瓶詰めの映画地獄 〜断罪!断罪!また断罪!!〜

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help リーダーに追加 RSS 女のコ版“青春アミーゴ”は、切なく幸せ… 『かえるのうた』

<<   作成日時 : 2006/01/25 03:45   >>

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今年で8歳と4歳になる姪っ子がいて、
こないだの正月に1年ぶりに会ったんだけど、
姉の方に、「将来、何になりたいの?」なんて叔父らしい質問をしたら、
「マンガ家」か「声優」になりたいなんてことを言う。
ほー声優は食いっぱくれとかなさそうでいいなー大きくなったら声優さんの学校に行けよ。
とかなんとかテキトーなことを言って今度は妹の方に同じ質問をしたら、
4歳じゃその質問の意味がまだわからないらしく、
てんで方向違いなことを言うもんだから思わず笑ってしまったんだけど、
兄弟、姉妹ともなれば、要領よく育つのはだいたいが下の方。
我が愛する姪っ子姉妹においてもそれは例外ではなさそうで、
叔父の立場からの至極身勝手ななんとなーくの印象ではあるんだけれど、
妹の方が明朗闊達、そして姉の方が少し内向的(悪い言葉ではない)に育つんではないかな、と、見ていて妹よりも気分の浮き沈みが激しく、
学校があまり楽しくないと言って時おりすごく寂しそうな表情をしながら、
机に向かって絵を描いている姉のことをボクはそんな風に感じたワケ。

マンガ家という、
自分の世界に入り込む職業に潜在的に憧れているというのもその端緒を表しているようで、
だけどまぁ、学校の勉強なんてしなくていいから感受性の豊かなコに育って、
そうしたらいつか映画の話でもしてやりてぇな、
なんて口は悪いが実は心のやさしい叔父さんは正月用の日本酒をチビチビとすすりながら、
扶養義務がないのをいいことに兄貴の娘の未来予想図を勝手に酒の肴にしていたんだけど、
しかし、“感受性が豊かなほど生きるのはヘタ”というのが世の理(ことわり)……。
あのふたりは、この先いったいどんな人間に育つのだろう……?

と、そんなボクの感傷的な姪っ子談義はとりあえずさておき、
感受性が強くてちょっぴり人とズレているがためにうまくやってけなくて、
いつも過剰にトンがったり駄々をこねたり、
自分をストレートに表現できずもどかしい毎日を送っているふたりの女のコが街角で出逢い、
最初は「誰でもいいからそばにいてほしい」的だったなんとなーくの連帯感が、
いつしか細くとも引っ張ってもなかなか切れない確かな友情に変わってゆく様を切なく描いて、
最後にはアッと驚くような仕掛けで観た人すべてに、
幸福感をもたらしてくれるとびっきりの1本がコレ、『かえるのうた』
これがピンク映画だなんてもうどうでもいい話だ(原題:『援助交際物語 したがるオンナたち』)。

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 下北沢の深夜のマンガ喫茶で、
 マンガ(『がんばれ元気』)の取り合いをキッカケに知り合った、
 朱美(向夏)とキョウコ(平沢里菜子)。
 それ以来、裁縫工房で地道に働く朱美は、
 女グセの悪い彼氏に嫌気が差すたびに漫画家を志すキョウコの部屋に転がり込むように。
 キョウコは、ふたりで金持ちになろうと、
 マンガを描く一方、生活のためにしている援助交際の道にそんな朱美を誘い出すが……。

「青春アミーゴ」の歌詞の男のコ同士の友情がやけに密着度が高いのに反して、
朱美とキョウコのつながりはかなり稀薄でドライでもちろん友情なんて言えるモンじゃない。
「マンガが好き」というのがたったひとつの共通項で、
あとは夢もライフスタイルも男に対する考え方もまるで水と油で全然違う。
朱美はワリと人懐っこくてキョウコは人といっしょにいるのが苦手。
朱美はすぐに他人(男)を許すけどキョウコは徹底的に他人(男)を否定する。
そんなふたりをキャラクターづけてゆく短いセリフのやりとりがやけにリアルで心地好い。
時にはいっしょにハシャぎ、援交で金を貯めてふたりで夢を叶えようなんて語ったりもするが、
そんな気持ちも漂うようにすぐ消えて気持ちが正反対に離れたり……。
でも、そんなやりとりのなかで実は誰よりも寂しがりなのはキョウコの方で、
朱美はワリとタフだった。

とにかく、そういう「なんとなく」とか「ワリと」なんて、
曖昧な副詞ばかりが似合う彼女たちの心の交感は極めて現代的で、
俯瞰的な見た目のにぎやかさとはウラハラに、
人の心の寂しさがフワフワ漂っているような東京の街角の雰囲気もやさしく胸に沁みてくる。
そして朱美とキョウコは互いのなかに、
「マンガが好き」という以外に共通しているものを発見する。
それは、「確かな“何か”がほしい」という、
金や物では充たされない女のコの等身大の素朴な気持ち……。
他人の懐に自分から入り込むことなんて今までゼッタイになかったキョウコが、
自ら朱美の好きなかえるの着ぐるみを着てマンガ喫茶にいる朱美のもとへ行き、
「いいね、コレ」と言う時の表情がゾクッとするほどいじらしい。

