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園子温監督の映画をひと言で表現するなら、それは“80年代的垢抜けなさ”。 要するに、良くも悪くもダサいのである。 (かく言うボクも80年代の人間なので、「イケてない」という言い方が使えない) なんとなく同系列の監督として見られている塚本晋也監督が、 着実に時代を吸収しながら作品を撮り続けているのに対して( 『ヴィタール』 は不発だったけども…)、 園監督の視線はいまだにあのダサくも懐かしい80年代という時代に向けられているような気がする。 『俺は園子温だ!!』(1986)なんて、 いくら素人監督の短篇だからと言って今じゃ絶対に作るのは無理な映画だし、 『自転車吐息』(1990)みたいな映画をよもや「PFF」(ぴあフィルムフェスティバル)のスカラシップで この時代に撮ろうものならさすがのユーロスペースだって上映するのをきっと躊躇うことだろう…。 わりとレンタルでは高回転を示している 『自殺サークル』(2002)にしても同じ。 題材こそショッキングでセンセーショナルで冒頭の10分ぐらいは誰もが圧倒されるものの、 その後の展開はどうにも野暮ったく 『セブン』 や 『CURE』 の足下にさえ及ばず消化不良。 それでもこうしてコンスタントに新作を作り続けているのだから、 おそらく世間には“園子温信者”とでも言うべきコアなファンがたくさんいるということなんだろうけど、 80年代を題材に映画を撮るならまだしも、“80年代テイスト”で映画を撮られてもなぁ・・・というのが ボクの園子温映画に対する正直な客観的評価。 だけど客観的、ということはつまり主観的な感慨もあるわけで、 じゃあそちらの方はどうかと言うと、これが決して嫌いというわけではなかったりする…。それは、 ボクという個人を形成するその原体験というソースのほとんどが80年代に起因しているからだし、 何より園子温映画には、昔懐かしい、80年代に インディーズ・レーベルとして一大ムーブメントを築き上げた“ナゴム”の匂いが濃厚に漂うからだ。 『自転車吐息』 の主題歌が、グレイトリッチーズ(懐かしい!)であるということが何よりもその証明。 こればかりはきっとわかる人にしかわからない。 で、いつものように前フリが長くなったけど、そんな “永遠の80’s”、子温監督が、宮崎ますみを主演に迎えて撮り上げたのがこの 『奇妙なサーカス』。 これがまた、トンデモナク時代錯誤な、まさしく“奇妙な果実”に仕上がっているから笑えてしまう…。 小学生の美津子(桑名里瑛)は、 学校の校長でもある実父の剛三(大口広司)から肉体関係を迫られていた。 それを知った母親の小百合(宮崎)は、嫉妬にかられて美津子を女と見なすようになり、 激しいライバル心から日ごと剛三と過激で淫らなセックスに耽るようになる。 そんなある日、美津子はあやまって小百合を階段から突き落とし死なせてしまい……。 大まかなあらすじから察することもできるとおり、とにかく全篇倒錯したセックス描写のオンパレード。 だから公開されている歌舞伎町の新宿トーアは昼日中から界隈を根城にしているオッサンだらけ。 本作で女優復帰となる宮崎ますみが惜しげもなくバンバン脱いじゃ腰を振り(でもなぜか切ない…)、 劇場はしだいに作品もろとも異様な空間へとミュータント化してゆく。 近親相姦からレズから「今、コレ、ちょっとマズいんじゃないか?」というアブナいネタを散りばめては 見せてゆく本作は一応サイコ・スリラーというのが基本なんだけど、 でもそこで要になるのが園子温の野暮ったい80年代的演出なもんだからすべてはリアルに感じず、 役者たちの大味な演技やセンスの悪い美術と相まって映画はどんどんあらぬ方へと硬直してゆく。 それはもちろん“ファンタジー”を狙った計算というのはわかるけど、 でもやっぱりスベっていると見る方が正しいしそっちの方が面白い。 そしてそんな映画的寒さに拍車をかけているのが、芝居も音楽も何やっても中途半端。 挙句、今どきのこどもよりも素直に教科書どおりに大麻に手を出し、 今夏にようやくこちらも映画復帰を果たした“ダメ二世のトリノ代表”、いしだ壱成クン(パチパチパチ)。 彼が妖艶にビジュアル系を演じようとすればするほどスクリーンは凍りつき、釣られて 気を張って演じれば演じるほど宮崎の肌の張りも痛々しく感じられてくるから映画はいろいろ人生も いろいろ…。♪人ぉ〜はぁ〜流れぇ〜てどこどこぉ〜行くのぉ〜♪ 要するにこの映画は、サイコ・スリラーと言ってもそれはレベッカ・デモーネイの 『ストレンジャー』。 または 『オールナイト・ロング』 や 『オルガン』 などの一時80年代中に流行した小劇場の大味さを 引き継いだ空廻り系のバッド・テイスト、その残酷エロ・バージョン。 なんかメチャクチャ書いてるけど、要はバブルに浮かれてなんでもアリだったあのダサくも懐かしい 悪趣味感覚こそ紛れもない80年代テイストってわけ。 本作に、そこを感じながら楽しめれば勝ちってことだ。 [ 新宿トーア にて公開中 ] |
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倒錯的な世界のエロスと罪
209「Strange Circus 奇妙なサーカス」(日本) 「自殺サークル」の園子温監督の作品。宮崎ますみの女優復帰作であり、R−18指定でもあり、かなり濃密な濡れ場も期待(?)される作品である。さすがに劇場は男性一人という客が多かった。女性一人もいたが。 12歳の小学生美津子は小学校の校長である父親剛三に抱かれている。それが近親相姦だということも知らずに。そして心を蝕まれた美津子は父親に抱かれる自分と母親を同化し始める。一方母小百合はやがて美津子に女としての嫉妬を感じ始め、父... ...続きを見る |
CINECHANの映画感想 2005/12/29 11:22 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
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こんばんは。 |
Ako 2006/01/23 00:42 |
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