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≪≪≪「日本⇔アメリカ、10代の“今”… 【前篇】 『ワサップ!』」 一方、『虹色★ロケット』 は、 1本の映画を何から何まで(主題歌まで)現役の高校生(当時)が手掛けたとして、 そして高校生の作った映画が異例の劇場公開ということでTV等でも取り上げられた、 まさに今の10代をリアルに生きる若者たちが(まぁボクも若者なんだけど)自分たち自身で、 10代なりの価値観や、日々思うことなどを素直に作品にぶつけたリアル10代青春映画。 作品の名前ぐらいは知っていたものの中身まではよく知らず今までスルーしてたんだけど、 『ワサップ!』 を観たら急に観たくなり、上映館のある下北沢まで出かけたというしだい―。 もともとはスタッフたちが在籍していた高校の生徒指導教室用として制作されたという本作。 だけどそれで学生映画やまして学園祭の延長レベルと思い込むにはしっかりした作りで、 そのなかで、子供と大人の境界で悶えながら生きている7人の超個性的な高校生が、 ドラッグ、イジメ、死、自殺など―、 今や現代の10代を象徴するとさえ言えるキーワードについて時にポジティヴに、 時にネガティヴに思いをめぐらせ、真っ正面から必死に格闘する姿が描かれてゆく。 薬物依存、イジメ、恋人の死など―様々な過去を生きてきた仲間たちが集う、 かつて生徒が作った、“芸術的銀河科”という妙な名前の学科には、 過去に自殺未遂の辛い経験があり、 そして今もそれを乗り越えられずにいるミナミ(平山みな美)も在籍していた。 そんなミナミの前に、ある日、ユカ(松永祐佳)という不思議な転校生がやってくる。 持ち前の明るさでユカはすぐにメンバーの環に溶け込むが、 しかしそんな彼女もまた難病に冒され、壮絶な過去を抱えていた……。 この映画のテーマはズバリ、「命」。 ファンタジー系の難病モノという、どこかで聞いたことのあるような、 そして個人的にはマズなによりも先に敬遠したいタイプのストーリーだし、 客を安易に感傷の涙に浸らすだけの商業映画がこぞって取り上げるテーマだ。 しかし、たとえ扱うテーマは同じでも、 大人の都合で(お金が儲かるように)扱われる上から目線のそれとは天地ほどもかけ離れて、 彼らは10代なりの青臭さも正直に「生」の、そして「死」の持つ意味を大人より真剣に考える。 命を大切に…そんなわかり切ったことをどこの大人もしたり顔で口にするけど、 しかし現代社会の負の根幹のひとつに、 大人社会の子供社会に対する無理解があるとはどこの大人も口にしない。 そんなこと口にすれば自分の首を絞め、逃げ場所をなくすだけだから。 でも、当の10代である彼らに、そんな大人の思惑など関係ない。 こういう映画が評判になると、とても10代が考えるセリフとは思えない―、 なんて感想も出てくるような気がするけれど、しかし、それは少し違うとボクは思う。 胸の内にくすぶっている感情を、うまく言葉にできるかどうか、そこにチョット差があるだけ。 バカなヤツもいるだろうし、大人顔負けの悪党だっているだろう。 だけど10代にもなれば、そのヘンでテキトーに生きている大人なんかより、 どころか、言葉尻の奪い合いでいつまで経っても子供以下のケンカばかりしている、 アホな政治家どもなんかよりずっとまともに世の中のいろんなことに思いをめぐらせている。 10代だったらフツーに考えるようなことを、彼らは照れることなく、素直に語っているだけだ。 そんなあまりの素直さに時に気恥ずかしくなるコチラの本心も決して隠したりはしないけど、 神様だとか、宇宙だとか、狭い半径に生きていながらも、 考えることのスケールだけはやたらと大きいというのも10代だからこその想像力だ。 「ボクらの後ろにはいつもブラックホールが口を空けている。勢いを失えば、吸い込まれる」 とかくいろんなキケンと背中合わせに生きている、 現代の10代を取り巻く本質をズバリ喩えたこんな粋なセリフも、 多感で傷つきやすいからこそ自然と出てくる発想なんだという感じがするし、 「映画を創る」という客観性が、そんな本質を見つめるスタンスを彼らに与えたに違いない。 だけど、ブラックホールを背中に吸い込まれまいと踏ん張っているのは大人だって同様……。 どこに目標を定めて生きればいけばいいのかを悩み、忙しい社会の中で心の病に苦しんで、 そして自殺者が年間3万人を超えるこの国の本質を、彼らは彼らなりに見据えている……。 