「右翼でも左翼でもなぃ、私は“仲良く”だ」(藤岡弘、) 『日本以外全部沈没』

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と、「藤岡さんは右翼ですか?」という、
とあるインタビュアー(確かオーケン)の冗談めぃた質問に、
そうトンチの利ぃた切り返しをしてみせた豪傑・藤岡弘、。
それはともかく、やれよその国を揶揄してみたり、
“愛国心”というコトバを持ち出してみたりすると、
すぐさま“右寄り”などと目されてしまうのはどこの国でも同じだと思うけど、
しかし、同じ国内でもたとえばよその県のことをバカにしてみたり、
方言をチャカしてみたりと、それくらぃのことは当然のようにあるワケで、
もちろん誹謗中傷や行き過ぎはよくないし、宗教をチャカすのはマズぃけれど、
よその国のことをその国質をデフォルメして揶揄するくらぃのことは他愛のなぃ話だったりする。

ボクも海外を長く旅していた頃は散々“日本人である”ことをからかわれたし、
そんな時は負けずに身ぶり手ぶりを使って相手のことをバカにし返してやってけど、
その時は「殺してやる!」と憤っても、ノド元過ぎればあれもこれもみーんな旅の想い出。
“偏見”もまたコミュニケーションの一種だし、
時にはそれが異文化交流の端緒になったりもする。

言わずと知れた(読んだことなぃクセに)小松左京の大ベストセラー小説で、
今年、33年ぶりに映画版がリメイクされた 『日本沈没』 を(返す返すも駄作だった)、
SF小説仲間の筒井康隆が猛毒たっぷりに(読んだことなぃけど多分)パロディ化した原作を、
“原典”版リメイクに便乗するカタチで映画化した本作、『日本以外全部沈没』
おそらく作者が筒井康隆ということで原作はかなり過激なんじゃなぃかと思うんだけど、
しかしその映画版には思ったほどの“毒”はなく、
上にボクが書いた程度の、そこそこ笑えるベタなコメディとして過不足なく仕上がった。

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 2011年。
 原因不明の天変地異により、アメリカ大陸が1週間で海に沈んでしまう。
 その1週間後、今度は中国大陸が同じように沈み始め、
 そのまた1週間後にはユーラシア大陸がすべて沈没。
 その2日後にアフリカ大陸、翌日にはオーストラリア大陸が海の下へと消えた。
 やがて、日本列島以外のすべての陸地が消えると、
 海外の生存者が、続々と日本へ集まり始め……。

“北方領土”や“靖国問題”、“捕鯨”に関する話など、
ロシアや中国、韓国の首脳らも登場させてわかりやすく、
それこそニュースを普段まったく見ない人でも“その気”になって笑えるように、
物語はメジャーな国際問題をベタに揶揄しながら軽快に進んでゆく。
日本に大量に押し寄せてきた不良外人を退治する“GAT(外国人・アタック・チーム)”にしても、
(ちなみに 『帰って来たウルトラマン』 の「MAT」は“モンスター・アタック・チーム”)
これまで散々観てきた数多のハリウッド映画に較べれば、
表現がダイレクトな分、逆に差別的な感覚や過剰なアイロニーはさほど感じずどこかマイルド。
クライマックスには、隣の“将軍様”も出てくるけれど、
けっきょく最後は残りの日本列島も沈没することになって、
それは多分世界平和が実現するのは世界が滅亡する時という原作の皮肉だと思うんだけど、
映画は至極アットホームな雰囲気を醸してチャンチャン、みたぃなオチに。

こうした話題先行のある意味“お祭映画”がたどる常で、
最初は客席もテンションが高ぃから些細なネタでドッカンドッカン(ビートきよし)ウケるんだけど、
(コルベットが燃えたデーブ・スペクター(端役)のダジャレでも爆笑する奇特な人がいるくらぃに)
それも後半に差しかかるにしたがいデクレスしてゆくような感じで、
どちらかと言えば、そういう客席の反応の方が、
より日本という国とその国民性を象徴するような感じだったと思うのは何もボクだけでは……。
それに、まったく個人的な話ではあるんだけれど、
ボクは今回、本作を観る前にシネマヴェーラの特集、
「妄執、異形の人々」で 『怪猫トルコ風呂』 を観て、
そのあまりの衝撃に打ちのめされた状態のまま鑑賞に臨んだもんだから、
(だって、1日にまとめて観なぃと時間がなくて…)
もうどんなに過激なネタを見せられても満足できるような状態じゃなかったという事情もあった。
( 『怪猫トルコ風呂』 を観た後にこの程度の映画で満足できる人なんて、
 世界じゅうどこ探したっていなぃと思うんだけど…)

しかし、『いかレスラー』 や 『コアラ課長』 などひたすら低級映画を手掛け、
『ヅラ刑事』 も公開を目前に控えて話題沸騰の河崎実監督の、
誰も傷つけずとにかくバカバカしさに徹するその姿勢はそれはそれで清々しぃと思うし、
本家 『日本沈没』 の許し難ぃ駄作ぶりに較べたら、観る価値と意義はその100倍にも達する。

最後に、個人的な収穫としては、
水曜深夜のアイ・チテル!にも出ている“ブルガリアが生んだ爆乳娘”、
ガブリエラ(宮迫の肩から顔出してるコ)がなかなか好演していたのが印象的だった。
(余談で、ボクはブルガリアを旅行したことがあるんだけど、
 ブルガリアはトルコに次いで本当に巨乳が多ぃ! さすがヨーグルトの国! 住んでもいぃ!)
でも、メンバーからもう1人出ている、
ペルー人のディアナ(宮迫の隣のコ)がボクはいちばん好みなので、
彼女にセリフを与えなかった河崎監督の功罪は映画云々よりも大きぃゾ!

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