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help リーダーに追加 RSS 男にはホラー!? でも、ラストは幸せ… 『ストロベリーショートケイクス』

<<   作成日時 : 2006/10/04 00:00   >>

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『三月のライオン』―。19歳の、まだ大学生だった頃、
名古屋は今池にあるシネマテークで初めて観たのが、
矢崎仁司の名を一躍世に知らしめた、この作品だった。
触れれば切れそうに繊細な近親相姦の内面性を描いたこの映画は、
しかし明確な物語というより感性に直に訴えてくるような危うさに充ちていて、
正直な話、観た当時は何をどう受け止めてよいのか戸惑うばかりだったことを記憶している。
だけど、その頃は、有り体なハリウッド大作など話題の映画とかじゃなく、
こうした映画を「面白い」と言えることがなにより通でカッコいぃと信じていた時代だったので、
どこがどうよかったのか説明できないクセに「好きな映画」のなかにこの作品を入れていた。
これを“若気の至り”と呼ぶんだけど、恥ずかしぃったらありゃしない。
でも、これを鑑賞した当日が、秋の冷たい雨だったことを今でも記憶しているのと同じように、
この映画の浮世離れした雰囲気もいまだにどこか体の芯に残っているような気がするので、
今観ると、やはり 『三月のライオン』 はモノ凄ぃ傑作なのかもしれない……。
それを確認しようと、この 『ストロベリーショートケイクス』 の公開に先駆けた、
新宿K’s cinemaでのリバイバルを観に行くつもりだったんだけど、けっきょく、行かなかった。
レンタルしようかとも思ったんだけど、寝たらマズぃ気がしたし、
やっぱりこういう何かの想い出に触れるような作品は、できればビデオやDVDじゃ観たくない。

『三月のライオン』 がフェイバリット映画だという人気マンガ家、
魚喃(←なんて読むの?)キリコの同名原作を、
当の矢崎仁司がそれに呼応するカタチで映画化した作品 『ストロベリーショートケイクス』 は、
まるでタイプが違う4人の女(のコ)の、それぞれの痛みと喪失と再生のドラマ。
男の生理には耐え難い、女性心理の内面を深く抉った描写は 『三月の〜』 のままだけれど、
とは言えチョット驚くほどにこれはとてもわかりやすく結果としてかなり良心的な映画で、
なにより作品全体を覆う空気はヘンにトがらず限りなく大らか。
矢崎仁司は、きっといぃ感じで歳を重ねてきたんだなぁ〜としみじみそう思わせる、
ここはもう、思いきって傑作と書ぃてしまおう、というそんな感じの映画だった……。

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 デリヘル店の受付として働くフリーターの里子(池脇千鶴)は、
 素敵な恋の訪れを待ちわびながら平凡な毎日を送っていた。
 そんな彼女が憧れるデリヘル嬢の秋代(中村優子)は、
 同級生の菊地(安藤政信)を一途に想い続けながらも、いまだ恋心を伝えられないでいた。
 一方、女ふたりで同居するOLのちひろ(中越典子)とイラストレーターの塔子(岩瀬塔子)も、
 互いに対し、複雑な感情を抱きながらもそれぞれの日々に悩んでいて……。

正直言うと、映画の1/3だか中盤に差しかかるあたりまでは、
それこそ女のコに向けられた何かを場違いに覗いてるような気恥ずかしさに襲われまくりで、
自虐的にもホドがある、池脇千鶴の痛々しぃ演技もそれに拍車をかけ、
「選ぶんじゃなかったかな…」と観に出かけたことを後悔するような感じだった。
男は絶対見たくない、“女の内面”というか“女の世界”というかとにかくソレを見せる描写は、
当の女性方にしてみりゃ「まだまだ甘ぃワよ!」という程度のものなのかもしれなぃが、
30過ぎていまだ乳離れできない(出ない母乳が好き)子供のボクにはそれでも充分耐え難く、
暗視カメラで捉えたならボクの顔面リアクションはおそらく、
グッチャグチャのスプラッターを観ている時と寸分違わぬ表情だったと想像される。
過食症のイラストレーター、塔子が呪詛を唱えながらゲ○を吐くシーンなど、
その前日、偏頭痛が高じて本当にゲ○を吐いていたボクは思わず“もらい”そうになったほど。

でも、それほどでも結果的に本作を観てたとえば女性恐怖症に陥ったりする心配がなぃのは、
やっぱりそれらの描写に作家の被写体に対する“情”みたぃなものを感じるだろうからで、
まるでそれを見せるのが目的であるかのような野心とか下世話さが微塵も漂っていないから。
“内面描写”が物語にどう機能すべきなのか、全然理解していない作家もいるなかで、
(この映画の、隣のスクリーンでかかってる映画の監督とかね)
こうしたある意味、映画としての懐深さは、
なにより矢崎仁司の作家としての成熟ぶりだと偉そうだけど本当にそう感じる。
女性が(おそらく)主観的に書いた脚本を、男性が(確実に)客観的に監督した例として、
これは女池充の傑作ピンク映画、『ビタースイート』 にも共通するんじゃないだろうか?

