瓶詰めの映画地獄 〜断罪!断罪!また断罪!!〜

アクセスカウンタ

help リーダーに追加 RSS 「清水宏大復活!」にSMAPファン殺到で名画座が立見!?

<<   作成日時 : 2007/07/24 00:00   >>

トラックバック 0 / コメント 3

「清水宏大復活!」とは言え、
周囲の友人に思われているほど、
実は映画について詳しくはないので、
本当に詳しい人なら当然知っているに違いない、
この、“清水宏”というヤケに平凡な名前の監督の存在もボクは今回初めて知ったんだけど、
“しみずひろし”と言えば、ニッポン放送を毎日、聴いている身としては、
すっかり「ラジオビバリー昼ズ」に名前がチョクチョク出てくる、
芸人、“清水宏”(同姓同名)の特集かと早トチリしたのもまた事実。

とにかく、知らぬは一生の恥。
マズは知ることが大切だしと早々に予定を組み、
ボクは先の週末、 『花形選手』(’37)と 『按摩と女』(’38)の2本を、
渋谷円山町にあるシネマヴェーラまで観に行ったんだけれど、
ところが当日昼ぐらいに内部事情に詳しいある友人から、
立見が出ている様子だから行くなら夕方以降の回が賢明との電信が届いてびっくり。
た、立見ぃ〜!? そ、そんなに客呼べる監督なのか清水宏って? 知らなかった。
と、自分の映画の知識のあまりの乏しさに愕然と肩を落としたモンだけど、
しかしなんのことはなく、なんでもボクがたまたま選んだその 『按摩と女』 という映画が、
邦画屈指のプラトニック名優、『日本沈没』 の草なぎくん主演でリメイクされるようで、
そこで草なぎくんファンの女性の方々がオリジナル映画を事前にチェックせんと、
大挙して劇場に押し寄せたということのようだった。
草なぎくんのファンはなかなか勉強熱心じゃないか!
(だけどSMAPのファンて、ワリと年齢層が高いのね…)

按摩と草なぎくん。“座頭市”を思い出せばわかる通り、
按摩と言えば、昔は盲目の人に多い職業だったということで、
当然、そのリメイク版でも彼が盲目の按摩を演じると思うんだけど、
なんかソレ、失明する田舎侍の役をキム兄が熱演して絶賛された、
『武士の一分』 からの安易な流れに思えるのはボクだけだろうか?

だけどとにかく、なんにせよリメイクされるぐらいだから知る人ぞ知る1本には違いなく、
けっきょくボクがそんな映画の存在も知らない底の浅い映画ファンであることは確か。
たまさか偶然とは言え選んで正解だったし、正解だったと言うだけ 『按摩と女』 は、
なるほどそれは66分という尺の中に、映画の良さがたくさん詰まった真に珠玉の1本だった。

画像

この清水宏という監督は、フライヤーのコピーにもある通り倣岸不遜、
まぁ平たく言えば超性格が悪くて性癖にも変わったところがあり、
まぁそれも平たく言えば変態と言える類の人物だったようで、
内部事情に詳しい友人から聞いた話をそのままウケウリで流せば、
なんでもウ○コの匂いを(何のウ○コかはわからない)助監督に嗅がせて、
「いい匂いと言え!」と迫ったことがあるなんてエピソードもあるとかないとか・・・。
その逸話が本当ならケッコウなド鬼畜。気になるのは、ボクの大好きな石井輝男御大が、
かつて清水組の助監督をやっていたこともあるという話で、まさか・・・。
でもまぁ、御大はハナから変態だったからいいのか。

ところが世の中不思議としたモンで、
そういう人格がイビツな作家の映画ほど素晴らしいという傾向もあり、
この 『按摩と女』 も、面目躍如だったというロケーション撮影に冴えを見せる、
時にハッと息を呑むほど美しいまるで詩のように静謐な映像、
70年前の映画なのに現代にも通じて世相を諷刺しつつ機知に富み、
皮肉とユーモアがほどよく利いた絶妙の間でやりとりされるセリフの数々、
そして報われない恋の行方を見据えるサラリとした肌触りのロマンチシズムと、
破綻のハの字もないとにかくよくまとまったまさに職人の映画で終始ウットリだった。
世の中、秀でた才能があれば、多少性格が悪くても名前が残るということか。羨ましい!

女性を描くことにも長けている監督だったようだけど、
ほかには 『有がたうさん』(’36)、『〜の子供たち』 シリーズ、
『簪』(’41)などが、この監督の代表作ということになっているらしい。
主催側もこの企画には力を入れているのか、
ニュープリント作品が多くてフィルムがとてもキレイなので、
草なぎくんファンの人が1人でも名画に興味を持ってくれるとうれしいが。
だけど 『按摩と女』 は間違いなくいい映画だけど、『山のあなた 徳市の恋』 は、
タイトルからしてなんかあざとい悲恋モノのお涙頂戴に仕上がってくる気がすんなぁ〜。

「清水宏大復活!」
シネマヴェーラ渋谷 にて8月3日(金)まで開催 ]

設定テーマ

関連テーマ 一覧

月別リンク

コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
「簪」はこの前見ましたが良かったです。戦前(1940)の温泉でのほのぼのとした風景を(井伏鱒二原作)描いております。「風の中の子供」「子供の四季」「蜂の巣の子供達」「見かへりの塔」「しいのみ学園」を見ました。「信子」は、去年の10月に我がblogで触れてます。清水宏は父より一歳上なんで、懐かしさも感じているのかも。あの頃の人は意外に表現が硬くなくて親しみやすいです。それにかれは「天才」なんだそうですよ。
Bianca
2007/07/24 23:33
さっきアドレスを忘れましたので。
Bianca
URL
2007/07/24 23:36
>Biancaさん、こんばんは。
ウワァ〜たくさんご覧になってますねぇ。
『簪』 なんて漢字一字なのが粋でいいです。
確かに昔の映画の方が表現が柔軟だったり、
また女性の描き方がヤケに巧いような気がします。
なるほど「天才」と語り継がれるのも納得ですよね。
栗本 東樹
2007/07/25 20:04