ボクがたまたまこの映画を観に行ったその日は、 これまた彼らがデザインから包装まですべて手作りで仕上げたという、 本作のサントラ盤の発売日で、その宣伝も兼ねてなのか各回上映後には、 主題歌も唄っている主演のコ(↑写真)本人によるミニライヴも聴くことができた。 ガチガチに緊張しつつも仲間との絆を感じながら唄う彼女の声は胸がすくように伸びやかで、 とかく若手の音楽に拒否感を示すボクでもグッとくるようなエモーショナルなメロディで、 身を乗り出すというワケじゃなかったけれど、聴いている間じゅう、鳥肌は収まらなかった。 『ワサップ!』 といいこの 『虹色★ロケット』 といい、 こういう映画に見事にヤラレる自分の感傷オヤジぶりが気恥ずかしくも、 何かもう、どうしようもなく感極まってしまう自分を抑えることができなかった……。 別に涙まで流したワケじゃなかったが、 それでも劇場入口で観客を見送ってくれる彼らの姿はあまりに純粋で、あまりにまぶしくて、 自分の10代を思い出したのか、彼らの青春が羨ましいのか、そんなこともわからないまま、 映画好きとして粋なひと言をかけてあげることもできずに、ただ黙って目を伏せた状態で、 その、彼らの青春が、今の10代の想いが詰まったCDを買っただけで劇場を後にした。 手売りしてくれた女のコの声がやけに色っぽかったことだけハッキリ憶えている。 「よければ、ロビーに置いてあるノートに感想をお願いします」という声に応えることもできず、 でも、その代わり、今こうしてブログを書いている。 この映画を観た彼らと同世代というコのなかには、 彼らを「優等生」として斜めに見てしまうというタイプも、もしかするといるのかもしれない。 だけど、決して自己満足じゃない彼らの声は、言葉は、想いは、 どんな賢人の言葉より、それこそ夜廻り先生やヤンキー先生の言葉以上に、 どんなタイプであれ、10代をリアルに悩んで生きている誰もの胸にきっと響くに違いない。 (それこそ 『ワサップ!』 に出ている、ラテン系少年たちの共感だって呼べるに違いない) 感傷じじぃぽく、ダラダラ書いてきたけれど、“ゴミバトル”で思い出したことをひとつ……。 ボクが普段、勤めに出ている職場が敷地内に月極の駐車場を所有していて、 しかし管理人とているワケじゃないので、誰に言われるでもなく、 ポカポカと天気の好い日なんかに掃除をして功徳を積んでいるんだけど、 一時期、朝出勤すると駐車場の片隅に、 菓子の包装紙やジュースの空き缶が散乱していて辟易していたことがあった。 ほぼ毎日のことで本当にアタマにきてブリブリ怒っていたんだけれど、 駐車場を借りている人の話によれば、 毎晩、夜の8時とか9時ぐらいになると、制服姿の学生がタムロしているようだという。 「ったくガキどもが…」と思いながらコチラとしてもどうすることもできず思案していたんだけど、 ところがある平日の昼間、テスト期間に入って学校を早上がりでもしてきたのか、 いかにももう授業にはついていけませんと言わんばかりの制服姿の男のコと女のコ各2人が、 おそらく夜もそんな感じなんだろう、菓子やジュースを呑み食いしながらタムロしていた。 ブリブリ怒っていたクセに、さていざとなるとどうしたモンかと、 今日びの大人に倣って傍観しようかどうか少しの間逡巡していた。 当然、スパスパ吸ってるし、まぁ別にタバコぐらい吸いたきゃ吸えばいいと思うんだけど、 呑み乾したペットボトルをそこらに蹴り転がしている音を聞きボクはようやく駐車場へ出て、 さっそく彼らが散らかしたゴミをひとつひとつ拾い集めると、「ねぇ!」と彼らに声をかけた。 「はいっ!?」と本当にびっくりしたような顔でコチラをうかがうそんな彼らに向かってボクは、 「ゴミはさァ、持って帰ってくれる?」 と、タムロすること自体に注意する理由は見つけられずに、とりあえずそれだけ言った。 キョトンとしている女のコが、それでも「はい」と言って、 確かにその日、彼らはゴミを持ち帰った……。 週末が明けて、駐車場を廻ってみると、 やっぱり片隅にタムロした形跡があって、そこに、タバコの吸い殻“だけ”が落ちていた。 「“ゴミ”の括りに、吸い殻は入らねぇのかよ…」と呆れながらも、 ボクはチョット、カワイイな、と思ってしまった。 だけど、それ以来、駐車場にゴミが散乱していたことはない。 その後すぐに、タムロしている形跡もなくなった。 今じゃ、駐車場を借りている人(大人)の捨てたタバコが、時々転がっているだけだ……。 [ 短編映画館トリウッド(下北沢) にて公開中 ] |
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