瓶詰めの映画地獄・血風篇

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help リーダーに追加 RSS 日本の男は・・・“上手”なんだって! 『セキ★ララ』

<<   作成日時 : 2006/06/09 01:15   >>

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20代の半ばに台湾を1ヵ月ほど旅していたとき、
よく街歩きに疲れちゃホテルにこもってTVを見てたんだけど、
向こうではNHKの放送がフツーに見られるほか、
なんと日本のプロレスやAVを専門に流しているチャンネルとかがあって、
そんなモノ見つけちゃった日にはもうそのまま外へ出かける気も失せて、
部屋にこもったままプロレスとAVを交互に見続けて過ごすという不健全な日もあった。
で、ボクたちは当然言葉がわかるから現地のユーザーのために字幕が付いていたんだけど、
なぜかAVで女のコが喘いでるだけって場合でも必要性ないのにご丁寧に字幕を流していて、
その内容がエッチの間じゅう延々と、

「好(ハオ) 好(ハオ) 好(ハオ) 好(ハオ) 好(ハオ) 好(ハオ) 好(ハオ) 好(ハオ) 好(ハオ)」

てな具合でそれが面白かったのだ。
とくれば、当然その次に頭をめぐる疑問は、
「こっちのコは、やっぱりエッチのときに好(ハオ)好(ハオ)って言うのかな…♪」
みたいなもんで、そしてそういう次元の低いことを考えているヤツというのはわりと近くにいて、
旅の途中で知り合ったバカそうな(イイ意味で)大学生の2人組と案の定その話になり、
「○○さん、確かめてきてくださいよ」「どうやって」「まずは台湾語を憶えて…」

「確かめてぇー!!!」

とそこから軸がブレることなくひと晩じゅうそんな話を繰り返していたのが台湾の想い出だ。

けっきょく、
その答えを実地的に得ることは旅の間じゅう無理だったというのは言わずもがななんだけど、
(てゆうより「好(ハオ)好(ハオ)」なんて言うわけないじゃん!)
要は言いたいのはこのテの話に国籍や習慣は関係ないという強引な展開はいつものとおり!

で、2003年にアダルト作品として製作されながらその中身が話題を呼んで、
なんとあの「山形国際ドキュメンタリー映画祭」に正式招待されたというのが、
“キムチが食べられない在日コリアン三世”、で知られるドキュメンタリー作家、
松江哲明監督がアダルト業界に生きる“在日二世&三世”たちの素顔に迫った、
今回の 『セキ★ララ』(DVDタイトル:『Identity』/発売元:ハマジム)。
日本映画学校の卒業制作作品 『あんにょんキムチ』 で、
“在日”という自身のアイデンティティーを見つめた1977年生まれの松江監督が、
まさしく、剥き出しのスッポンポンになるアダルトの枠を活かして「在日って何?」、
と素朴に問いかけたしかし小難しさなど微塵もないエロ笑える稀少なドキュメンタリー映画だ。
プロデューサーが、“ハメ撮りマスター”の“カン松”ことカンパニー松尾ということで、
エッチなシーンも超ド級・・・と言いたいところだけどこれはDVD版より30分ほど短い、
まぁ言ってみれば劇場公開用のディレクターズ・カット版。
別に全部流したっていいじゃん、とも個人的には思うんだけどそういうわけにもイカンだろうな。

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映画は、
在日コリアン三世の風俗嬢で、新人女優の相川ひろみ(金紅華)が、
要所要所で素人男優とエッチしながら生まれ故郷の尾道へ向かうという“ロードムービー篇”、
そして中国人留学生の杏奈(張心茄)とメジャーAV男優の花岡じった(柳光石)が、
横浜の中華街で中華を食べるなどしながらホテルや花岡の実家でエッチをする、
“1日デート篇”の2部から構成されている。

前半の相川ひろみは、韓国には行ったことがなく、それで生まれ故郷の尾道へ。
在日の人たちがパチンコ店を経営するというのはよくある話だけど、
それは帰化してなくて保障がないため手っ取り早く日銭を稼げるという理由から。
例に洩れず彼女の父親もかつて尾道でパチンコ店を経営していて、
しかし実家近辺のガラが悪いこともあり放課後、友だちと遊ぶということもあまりなく、
小さい頃から彼女はわりとひとりで過ごすことが多い女のコだった。
だからと言って彼女の明るい表情には、そこから想像できるような悲愴感は微塵もなく、
それは家族の絆が温かく強かったからと屈託なく話す。
家族全員、サッカーは韓国よりブラジルを応援し、その理由が単に「強いから」というところに、
とにかく強いことが生きてゆく上で大切だった在日の人たちの事情が垣間見えまるで梁日石。
でも、そんな強固な家族愛のなかで育った彼女は案の定涙もろく、
撮影が終わって松江たちと別れる際に今生の別れでもあるまいにポロポロと涙を流す。
なんかこちらまでもらい泣きしそうな場面だったけど彼女、エッチはスケベ。素晴らしい。◎だ。

後半の杏奈は、「いろんなことを体験してみたい」との理由からAV女優になった。
おそらくもとの育ちが相当いいのだろう、話す日本語はかなりキレイで品がある。
でも、そんな見るからに小動物系で愛らしい彼女もこれまたドが付くスケベぶり。
あろうことか「性感帯は?」と訊かれ「背中とぉー首とぉー・・・ク○ちゃん♪」だと。
中国人の女のコが“ク○ちゃん”と言うのをボクは初めて聞いた。感動じゃないか。
何かここに、日中間の問題を解消するキーワードが秘められていると感じたのはボクだけか?
しかも彼女、「日本の男の人、エッチうまいね」なんてことまで証言しているのだ。
そりゃまぁ、日本は細やかな手作業を得意とする職人の国なので理には適っているが、
もちろんボクは、国の内外問わずそんなこと言われたことは一度もないし、
きっと今コレを読んでおられるパソコンの前のアナタも言われたことはないだろう。

花岡じったが在日二世ということを初めて知ったけれど、
先の相川ひろみとは少し違って、彼は自分が在日であることにワダカマリがあるようだ。
それは、二世と三世の世代的な差、なのかもしれない。
在日というアイデンティティーを中途半端だと言い、俺は日本が好きだ、と言う彼。
だけど、彼が劇中で語る“負けの美学”のような概念は、
朝鮮民族特有の“恨(ハン)”の精神なんじゃなかろうか。
でも、彼はどこか日本のサムライ・スピリットを体現しようとしているような感じに見受けられる。
そしてそのとおり、彼は、相変わらず“いい仕事”をする。

元はエロ第一のAVだからそこまで硬派なドキュメンタリーを期待してもいけないし、
個人的にはもっと中国“猥褻”語講座を聞かせてほしかったというのが本音だけど、
そもそも松江監督自体にリビドーを感じないのでそれは仕方ないことかもしれない。
でも、被写体との接し方は大らかで嫌味がなく全篇にわたって好感の持てる仕上がりで、
相川ひろみ・杏奈・花岡じったと3人の人間味もうまく引き出して不思議と味わい深いAV。
“在日”のアイデンティティーを彫り下げる、というよりも、
“男と女”が抱き合うことに、アイデンティティーなんて関係ないじゃん。
そう受け取るのが今作の正しい見方のようにボクには思えた。

水曜深夜のアイ・チテル!の面々(ディアナが好き♪)にも見せてあげたい興味深い1本だ。

あ、杏奈ちゃんがなんて言って喘いでるのか、ずっとカラダ見てたから聞くの忘れたっ。

シネマアートン下北沢 にて6月23日(金)までレイトショー公開中 ]

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