男はいくつになっても童貞だ! 『40歳の童貞男』

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“童貞”、と言えば、
ボクは生まれてこの方、ディズニーランドへ行ったことがなぃので、
言わば“ディズニーランド童貞”である。
ボクが行ったことのある“ランド”と言えば、
ポーランドとフィンランドとソープランドだけだ。
このまま一生行かなくても多分後悔はしなぃと思うけど、
行った後でボクのミッキーマウスとも遊んでくれる素敵な女のコでもいれば行ってもいぃかな。
“童貞”、と言えば、
ボクは生まれてこの方、キャバクラへ行ったことがなぃので、
言わば“キャバクラ童貞”である。
ボクの知人に座右の銘が、“いぃ国作ろうキャバクラ幕府”という人がいたが、
正直、面白ぃかどうかもわからないキャバ嬢のトークに金と時間を費やすより、
ボクはもっと刹那的なサービスを提供してくれる店の方が好きだし肌に合うし、
そのテの店でも女のコとのトークは楽しめれば時にはプライベートな交流も可能なので、
この先もあえてキャバクラへ行くつもりはない。

よくよく考えれば、世の中知らなぃ未知数なことばっかりで、
30代も半ばに差しかかれば“女を知らない”なんて大したことじゃないとさえ思えてくる。
童貞だった頃は、「童貞のまま死ぬのだけは嫌だ!」と夜に吠えながらオナニーしてたけど、
男の人生にとって大切なことは、女を何人も知っているとかそんなことじゃなく、
一生にたった一度、たった一度“天使”のような女に出逢えるかどうか、ってことなんだな。

で、何が言いたいのかというと、
この、『40歳の童貞男』 というよくもわかりやすぃタイトルの映画が語っているのは、
女を100人知ってはいるけどその100人全員の記憶にない男なんかより、
たった1人の自分のすべてを受け入れてくれる女をつかまえた童貞の方が幸せ者だってこと。

ただ、今現在のボク個人の心境としては、
たった1人の“天使”より、ボクのことをすぐに忘れてくれる100人の方がいぃな。そりゃそうだ!

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 家電量販店で働くアンディ(スティーヴ・カレル)は40歳にして童貞だったが、
 自分の趣味を持ち、平凡は平凡なりに充実した日々を送っていた。
 しかしある晩、ポーカーの最中に下ネタ談義をしている時、
 同僚のデビッド(ポール・ラッド)たちに、童貞だということがバレてしまい、
 翌日からお節介な彼らによるアンディの“ロスト・ヴァージン”への修行が始まる。
 そんな時、彼は向かいの店で働くトリシュ(キャサリン・キーナー)と出会い恋をして……。

ボクなんかもまったく該当するんだけど、
今の世の中、とくに都会じゃいわゆる“晩婚”が進んでいて、
そりゃまぁ都会は地方より楽しみも多くてその分、価値観だって多様だし、
それに今は、あらゆる面で「何も我慢してまで…」って時代だから、
晩婚が進むのも社会現象として、至極納得できるんだけど、
しかし晩婚化の本当の理由は、
ボクら現代人の“コミュニケーション不全”なんじゃなぃだろうか。

自分のことを例に出せば、ボクは人と接するのはまったく苦手ではなぃし、
人見知りなんてマズしたことなぃんだけど、
その代わりこれ以上、自分の“実態”に踏み込んでほしくなぃという一線はあって、
それはけっきょく、自分の生活に誇りや仕事に生き甲斐を感じてないからだと思うワケで、
価値観が多様なだけ周りに比較するものが多すぎて、
そのなかでイマイチ自分のスタンスに対して自信が持てなぃから、
相手が男でも女でも人とガチで付き合う段になるとやけに晩熟(おくて)になってしまう。

アンディは確かに冴えない男だし若干キモぃ部分もあるけれど、男としては至ってフツー。
そんな彼が、“童貞”という事実に対し必要以上にコンプレックスを感じていることや、
ヴィンテージもののフィギュアや、テレビゲームで溢れ返っているコアな部屋を、
自分の“城”としては満足してても、他人に見せる“庭”としては恥ずかしぃと思ってるとこなど、
自分の“素”や“実生活”を人に見られるのがあまり好きじゃなぃボクにはなーんかよくわかる。
「俺は童貞じゃなぃから平気だもんねぇー」なーんて人ごとみたぃにゲラゲラ笑って観ていると、
ハッと胸を突き刺されるような瞬間がこの映画にはあったりする。それはコメディだからこそだ。

恋愛に対して不器用なのは、何もアンディだけじゃない。
本作の誰もが多かれ少なかれ恋愛、というより人付き合いに対しコンプレックスを抱いている。
とりあえず童貞、または処女じゃなぃし、
女性遍歴、または男性遍歴を持っているから、なんとなく強気でいるだけだ。
要するに、この映画が描いているのは、
熟年童貞男の涙ぐましぃロスト・ヴァージン奮闘記というよりも、
人付き合いに対してどこかうまく立ち廻れなぃ、現代人の不器用な恋愛事情……。
アンディが童貞だったり、またはトリシュが結婚に失敗してたりするのは、
素直な恋の妨げになるコンプレックスや弊害にまつわる寓話を、わかりやすく描くためなんだ。

バカわかりやすぃ下ネタ満載の爆笑コメディでありながらも、
テーマはストレートで戦略的に練られた脚本にも嫌み臭みがなく好感度は満点。
主演のみならず製作に大きく関わっているスティーヴ・カレルも決して悪ノリせずに本領発揮。
アンディがエステで胸毛をむしり取られるシーンで周りが素で笑っているのがとてもおかしい。
久々にベタで陽気なアメリカン・テイストに心から笑える、
極めて現代的、しかしかなりストレートなラブ・コメディの快作だ。

チョットぐらぃ女を知ってたからって恋愛なんていくつになってもうまくいかなぃ……。
“恋愛の達人”なんてそんなヤツぁ、この世にただの1人もいなぃんだ。
男の人生にとって大切なのは童貞だった頃のあの熱ぃ気持ちをいつまでも忘れなぃこと……。
人生が死ぬまで青春と言うのなら、男はいくつになっても童貞だぁ!

でも、あまり若ぃうちに遊んでなぃと、
年を取ってからタガがハズれやすぃというのはあながち間違っちゃいなぃから、
そこだけは気をつけなくちゃいけないけれど・・・?
それにボクがアンディとしたら、トリシュの娘があんなに巨乳じゃ、
“親子ドンブリ”の誘惑に勝てそうになぃというのもかなりネックだ!

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