瓶詰めの映画地獄 〜断罪!断罪!また断罪!!〜

アクセスカウンタ

help リーダーに追加 RSS 飼い犬が手を噛むので、私、ハルクに変身します 『インクレディブル・ハルク』

<<   作成日時 : 2008/08/03 17:30   >>

トラックバック 0 / コメント 0

画像

人間、上手に生きてゆくにはいかに“怒り”の感情をうまくコントロールするかだ。
ムカァーッとハラが立ってもそこで1拍ひと呼吸。チョット自分をフカンで見つめて、
今は本当に、ムカッパラを立てるべき状況か否か?それを瞬時に判断するんだ。
たとえば、人ゴミで誰かと肩がぶつかり「チッ」とか思っても、そりゃ人ゴミだもの、
自分の遠慮のない歩き方の方が悪かったかもしれない、と。怒らない、怒らない。
電車も同様。ひと言「通してください」と言えば、たいがい人は体をよけてくれるし、
最初から「どけよコラ」みたいな通り方じゃ周りだってイヤな顔をするに決まってる。
まぁ確かに、急いでたり疲れてたりすりゃ気が短くなるのはみな一緒。ボクも然り。

先日、髪を切りに行った。夜勤が明けて、家へ帰るついでその足で行ったんだけど、
眠くてウトウトしていると、気づかぬ間に前髪がヤケに短くなっていてショックだった。
「前髪はチョットだけ」って言ったのに!と心の中で叫んだものの時すでに遅し……。
…まぁいっか。髪なんてすぐに伸びるサ、俺スケベだし…と心を落ち着かせるけども、
汗かいて髪が縮むとオバチャンみたいな頭になり、そのたび怒りが込み上げる……。
あとは映画館。背もたれを蹴られるのがイヤでいつも最後列にしか座らないんだけど、
そーすると今度は上映中にケータイつけるバカが目についてまたハラが立つ。本当に、
本当に…上映中ケータイつけるヤツ無条件で全員死ね!一律死ね!

ハッ!イカンイカン! また心がハルクに変身してしまった! 怒らない怒らない……。
とにかく、怒りや憂鬱といったいわゆる負の感情は言わば“飼い犬”みたいなモンで、
それをどう自分の心の中で上手に手なずけるかがこのストレス社会を生き抜くカギだ。
鬱病とか心の病というのは、つまり心の中の飼い犬に手を噛まれることじゃないかと?
(だけどまぁ映画上映中に平気でケータイつけるようなヤツは本当に死ねばいいと思う)
というワケでこの、アメリカの人気同名コミックの映像化 『インクレディブル・ハルク』 は、
人体実験の失敗により、怒りなどを覚えると緑の怪物に化すという体になってしまった、
ある1人の科学者の苦悩を描いたアメコミ・ヒーロー活劇。2003年版より断然、面白い。

画像

その2003年版を撮ったのは 『ブロークバック・マウンテン』 などで知られる名匠アン・リーで、
典型的なアメコミ物に深みのある人間ドラマ的肉を付けるという目的があったんだと思うけど、
正直、カタルシスがどこにもなくて、長尺なだけで面白くなかったという記憶しか残っていない。
ある意味アブノーマルが単にカタチだけだった 『ラスト、コーション』 のツマラなさに似てたかも?
ボクは原作なんて全然知らないんだが今回は続篇かと思っていたら完全リニューアル版らしく、
2003年版を刷新するという目的があるようだ。それだけ評判が悪かったんだねアン・リー版は。
しかしその製作者サイドの意気込み通り本作は前の不振を一気に払拭するようなデキ映えで、
娯楽映画としてテンポが抜群な上にドラマにも奥行きがありグイグイ画面に惹き込んでくれる!

要因は様々に考えられると思うんだけど、ひとつは、前作に決定的に欠けていたと思われる、
主人公とその恋人とのラブ・ストーリーをドラマの主軸に持ってきたという点なんじゃないかと。
アン・リーは(何度も可哀想かね)主人公の苦悩する内面ばかりを彫り下げて描いていたので、
ラブ・ストーリーをガッツリと前面に押し出してきた本作は、脚本の段階で成功していたと思う。
離れ離れだった恋人と久々にベッドイン!と思ったらその時のドキドキでも心拍数が上がって、
ハルクへと変身しそうになるなんて場面はツボを心得ている感じがして「あ〜ん」という空気に。
基本的にはシリアスながら大人のユーモアがあり、服がビリビリに破けて体が大きくなるのに、
パンツだけ破けないのはなぜか!と誰もが前作に覚えた不満をしっかり解消してるトコも偉い!

そんな脚本の段階から参加したエドワード・ノートンは、本当に芸達者という感じでノリノリだし、
ハルクを狙い、そしてハルクみたいに兵器のような体がほしいと自ら怪物へ変身する道を選ぶ、
戦うことにしか興味がないイカレた軍人を嬉々として演じたティム・ロスの存在感も頼もしげなら、
なによりこの映画を観てリヴ・タイラーのことを美人と思った人はなかなか少ないと思うんだけど、
しかしながらボクとしては、彼女の大味な顔の作り、中でも大きなアヒル口が昔から好きなので、
そんなあたりも本作を快く感じた個人的要因だったかもしれない。ウィリアム・ハートも渋かった!
大団円の怪物バトルは所詮CGというぐらいだけどそこもスピード感にこだわりながら手堅く見せ、
とにかく顔ぶれと脚本の妙と演出のテンポでひと息に楽しませる飽きない仕上がりとなっている。



しかし話は冒頭に戻り今の時代、ストレスフルな世の中で本当にハラ立つことが多い毎日……。
誰もが心にハルクを抱え、しかしハルクに変身しないようバランスをとりながら必死に生きている。
映画のはじめで、ブラジルに潜伏している主人公がなんとあのヒクソン・グレイシーの道場に行き、
感情をコントロールする呼吸法(?)を教わるシーンが印象的だった。ボクもアレ習いたいなぁ……。
ボクの場合だと、このブログが少なからずストレス発散になっているんだけど、しかし観ては書き、
観ては書きの自転車操業(?)だからタマ〜にストレスに感じたりもするんだよね……。難しいな!
と、本記事の下書きをコーヒー呑みながら書いてる時に禁煙コーナーでタバコ吸ってる男がいて、
ピクピクとハルクし始めたら、ふぅ〜店員さんが注意してくれた。そこで自分がひと声かける勇気、

そんなハルクを心の中に飼いたいモンだね。

新宿東亜興行チェーン ほかにて公開中 ]

設定テーマ

関連テーマ 一覧

月別リンク