瓶詰めの映画地獄 〜断罪!断罪!また断罪!!〜

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help リーダーに追加 RSS 映画に感じる“男の色気”! 『アメリカン・ギャングスター』!

<<   作成日時 : 2008/02/05 08:30   >>

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ヒゲから胸毛からモジャモジャの男が天を見上げ、
獣の雄叫びを上げているかのようなバストアップと、
後ろでコチラへケツを向けている下帯姿の男たち―。
ご存知、ひと頃、ワイドショー等で取り上げられ議論を呼んだ、
岩手県奥州市の黒石寺で行われる「蘇民祭」の観光ポスター。
せっかく祭に向け盛り上げようとよく目立つ駅構内に掲示したら、
女性客から「不快」との苦情が相次ぎ撤去されたっていうアレだ。
不快なんて失礼なと思いつつ、確かに笑える写真じゃあったけど、
しかし翻ってこの話題は、物の見事に今の世の中を象徴しているような気がする。
要するに今の世は何かにつけ、見た目のキレイな物しか認めてもらえないってこと。
不快だったら、目を背ければそれですむのに、必ず眉をひそめるだけじゃ飽き足らず、
自分がこの世の正義とばかり、ヒステリックな反応を示す人が最近は本当に多すぎる。
ハッキリ言ってこれは、今のTVがツマラナイというその原因と根っ子は同じなんだと思う。

話飛ぶけど映画にしても同じ。今や映画なんて女性客が見込めなきゃ成り立たないから、
いわゆるメジャー路線の映画なんて、見た目のキレイなツルッツル顔の男しか出てこない。
とにかく似たような顔ばっかりだし、やっていることは映画もドラマもCMもまったくいっしょで、
ボクなんかもうオジンだから、今日びの若い俳優なんて誰が誰だかわからない。みんな同じ。
昔の映画には男臭〜い男がいて、しかしそんな男たちから男は“男”を学ぶものだったのに。
男臭い男が映えるからこそ女も艶が増して、そしてそんな女の艶が映えるからまた男は輝く、
その相乗効果があるからこそ映画は面白くなるし、俳優だけで映画を観ようという気にもなる。
まぁ今は映画自体が庶民の一大娯楽なんて時代じゃないからそこまでは言わないにしても、
とにかく日本の映画は“男の匂い”のしないCM俳優ばかり出ていてツマラないったらない!

その点、往時の勢いまではないとは言え、海の向こうのハリウッドはやっぱり違う。
たとえば若い俳優にしたって去年の 『ブラッド・ダイヤモンド』 のディカプリオなんか、
すごくギラギラしていて男臭くてメチャクチャカッコよかったし、映画に“男”が出てくる。
やっぱ映画は男がカッコよくなきゃ始まらないし、惚れ惚れするよな男臭〜い映画が観たい。
『仁義なき戦い・広島死闘篇』 の山中正治が今や“犬”の声だモンな。そりゃ泣けてくるサ。
そこで(でもないけど)本作、リドリー・スコット監督最新作 『アメリカン・ギャングスター』 は、
今ドキ珍しい男臭い映画だ。まぁデンゼル・ワシントンとラッセル・クロウが出てくる時点で、
これは完全に男が観るべき映画なんだけど、それを含めて全篇には“艶”がありカッコよく、
これゾ映画、と言いたくなるような充実した1本に仕上がっていてこの冬、熱い映画なんだ。

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 70年代の初期のニューヨーク―。15年もの長きに及んでハーレムを牛耳っている、
 ギャングのボスの運転手をしていたフランク・ルーカス(ワシントン)は、ボスの亡き後、
 ベトナム戦争の空軍機を使って、東南アジアの麻薬を密輸するという計画を実行する。
 直接買い付けによる良質で安価な麻薬の密売でたちまち巨万の富を築いたフランクは、
 マフィアにも一目置かれる麻薬王として街に君臨する。彼は派手な動きを慎んだため、
 その正体は長い間謎のままだったが、そんな彼に疑惑の目を向ける人間が現れる。
 特別麻薬取締局へ新しく配属された刑事のリッチー・ロバーツ(クロウ)だった……。

