|
ドダイ年中、映画漬けだからと言ってイコール“映画に詳しい”ワケじゃないので、 「香港映画」について語れるような知識など微塵も持ち併せてはいないのだけど、 それでも「香港映画」と聞き、ほかにはないしっくりくるような親近感を覚えるのは、 やはり世代柄、物心ついた頃にはジャッキー・チェンのカンフー(クンフー?)映画や、 『Mr.Boo! ミスター・ブー』 などの香港製コメディ映画をTVで見ていたからだと思う。 (石丸博也や故・広川太一郎など、吹替声優陣の功績は計り知れないほど大きい…) 極端な話、小さい頃を振り返ると、自分の“映画原体験”はハリウッド映画なんかより、 よっぽど香港映画にこそそのルーツをたどるのではないかというような気さえする……。 ただ、それらの映画を思い出す時に、同時にパッと思い浮かぶのが、映画が始まる際、 ♪ドン、ドン、ドン、ドン、ファンファンファファ〜ン♪と流れるあのファンファーレという通り、 香港映画と言えば「ゴールデン・ハーベスト社」というイメージが強かったと思うんだけど、 しかし、70年代前半、ブルース・リーを旗頭にゴールデン・ハーベストが台頭してくるまで、 香港映画を仕切っていたと言えばそれは「ショウ・ブラザース社」だった(←説明正しい?)。 そして近年、そんなショウ・ブラザースが60、70年代にモリモリと創っていた武侠映画とか、 クンフー映画が注目を集め、次々とDVD化されているというその背景には、タランティーノが、 2003年に発表した 『キル・ビル』 による影響が大きいというのは、実は知る人ゾ知る話……。 ボク個人としてのショウ・ブラザース製武侠映画との初遭遇となると、それは1997年に他界した、 キン・フー(胡金銓)による 『侠女』 などの傑作を前のめりになって観たのが最初だったと思うけど、 (山田宏一・宇田川幸洋両先生による大著 『キン・フー武侠電影作法』。本棚に飾ってます!未読) とにかく香港映画もその歴史を紐解くとなれば、とてもじゃないけど一映画好きの手になど負えず、 チョットやソットかじったぐらいでは到底その深淵になどたどり着けないというのが哀しいかな現実。 そんな中! 件のショウ・ブラザース製の武侠映画等含め、昨今、香港映画と言えば名の挙がる、 ジョニー・トー監督や 『ミラクル7号』 も絶賛公開中のチャウ・シンチーの日本未公開作品ともども、 知られざる香港映画の歴史に光を当てた企画がこの!「香港レジェンド・シネマ・フェスティバル」! 要はキング・レコードより今後続々とリリースされるショウ・ブラDVDの宣伝を兼ねた企画であり、 1週間限定のレア上映ということでケッコウ前々から何作品かのチケットは買っていたんだけど、 ジョニー・トー幻の傑作と謳われていた、『裸足のクンフーファイター』 はとっくに売り切れていた! みんなよく知ってるな〜。というワケで初日に勇んで観に行ったらなるほど全回満席の盛況ぶり! 客席には女性、しかもいかにも韓流ドラマとかを追いかけてそーなオバ様方が多くてびっくりした。 それにしても、こういう企画はそりゃうれしいし、聞いたら新作映画を控えてせっせと通うんだけど、 しかしそうすることは反面で自分が映画に疎いことを自分に思い知らせることにもつながるワケで、 げに、映画を追い求めるとは、まるで逃げてゆく月を追いかけるが如しとため息もまたひとつ。ふぅ。 『冷血十三鷹』 せめてもの慰めと↑に写真を載せた、『裸足のクンフーファイター』(’93)はまたの縁を待つとして、 宇田川幸洋先生のミニミニ・トークショー付きで観た本企画1本目の映画は 『冷血十三鷹』(’78)。 数あるショウ・ブラ製武侠映画の中でも傑作との誉れ高い作品らしくなるほど確かに面白かった! 話は至って単純で、「鷹」という冷酷な殺人集団を作り上げる組織があり、集めた孤児を訓練して、 生き残った13人を「冷血十三鷹」として育てるんだが、その内の1人が組織に疑問を持って脱走し、 後の12人に追われるハメになるもののそんな彼を謎の男が救って一緒に戦うことに云々みたいな。 その逃げる男を 『男たちの挽歌』 にも出てるショウ・ブラ生え抜きのティ・ロンが演じているんだけど、 なにより楽しいのは、次々に出てくるアイデア満載のしかし言葉じゃ全然説明できない武器の数々。 そのゾクゾクするような面白さは日本の名匠・三隅研次の 『子連れ狼』 シリーズとか、個人的には、 『必殺』 シリーズの遊び心にも通じるものがあり(関連ないのかな?)とにかくたまらなかった。必見。 『残酷復讐拳』 『残酷復讐拳』 というなんだか東映みたいなタイトルでワクワクする1本は驚愕のカルト・クンフー。 なんか笑えたのは、冒頭で妻を惨殺され、一人息子も両腕を切断されるという災難に遭った人が、 10数年経って場面が変わると実は悪役だったという見事な展開。その人は、町を牛耳る大地主で、 失くした両腕にゴッツイ鉄の殺人ギブス(!)をはめた息子ともども傍若無人の限りを尽すんだけど、 そこで親子に逆らった4人の若者が次々と目や耳を潰されたり両足を斬られたり知能障害にされ、 しかしその内の1人の師匠に武術を教えてもらって3年後、親子に復讐するため町へ向かうという。 戦う善悪両方の人間が全員身体障害者という凄い内容で(なんか東映の 『博徒七人』 みたい?)、 しかしクンフー・アクションとして抜群に面白ければ 『冷血〜』 同様武器に見るアイデアがたまらず、 またまた 『必殺』 なんだけど、鉄の腕とか足には、TVスペシャル「必殺仕事人ワイド 大老殺し」で、 寺田農が扮した“地獄組の鉄眼”を思い出してサイコーに楽しかった!(わからないだろうな〜誰も) 渋谷にばっか出かけてるワケにもいかないし、ラインナップ13本なんてドダイ無理な話なんだけど、 それでも、『キル・ビル』 効果でリバイバルされて好評を博しDVDでもいまだレンタル率の高い1本、 カルト傑作 『片腕カンフー対空とぶギロチン』 の元ネタらしい 『空とぶギロチン』 や(まんまやん!)、 『裸足のクンフーファイター』 が観られない代わりに(←しつこい)ジョニー・トー版の 『バックドラフト』、 『ファイヤーライン』 なんかは観に行くつもり。というよりチケット買ってあるのでゼッタイに観に行く! ふぅ。だけどまぁ映画など追えば追うだけそれに比例して知らない映画がどんどん増えてゆく一方。 本当に観ても観てもキリがなくこういう企画は実にうれしい反面少し凹む……。あ〜時間が足りん! そんなワケでこれから眠気醒ましのドリンク剤1本呑んで新宿まで 『ミラクル7号』 観に行かなきゃ! 「香港レジェンド・シネマ・フェスティバル」 [ シアターN渋谷 にて7月4日(金) まで開催 ] |
| << 前記事(2008/06/28) | トップへ | 後記事(2008/07/01)>> |
| << 前記事(2008/06/28) | トップへ | 後記事(2008/07/01)>> |