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五感を刺戟する金属的な音と映像の奔流、 なんの脈絡もなく突如として始まる凄惨な不条理劇、 そして、無機質な空間のなかで本来の機能を失い単なる塊と化してゆく人間の肉体……。 言わずと知れた日本を代表する世界的映像作家、 『東京フィスト』(1995)、『BULLET BALLET/バレット・バレエ』(’99)、 そして大傑作 『六月の蛇』(’02)の塚本晋也監督最新作 『HAZE 〈ヘイズ〉』 は、 まるで彼の出世作 『鉄男 TETSUO』(’89)の再来を予兆させるような、 そして、今や古き良き80年代アングラ・テイスト炸裂の爆音怪力サイバーパンク・ムービーだ。 今みたいに、猫も杓子も洗練された楽曲じゃないともてはやされないような時代とは違って、 80年代は、60、70年代プログレッシヴ・ロック等の流れを汲んで、もしくは婉曲に解釈されて、 聴き手の容易な感情移入を許さないアヴァンギャルドな音楽(というより“音”)が、 ネット等のない当時なにより“アングラ”の発祥地だったライヴ・シーンを大きく席巻していて、 そしてそんななかからうまく時代を獲得して陽の目を見ていったのが、 「人生」をその前身とする「電気グルーヴ」や、大槻ケンヂ率いる「筋肉少女帯」だった。 今や俳優として広く認知されている個性派の田口トモロヲが、 かつて「ばちかぶり」というトンデモないアヴァンギャルド・パンクバンドで歌っていたなんて、 ボクより若い世代の人たちはほとんど知らないんじゃないだろうか? そして、そんなアンダーグラウンドなライヴ・シーンと深部で呼応し合うように、 映画の世界においても既存の映像概念に捕らわれない、 観客の一辺倒の解釈を断固拒否するような、 (逆に言えば、受け手によっていかようにでも楽しめるような) 観客の心情というより五感に挑戦してくる映画がもてはやされるようになって、 そこから映画における“単館”シーンが盛り上がっていったとボクは解釈しているんだけど、 要は、音楽にしてもアートにしてもそして映画にしても、 良くも悪くもジャンル内ジャンルが細分化していった80年代を代表していたのが、 日本映画においては塚本晋也監督だったのだ。 最近になって、 80年代インディーズ・シーンを牽引していた、そして今は演出家として有名な、 ケラリーノ・サンドロヴィッチ(当時:ケラ)が主催していた「ナゴム」の音源が再発されたり、 一部で80年代が検証、または取り沙汰されているんだけれど、 ここへきて、塚本監督が原点回帰を思わせるようなこの 『HAZE』 を撮ったのは、 何も時代の偶然というだけではないような気がボクはする。 目を醒ますと、 身動きのとれないような狭いコンクリートの密室に閉じ込められていた男(塚本)。 腹部からの夥しい出血を見てパニック状態に陥るなか、なんとか脱出を試みる。 やがて、無数の人間の肉塊で埋め尽くされた空間で、 彼はひとりの女性(藤井かほり)と出会うが……。 塚本映画のキーワードと言えば“都市”と“肉体”というのが今ではもう定説だけど、 今作でも、都市を思わせる色褪せた無機質な密室のなかで、 有機質である人間の肉体が限界に追い込まれてゆく過程を、 息が詰まるような不快指数の高い閉塞感とともに描いているけれど、 ここでは、監督初というDV撮影による粒子の粗い映像が驚くぐらいにうまく功を奏している。 耳を劈(つんざ)くような塚本映画の常連・石川忠のデジタル重低音サウンドと、 男の体とザラついたコンクリートの壁がこすれ合う不快な効果音に生理的嫌悪感は最大限。 そこへ前身の筋肉が収縮するような耐え難い視覚効果がさらに追い討ちをかけてくる。 しかし、視覚的・聴覚的苦痛がやがて無上の快感に変わってゆくという稀有な感覚は、 最新音響設備の整った劇場という密室でなければ絶対に体験することはできない。 ただ、映画の後半には、「なぜ男はそんな密室に閉じ込められたのか?」 という疑問に対する謎解きのようなドラマが一応用意されてはいるんだけれど、 果たしてそれは必要だったかという思いが個人的には残るのもまた確か。 塚本映画の女神(ミューズ)・藤井かほりが登場するあたりから、 そこはかとなく漂い出す叙情性がかつての 『鉄男』 とは大きく異なるところ。 それは、塚本監督の年齢によるものなのだろうか? それとも……。 とにかく、塚本ファンは断固劇場で必見の怪力作。 本物のカルチャーは二次元の液晶画面からは生まれない。 上映館は渋谷のライズ]。 “知る人ぞ知るアングラ映画館”的イメージを先行させすぎの雰囲気が若干鼻につく劇場だが、 現状、今作を鑑賞するにはズバリの空間を提供してくれるのは確かだ。 [ 渋谷 ライズ] にて公開中 ] |
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[MOVIE]『HAZE』
スクリーンで顔のどアップを見ること日本一、でおなじみ塚本晋也監督の『HAZE』をようやく見て来ました。ちょこっとネタバレしますよ。 ...続きを見る |
ちょこぶろ。 2006/03/31 14:35 |
DVD/回帰怪奇塚本晋也
DVD「ヘイズ-HAZE-」公式サイト ...続きを見る |
サ バ ペ 2006/10/21 22:26 |
「HAZE ヘイズ」
ヘイズ/HAZE-Original Long Version ...続きを見る |
NUMB 2007/01/30 22:54 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
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調子に乗ってトラバを飛ばしてみましたよ。うまく飛ばせたようで満足です。 |
ニコ子 URL 2006/03/31 14:42 |
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