いくら時代が流れて、女が昔と違いたくましくなったからと言って、
女の性というものが基本的に“受け身”であることになんら変わりはない。
それゆえの“痛み”と、だからこそ生まれる“強さ”を理解しているようなフリをして、
その実まるで理解していない身勝手な男どもが多いから俺はいまだ独身なのかな・・・。
とは言え、本作はチョット男を身勝手に描き過ぎのような気もするとは老婆心な、が、ら。
それに、池脇千鶴はいぃとして、中村優子と岩瀬塔子が微乳も露わに脱いでいるというのに、
4人のなかで最も可愛い中越典子が脱がないとはいったいどんな契約なのか? まぁいぃや。

このテイストで2時間強を微塵も飽きさせない緩急自在の語り口がとにかく素晴らしく、
里子と秋代、塔子とちひろ、画面上では最後までいっしょに映りはしないけど、
2組がやがてつながるラストには思わず、というよりかなり感動してしまった……。

女性主体の物語とは言え、さすが男が撮っただけあり野郎にも観られる現代的な恋愛映画。
映画を鑑賞し終わった後はほんのり、あくまでほんのりと幸せな気分に浸れ、帰る道すがら、
年々、クソ溜めみたくなってゆく渋谷を歩いていてさえこう呟きたくなることウケアイの好篇だ。

「あぁ〜恋でもしたいなぁ〜」(主音声)
「イヤラしぃことしたぃなぁ〜」(副音声)

シネ・アミューズ(渋谷) にて公開中 ]

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タイトル (本文) ブログ名/日時
「ストロベリーショートケイクス」シビア過ぎて夢は見れない
「ストロベリーショートケイクス」★★★☆劇場にて 池脇千鶴、中村優子、中越典子、岩瀬塔子主演 矢崎仁司 監督、2005年 ...続きを見る
soramove
2006/11/22 09:26

コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
まだ未見なんですけどね、この作品自体は。
ちなみに(本当は知ってらっしゃるかな?)、原作者はナナナンキリコさんです(←実に綺麗な方ですよ、真面目に)。

「三月のライオン」は…。
大学生の頃ですね。始めて自分から男性を映画に誘ったのがこれでした(←そりゃ、無謀だろうアンタ!)。
アイスの棒をくわえてるビジュアルもですが、特に音楽がずるいんですよ。
でも、当時、映画見てる大学生の中でこの作品否定できる人ってあんまりいなかったかなー、とも。
私も詳細はあまり覚えてないですけど、いつまでも忘れられないタイトルです。




びすかちゃ
2006/10/04 02:21
ナナナン・・・? 読めねぇー。
本当に知りませんでした。ありがとうございます。
いやぁー書いてみるモンだ(笑)。
綺麗な方とはまた気になるじゃないですか。

初めて男を誘った映画が 『三月のライオン』!
見事すぎるじゃないですかソレ!
アイスの棒をくわえてる画にこのタイトル、
それだけで充分だったような気もします。
劇場には男女問わず独りで来てる人も多かったですけど、
きっとみんな 『三月の〜』 のファンなのかなぁ〜って、
よくよく考えれば、こういう多くの人が、
時代を共有できる映画って少なくなりましたよね。
あ〜またじじ臭ぃこと書いちゃった。
栗本 東樹
2006/10/04 19:15
>綺麗な方とはまた気になるじゃないですか
『ゆれる』の西川監督より女子からの支持は高いタイプでは? と勝手に思っています。
なんとなく“すっきり”してるんですよね、風貌も発言も。
葛藤を飲み込んで、しかも清涼感。私が男なら、そういう奴がいい。
一緒に酒飲んで面倒くさくないタイプかなと。
って、会ったこともないのにな。何言ってんだか、まったくな。

びすかちゃ
2006/10/05 00:32
見てませんが、岩瀬塔子の芸名で出ているのがナナナンキリコ本人らしいですよ!
ナナナン映画化は『blue』(監督 安藤尋、出演 市川実日子)に続き2本目ですか?
2本とも見ていませんが。
この人のマンガ、すごく映画的なので(構図とか、そのまま映画にできそう)これからも映画化、つづくでしょう。
あ、岩瀬塔子って芸名で女優としてもやっていくのかな?
kusukusu
2006/10/05 03:32
つーか、栗本さんの本文を読み返したら、

>中村優子と岩瀬塔子が微乳も露わに脱いでいるというのに

ナナナン!原作者が出演して脱いでいるのかよ!!
kusukusu
2006/10/05 03:41
えぇーッ! 塔子が原作者本人なんだ!(↑写真、右端)

>びすかちゃ さん
>葛藤を飲み込んで、しかも清涼感。
そりゃもう達観してるじゃないですか。
仏門に入ってる感じですね。
いっしょに酒呑んで面倒臭くないというのは大事かもです。
あまりサッパリしすぎてても寂しぃモンですが男にとっちゃ(笑)。

>kusukusuさん
有益な情報ありがとうございます。
なるほど、だから芸名と役名が同じだったのかな?
彼女は女優としても充分やっていけると思いますよ。
しかし原作者自ら脱ぐとは見上げたモンだ!
栗本 東樹
2006/10/05 06:50