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もはやこの年齢になって自分に子供が云々等とアレコレ考え始めると、 若い頃とは違う面で頭が堅く保守的になっている部分が多々あるので、 “計画的に”コトを進めようと思っていたらいつまで経っても子供どころか、 家庭なんてチットモ持つことはできず、なんならイッソ“できちゃった”方が、 モロモロ踏ん切り着くし未来も拓けるんじゃないかとそんな気がタマにする。 まぁその前にそんな相手がボクにいるか・いないかはこの際別の問題として、 とにかく今年で36歳―。相変わらず不安的なその日暮らしはともかくとして、 この先刹那の勢いでイイ加減なマネをするのは絶対よそうと自戒している。 とまぁ、そんな30代独身男の秘かな決意と映画とはなんの関係もないんだけど、 しかし ここで問題! ある時、図らずも2人の間に子供ができてしまいました。 その子供が女の子だった場合、名前は“はずみ”になります(“はずみ”でできた)。 では、男の子だったら名前はなんになるでしょう? 正解はレビューの後に書きます。 まるで高校の頃のように毎週欠かさず聴いているナイナイのオールナイトニッポンで、 最近、往年の名クイズ番組「大橋巨泉のクイズダービー」がチョット話題になっていて、 岡村くんが「“はらたいら”はすごかった」と↑の問題を番組内で出していたんだけど、 個人的にクイズ関係はいっさい苦手なので、ボクはまったく解けなかった。名解答! だけど、そう言えば、ボクの大親友の上の娘さんの名前は本当に“はずみ”ちゃんだ。 親友はボクと違って超が付くほど堅実な男なのに娘の名が“はずみ”とはこれいかに? というワケで、ある調査によると今や高校生の7割がセックスを経験しているという現代。 若気の至り、若気のはずみで子供ができてしまうなんてことも往々にしてあると思うけど、 予期せぬ妊娠をしてしまった16歳の少女の心の成長を描いたこの映画 『JUNO ジュノ』。 モトは低予算のインディーズ映画が口コミによる口コミで本国アメリカじゃ異例の大ヒット、 アカデミー賞にノミネートもされてたし話題だからとボクも軽い気持で観に行ったんだけど、 いやぁ〜いい映画だった。素直に「いい映画観たよ」と人に話したくなるような映画だった。 パンクとB級映画が好きな少し変わった女子高生ジュノ(エレン・ペイジ)は、 親友のブリーカー(マイケル・セラ)と興味本位にセックスして妊娠してしまう。 中絶を思い留まったジュノは、友人リア(オリヴィア・サールビー)の協力を得、 養子を希望している夫婦を探すことに。高級住宅地に住む理想的な夫婦を見つけて、 父親マック(J・K・シモンズ)を伴い養子縁組の話を進めるため逢いに行くジュノだったが……。 いい映画を観ると、面白いクイズを聞いた時のように誰かに話したくなるモンだけどまさにこれ。 予期せぬ妊娠、それも16歳という、親になるにはどー考えたって早すぎる年齢での妊娠という、 深刻な題材を扱いながらしかし映画はヘビーじゃなく、だからと言って題材を軽々しくは扱わず、 10代の性に対する意識の変化、中絶の是非、里親探しなどの現実的な側面を踏まえながらも、 たとえば、日本のドラマに見られるようなありがちなドラマツルギーとはまったく違った切り口で、 「なるほどそれもアリか」と、何が正しいかとかそういう問題じゃなくどうしたら皆が幸せかという、 そんな方向性で話が紡がれている点に現代に必要とされる優しさがあるような気がボクはした。 お門違いかもしれないが、こういう映画を観ると、やはり日本は遅れているのかな?と思えたり。 なによりこの映画をいいと思う部分は、予期せぬ妊娠という仮に10代じゃなくても深刻な事態が、 しっかりとヒロインの心の成長に機能している点。親子の葛藤だとか周囲との軋轢だとかを超え、 妊娠出産を経験し人としても、女性としても成長するそんなヒロインの姿を見るのがうれしいんだ。 流行のメイク、ファッションに惑わされることなく、70年代パンク音楽やB級映画に傾倒するという、 日本で言えばまるで“80年代サブカル少女”のようにトンがっているそんなジュノも、心の中には、 親の離婚を経験したことからくる愛という不確かな概念に対する不信感があったのかもしれない。 里親として完璧だと思っていた夫婦のしかしハタ目にはわからなかった関係の脆弱さを知った時、 ジュノは自分が誰から愛され、そして誰を愛しているのかを素直に認識する大きなキッカケを得る。 どこか飄々としながらも、ジュノの父親らしく他人とは違ったポリシーの元に生きているマックや、 ジュノとの距離感に時にイラ立ち時に戸惑いながらも実はしっかり彼女を見ている継母のブレン。 奔放なジュノと出逢って一見は完璧な、しかし仮面だけの夫婦生活に我慢ができなくなるマーク、 子供を望むあまり、理想の夫婦像を求めすぎるあまりいつしか夫のことを見失っていたヴァネッサ。 そして、ある意味男としての存在をナイガシロにされながらもひたむきにジュノを想うブリーカーと、 誰もが生きてくのに不器用だけど愛しくて、ジュノの周りで活き活きと存在感を発揮して魅力的。 現代の風潮よろしく女性たちの個性が鮮やかすぎ、なんとなく男の存在感を稀薄にも感じるけど、 描写としては控え目なマックの姿などにはケッコウ男のあり方が託されているようにボクは感じた。 センスよく練られたユーモア満載のセリフのやりとりで構成される脚本はとてもよくできているし、 前作、『サンキュー・スモーキング』 も面白かったジェイソン・ライトマン監督の洗練された演出は、 パッと見、サッパリしていながらも人物の内面をさりげなく深く彫り下げていてコチラもセンス抜群。 キャラクターそれぞれが抱える想いをムリなく交差させてじくりじっくりドラマを盛り上げてゆく……。 2年前の怪作、『ハード キャンディ』 で森昌子似の必殺仕置人少女を演じていたエレン・ペイジは、 評判通り、ジュノというチョット生意気な、しかし超個性的な魅力いっぱいの少女を自然体で好演。 最初の方は、イチイチ頓智の利いた嫌味なガキだと思っていたのがやっぱりいつしか惹き込まれ、 最後の方じゃ彼女の10代らしい心情に共感して今年36になるオジンまでなぜか涙ぐんでしまった。 演出があまりにスマートすぎているからキレイ事と捉えるヒネくれた向きもあるかもしれないけど、 決してそんな風には思わないし、それぞれのキャラに共感させてラストは「よかった」と思わせる、 見た目や評判以上に映画としての懐が深い、素直に観てよかったと思えるこれはそんな快作だ。 アナタも観たら、きっと面白いクイズを人に出したくなるように本作を誰かにススメたくなるハズだ! というワケで、クイズの正解は、「なりゆき」 ワーワーゆーとりますが、お時間です、サヨウナラ。 [ シャンテ・シネ(日比谷)、アミューズCQN(渋谷)、シネ・リーブル池袋 にて公開中 ] |
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