瓶詰めの映画地獄 〜やがて愛の日が〜

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help RSS これが、“セルビアのはらわた”か!? マジで史上最凶のゴア映画! 『セルビアン・フィルム』

<<   作成日時 : 2012/01/26 08:30   >>

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【警告】
本篇中の“最悪”の表現について触れますので、観るつもりの人は読まないでください。

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かつてセルビアとモンテネグロの2ヵ国でユーゴスラビアだった時に(1992-2003)当地を旅したことがあるんだけど、
往ったのはセルビアじゃなくモンテネグロの方だった(首都ポドゴリツァだけ)。まぁ旅したといってもアルバニアから、
ボスニア・ヘルツェゴビナへ往く時に通っただけだからちょっと雰囲気を味わったというレベルなんだけど、それでも、
やはりあのバルカン半島の国々は空気が独特で、熾烈を極めた内戦からまだそれほど時間も経っていなかったし、
とはいえ一介の旅行者としてはそんな空気こそを体感したくて旅したという気持もあるゆえ、今でも、アルバニアや、
モンテネグロや、ボスニア・ヘルツェゴビナや、クロアチアで味わったソコハカと混濁した空気は実によく憶えている。
だから、たとえば 『ホステル』 を観た時もボクは内容以上に映画が醸し出す東欧の雰囲気にゾクってしたんだけど、
この作品にも内容とはまた別の次元で彼の地域を旅した時の感覚を想い出し、内心ゾクゾクとはしてしまった……。

というワケで、ずいぶん前よりネット上じゃ話題騒然、世界各国のそのテの映画祭を震撼させた、マジで史上最悪、
セルビアから満を持して届いた、狂気と憎悪の成人指定ゴア映画、『セルビアン・フィルム』 を観てきたんだけど…、
エグい…エグ過ぎる……。今度の映画祭『魔女』 という“ホラーの聖典”と呼ばれる無声映画を上映するんだが、
このジャンルはいったいどこまで過激になれば気がすむのだろう…? 直前に観た 『ゾンビ大陸』 も霞んじゃったサ。
かつて名うてのポルノ男優だったミロシュは、ある日昔なじみの女優から海外向けのポルノに出ないかと誘われる。
報酬が高額な上に、内容もいっさい教えてもらえないため、一度は断る彼だったが、家族のために出演を決意する。
しかし、そんな彼を待ち受けていたのは、狂ったプロデューサーが仕掛ける悪夢のような禁断の撮影現場だった―。
話は 『ホステル』 っぽいんだけど、違うのは主人公は昔ポルノ男優だったというだけで至極マトモな男だということ。

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主人公の奥さん、すっごいエロくて美人。

とりあえずはポルノだし、冒頭から次々とわかりやすい東欧美女が現れてはみ〜んなオッパイを見せてくれるので、
コチラとしては少なからず勃○もし途中までは鬼畜な内容とは思いながらもワリに平気じゃ?という感じなんだけど、
「もう断る!」とキレたミロシュが“ある映像”を見せられるあたりから映画は一気にとんでもない方向へ転がり出す!
そこからの展開はもう 『八仙飯店之人肉饅頭』 と、『ネクロマンティック』 と、『隣の家の少女』 と、『マーターズ』 と、
『ホステル』 と、『屋敷女』 と、『悪魔を見た』 を同時に観てもこれには敵わないんじゃないかというほどの鬼畜ぶり。
間違っても勃○なんか絶対にしないし、しなくてある意味ホッとするくらいとにかく常識じゃ考えられない展開となる。
しかも前半でミロシュの家族や父と子のドラマをしっかり描いているモンだからクライマックスのおぞましさは倍増し、
その上サラにラストで救いない追討ちをかけるなどそのトドメの差し方はもはやミルコ・クロコップ(クロアチアだけど)。

本当に観終えた瞬間ドッと疲れるし、またそこでエンディングに流れるヘンなノイジーな曲に残った気力も奪われる。
しかし、こんなに鬼畜な内容でも本作はどこかギリギリ娯楽映画としての態を整然と守っているような気配もあって、
ボクはそれが逆に怖かったし、やはりこの映画の根底には“内戦のトラウマ”がマズ込められているような気がして、
そんなセルビアという国の病んだ内面にこそ背筋が凍る想いだった。ユーゴ内戦で、セルビアは“悪者”だったけど、
セルビア人だってムチャクチャ虐殺とかされたワケだし、もうハッキリ書くけれど、ミロシュが見せられる“あの映像”、
生まれたばかりで血塗れの“新生児”を、ハゲた大男がレイプするシーンとか(児童ポルノどころか新生児ポルノ!)、
クライマックスで、クスリ漬けにされて何もわからなくなったミロシュが、自分の息子を犯してしまうといったシーンは、
まるで内戦中横行した“民族浄化”の凄惨さを観客に違う形で疑似体験させる装置でもあったんではないだろうか?

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まぁそれは映画好きのいかにもな深読みかもしれないけど、しかしいずれにせよ、この映画の常軌を逸した発想は、
いくらこのテの残酷描写に“寛容”とはいったって日本で生まれえる類のものじゃないと思う。あーホントに凄かった。
これに較べりゃ三池崇史や園子温の残酷映画なんてフツーにゴハンでも食べながら観られるレベルだ(いやホント)。
観たきゃ勝手に観ろだけど、ボクは誰にもススメません。でも、こんな映画だからこそ、ネットで騒がれて終わるより、
映画館というある意味、地上波的空間に晒される方がずっと健全だという気も一方じゃする。だってきっと世界には、
映画に類似する話がいくらでもあるんだろうから……。それをみんなで知るということはきっと少しはいいことなのだ。

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『セルビアン・フィルム』(2010年・セルビア/カラー/シネマスコープ/104分)
【監督】スルディアン・スパソイエヴィッチ
【出演】スルディアン・トドロヴィッチ、スルディアン・スパソイエヴィッチ、セルゲイ・トリフュノヴィッチ
【配給】エクリプス
【5段階評価】★★★1/2☆
【鑑賞劇場】シアターN渋谷2
【鑑賞料金】1,500円(当日一般)

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