そんなキョウコを演じるのは、ピンク映画期待の新星・平沢里菜子。
スレンダーな肢体に小ぶりながらもキレイなオッパイが目に焼き付いて離れないけど、
しなやかな雰囲気と強い瞳が印象的な正統派の美人女優だ。
対する朱美を演じるのは、マリッジ・ブルーに揺れる女心を、
器用と不器用の中間で見事に好演した 『ビタースイート』 も記憶に新しい向夏(こなつ)。
彼女の、かえるの着ぐるみを見つけた時のうれしそうな表情や、
M男にツバを吐く時の戸惑っているような面白がっているような表情がホントに可愛らしい。
こんな、AVではトンとお目にかかれないイイ表情を持つ女優がいるんだから、
昨今のピンク映画の密かな人気ぶりにも素直に頷ける。

そしてそんなふたりに自由に演じさせたのが、
今やピンクの枠を超え次世代日本映画の確かな担い手と言って差し障りない、
『たまもの』 の鬼才・いまおかしんじ監督。
「別に映画が好きで映画を撮っているワケじゃない」と素で言いのける、
彼のそんな肩の力の抜けようが作品全体をやわらかくしていて本当に観ていて心地が好い。

そういう映画のなかと同じ“空気”を胸いっぱいに吸うには、
やっぱり劇場へと足を運ぶしかないだろう。
ラストはとてもハッピーなのに、その幸福感は哀切でボクは思わず泣いてしまった……。

井筒のオッサンや三丁目や大和や有頂天だけが日本映画じゃないんだゾ。
観逃がすな(ってもうすぐ終わるんだけど…)。

今度、姪っ子に会ったら、
実家に置きっぱなしにしてある 『がんばれ元気』 を、いっしょに読もうかな。

ポレポレ東中野 にて1月27日(金)まで公開 ]

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タイトル (本文) ブログ名/日時
かえるのうた@ポレポレ東中野
キョウコと朱美の性格は正反対だが、漫画喫茶で出会ってから互いを意識し合うようになる。二人は外見から価値観まで対照的だった。無頼に生きてきたキョウコと、そのキョウコの家と恋人の家とを行き来する朱美。カエルのグッズを集める朱美が雑貨店でカエルの着ぐるみをみつけ ...続きを見る
ソウウツおかげでFLASHBACK現象
2006/01/27 20:56
映画の感想募集中!
瓶詰めの映画地獄〜地獄が闘えと俺に言う〜様、かえるのうたのトラックバックありがとうございました。フィルムナビでは、さまざまな映画のクチコミ情報を集めています。映画の感想などをブログに書かれた時には、ぜひまたトラックバックして下さい。お待ちしております! ...続きを見る
フィルムナビ〔film-navi〕
2006/02/04 16:30
かえるのうた:あんたバカだけど一緒にいて楽しかった ポレポレ東中野
「たまもの」のいまおかしんじ監督の新作 例によって原題は「援助交際物語/したがるオンナたち」といかにもピンク映画のタイトルです。 朱美(向夏)は、女癖の悪い彼と暮らしている。 今日も彼の浮気がばれて、朱美はワインの壜で彼を殴ってしまった。 家を飛び出した朱.. ...続きを見る
気ままに映画日記☆
2006/02/09 22:21

コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
いやーほんと公開期間が短くてひよっていたのですが、見逃すなとおっしゃるのですね!明日はルワンダ見に行くつもりだったし、明後日の最終を見ようかな… 有頂天なんか見てる場合じゃなかったです。自分にガックシ。
現象
2006/01/26 02:20
コレは現象さんには鉄板だと思うな。
観に行ったときに、
サプライズで主演2人の舞台挨拶があったんですけど、
ふたりとも可愛かった〜(妄想中)。もちろん視姦しました♪

もっと長くやってくれりゃいいんだけど、
ポレポレも過密スケジュールだから・・・。最終でぜひ!
栗本 東樹
2006/01/27 02:03
いやーほんと鉄板とか言われて実際面白かったから何か悔しいw 結局ルワンダを後回しにして、最終前の先日ポレポレ行ってきました。そしたら舞台挨拶もないのに向夏と監督がいてビックシ。もちろん視姦ですわ♪ ラストの幸福感は何ですかね? 下北駅前で歌って踊ってるだけなのに、充足させてくれる。恐るべしいまおか。
現象
2006/01/27 21:08
私も先日こちら、観てきましたよ!!
向夏さん、本当にかわいらしい。
視姦って・・・(笑)
なんか、ビタースウィートにしても、かえるのうたにしても
エロいだけじゃなくて、それ以上のものがあるから
すごく満足に映画館を後にできます。
女の子もけっこうちらほら来てました。

栗本さんの部屋をなんとなく想像しながら、
「るにん」もチェックさせてもらいましたけど、
これまたリアルでなんだか赤面ものでした(笑)

映画でもブログでも、リアルってとても感じますよね☆
ん?日本語が変・・・??
ちなみに、お勧めの無声映画二本とも地元のTUTAYAになくて
残念です。

お天気お姉さん、誰なのか気になります・・・。
sayoyo
2006/01/28 03:10
おやま、それはうれしい♪
イイ映画は、みんなで支持しないと!

まぁ男同士の会話なんて(↑)こんな程度ですわ、所詮(笑)。
これからも、ポレポレにはピンクの傑作選をやってほしいですね。
近いし、サイコー。

ダメですね、そんなTSUTAYAは。
映画なんて知らない連中しか行かない店なんでしょう(超偏見)。
渋谷のTSUTAYAはいいですよ!

まぁ読んでくれてる極少数の友だちを、
ピンポイントで笑かそうと思って書いてるとこも多分にあるんで。
リアルなネタはご容赦をm(_ _)m
お天気お姉さんですか? 内緒っス♪
栗本 東樹
2006/01/28 14:42