとすれば、謎解きはどうでもよくなるし、
逆に入り組んだドラマの展開に集中すれば今度はせっかくの映像が機能を失うという具合に、
そのアンバランスさが曖昧をもたらして映画の印象そのものを薄めてしまっているというのが、
今作の致命傷的欠点てワケ。
違う表現をすれば、戦争・恋愛・ミステリーとフランス料理のフルコース的に見た目はいいが、
けっきょく量が多すぎてどれもちょっとずつしか食べられなかったという映画的もったいのなさ。
そう、ホントにいい話と素敵な映像の連続だけに悔しいぐらいもったいない1本だった。
だけど、たったひとつだけ鮮明に印象に残っている部分がある。
それは、マチルドとマネクが初めて男と女として結ばれる場面。
暗い部屋で、マネクがローソクに火を灯すと、それをマチルドがふっと消す。
慌ててマネクが再び火を灯すと、なんとマチルドは服を1枚脱いでいる。
下着姿も露わな彼女がまたまたふっと火を消すと、彼も慌てて火を灯し、すると今度は……。
これですよ! 男性諸氏!
これこそ男として生まれたならばぜひとも一度は試してみたい粋でナイスなフレンチ・エロス!
まぁこんなこと、お金払うとこじゃなきゃやらせてもらえないとは思いますけどね……。
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