当然、初めて知ったけど、フランク・ルーカスとは実在する伝説のギャングの名前で、
彼を追い詰めるラッセル・クロウが演じたリッチー・ロバーツという刑事も実在の人物。
これは、しがない運転手からハーレムの麻薬王へと上り詰めた男の怒涛の半生記と、
正義一貫、麻薬犯罪一掃に人生を懸けた“刑事バカ一代”男の執念の捜査の経緯を、
スクリーン上、荒々しく拮抗させながらも情感豊かに描いた重厚な“実録犯罪映画”だ。
いまだ創作意欲旺盛なスコット監督は、まるで70年代ブラック・ムービーを彷彿とさせる、
粗めながらもコクを感じさせる映像の中、2時間37分の長尺をまったく飽きさせることなし、
骨太だけどスピーディーな奇をてらわない演出で2人の男の生き様をひと息に見せてゆく。
実際にその中にいたらどーかとは思うだろうけど映画の世界だからこそなんとも言えない、
ゾクゾクするような70年代のカッコよさが白眉でそれだけでも本作には充分吸引力がある。

そしてその中で活き活きとキャラクターを演じ切るデンゼルとクロウの芝居がやはりいい。
実話の凄味に決して気圧されない、2人の役者的存在感があるからこそ本作は成立する。
警察の汚職や腐敗なんてフツーだったという時代に不正は微塵も許さないけどその代わり、
プライベートはグッダグダで下半身もダラシがないというリッチー・ロバーツのキャラクターは、
クロウのプライベートにおける、男臭いというよりケダモノぶりと妙にシンクロする部分があり、
“正義に篤いけどダメ人間=名優だけどダメ人間”という図式が成立して途轍もなく魅力的。
また、コチラは男臭いけど善人臭くもありそこが悪役は難しいと言われ続けてきた由である、
デンゼルの弱点を逆に活かしたフランク・ルーカスのキャラクターは、一見、品行方正だけど、
彼のばら撒いた麻薬によって街が地獄と化したという部分に説得力を生んでこれまたよくて、
とにかく2人をキャスティングした時点でこの企画は成功していたと言えるくらいのハマりよう。
そんな好対照の男臭さを持つ2人の重量級の芝居を堪能するだけでもモトはたっぷり取れる。

2人演じるルーカスとロバーツそれぞれのドラマが並行して描かれしだいに距離が縮まり、
超リアルな描写による銃撃戦の果てにいよいよ顔を合わせる後半、怒涛のクライマックス。
ルーカスという恋焦がれた相手とついに対峙して、慢心の笑みを浮かべるロバーツの表情。
ジリジリと上がってゆくテンションがついにピークに達してスパークする瞬間の映画的快感!
正直、実録ということもあるのか話を淡々と処理しすぎてやや物足りなく感じるとこもあるし、
『ゴッドファーザー』 なんかの風格まで期待するとチョッピリ肩透かしを喰うかもしれないが、
だけど、この男気溢れる野蛮なドラマには昨今の軟弱な日本映画なんかには見られない、
それはもう濃厚な男臭さが漂っていてしかしそれがオシャレにさえ感じるから外人は違う。
本作のクロウを見ていると、男臭くさえあればお腹周りぐらい気にしなくていい気がしてくる。
とにかく軟弱な泣きや感動を映画に求める輩は門前払いの男臭ぁい1本。だから女も魅力的。



先の日曜日―。大雪が祟ったか、新宿歌舞伎町はいつもに較べて人も少なく、
ボクが本作を観たコマ劇場隣の新宿プラザも最終回とは言え客入り少なだった。
外が冷えていたこともあり、ボクは映画の途中からトイレへ行きたかったんだけど、
映画が面白くずっと我慢していたのでエンドロールになるとソソクサと席を立った。
で、2階ロビーのトイレへ入ると、中に、まるで今観た映画から抜け出てきたような、
超背が高く超オシャレな超イケメンの黒人が…子供用便器で用を足していたメ〜ン。
そのギャップに惹かれチラ見していると、今度は自分との“下”のギャップに驚いた。
さすが、ブラザー。日本人とは持っている“モノ”がケタ違いメ〜ン!
だけど彼は、用を足すとそのまま手を洗わず彼女が待っているロビーへと出ていった。
ヘイ、ブラザー。いくらユーのステディがその極太コックを後で○○○するからと言って、
素敵なレディをエスコートするその手はしっかりと洗おうYo! 老婆心な、が、ら、メ〜ン。

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