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奇蹟のコラボレーション―。それを“夢”と呼ぶのは誰にとっても簡単だけど、しかし、 夢とは現実の裏返しである通り奇蹟の裏には実は苦い現実も込められている……。 テットリ早く言えば、大物歌手同士が、奇蹟のコラボとか言って一緒に歌うのだって、 要は“歌が売れない”時代だからだ。コラボとはそんな時代の魔法の呪文にすぎない。 すぎないは言いすぎだけどしかし資本主義において夢とはある意味“大人の事情”だ。 夢は夢だからこそ価値があり、夢は夢なればこそ、人は夢を求めてひとつ処に集まる。 昨今、何かにつけて“夢が安売りされる”時代になったと感じるのはボクだけだろうか? 夢は実現してしまえば夢じゃなくなる。奇蹟とて叶ってしまえば奇蹟の価値はなくなる。 プロレスや格闘技だって夢を安売りしすぎたオカゲで今や知っての通りの体たらくだし、 映画とて所詮は一緒。今やかつて人々が夢見た世界は激安CGですべて語り尽くされ、 リメイクという、体のいい言葉でその夢は焼き直されて、次なる大人の事情(=夢)として、 昨今フィーチャーされつつあるのが要は大スターによる夢のコラボレーションというワケだ。 コラボレーション―。そこには映画が無視される時代の大人の事情も込められている(涙)。 だけど、やっぱし…ボクは泣いてしまった。ジャッキー・チェンとジェット・リーが肩を並べて、 笑っている姿を見てボクは隣の女に「!?」みたいな顔をされながら独り泣いてしまった……。 これはそんじょそこいらの奇蹟じゃない。そんじょそこらの、夢じゃない……よ〜し書くゾ〜! 『ドラゴン・キングダム』!!! こ、この2ショット…贅沢すぎてオシッコしそォ……。 というワケで冒頭チョット湿気っぽいこと書いたけど、要はこうした奇蹟が実現してしまうのも、 ひとつは映画がなかなか売れない時代の反映ということで一席ぶっておきながら、とは言え、 映画好きとしてこんな夢を手軽に拝めていいワケ!?とうれしい悲鳴を上げておきたかったから。 とにかく、ジャッキー・チェンとジェット・リーがひとつスクリーンの中に収まるなんて、喩えたら、 土曜の夜8時に、再びドリフとひょうきん族がスタートして、そして後のゴールデン洋画劇場で、 今週は 『酔拳』、来週は 『少林寺』 ぐらいの話なんだ(我ながらわかりやす・・・くないかな?)。 ボクとしても本作は封切初日に勇んで観に行きたいところだったんだけれどあまりに楽しみで、 ドM中枢がウズウズと疼いてしまい、カウパーが出切るまで楽しみを寝かせてみたというワケ。 ところが鑑賞を予定していた当日は朝から気分も体調も悪くなんだかずぅーっと頭が痛くって、 オマケにどこの金券ショップを廻っても映画会社が取り上げたのか安いチケットが見つからず、 靖国通り沿いに新しくできた新宿ピカデリーなんてゆういかにも金に飽かしたようなシネコンに、 1800円も払うなんザ癪に障る!と。せっかくジャッキーとリーの映画なのに!と(じゃあ払えよ)、 決して気分は芳しくなかったんだけどやっぱり映画を観出したら嫌な気分などすぐ吹っ飛んだ! ジャッキー&リーの酸いも甘いも噛みしめた熟練バトルを観ていたら俗世のことなどすぐ忘れた。 なのに隣の女は途中途中でアクビなんてしやがるから乳揉んで 「目ぇ醒ませコラァ!」 と叱りたい気分だったんだけど、まったく今日び、夢や奇蹟に敬意を払わない輩が多すぎる! ふぅ(ひと息)。とさっきから関係ないことばかり書いてる通り、本作にしたり顔の寸評など無用! とにかくこの奇蹟のコラボレーションがどれだけ凄いことかさえわかっていたらそれでもう充分! 創り手側も観客のそんな期待をわかっているから、アクション含め2人の見せ場をガッツリ用意。 確かに、2人さえ揃ったらほかはどーでもいいとばかりに物語の発想はかなり安易でチャチぃし、 CG盛りだくさんのファンタジー色も濃厚ならばそれが時として目にウザかったりもするんだけど、 しかしそれが2人の熱いバトルに水をかけるような創りには決してなってないから気分がいいし、 オープニングなど随所に70年代香港映画へのオマージュも見られて、しかもオタクっぽくはなく、 全体的には老若男女楽しめる非常にバランスのよくとれた娯楽作になってるのが実にうれしい。 話は確かにチャチぃけど、ヘタレで女にモテないカンフー映画オタクの童貞(間違いなく)小僧が、 師匠に鍛えられながら一人前の男へと成長してゆくなんてドラマはまさしくジャンルの基本だし、 男たちばかりじゃなくリュー・イーフェイ、リー・ビンビンという2人の“戦う美女”も実に魅力的なら、 主人公が現代に戻ってきてからの展開もバカわかりやすいくらいセンチで熱くて大いに泣かせる。 とにかくジャッキーとリーの2人から稽古つけてもらうなんて羨ましすぎる! 俺も鍛えられてぇ〜! そんなの憧れのAV女優2人に前後から責められるのと同じだゾ!(我ながら安い喩えだなぁ、俺) ひょうたんを持ってフラフラしてるジャッキー見てるだけで涙腺は滝の如しだし、倒しても倒しても、 次々現れる敵の多さに「え〜?」ともう勘弁してよみたいな顔をするジャッキーの表情!最高だ! なにより観終わった後、主人公と一緒に自分も強くなったような気になれるところが素晴らしい! それはあくまで“気になれる”だけなんだけど、しかしそれこそ香港アクションの基本じゃないか! ただ、残念ながらこの夢は2時間もつづかないんだ・・・。書いた通り、夢は叶えば夢じゃなくなる。 帰り道、靖国通りのネオンの煌きはまさに夢の残滓だった―。大人になるって寂しいなぁ〜(涙)。 …ハッ、イカンイカン!映画好きだからこそこんな奇蹟に出逢えたんだ。現実に負けてはイカン! それに今回のこの夢は、あの2人がまだまだアクションでイケるという次なる夢も与えてくれた! とにかく観ろ!そして泣け!観ずば二度死ね! ジャッキーとリーの奇蹟のコラボそれに加えて、 香港映画とハリウッドの見事なコラボレーションをみんなでこう祝おうじゃないかルネッサ〜ンス! じゃなくて、乾杯! [ 新宿ピカデリー ほかにて公開中 ] |
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