映画と音楽と失恋とブログ 『once ダブリンの街角で』

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昔から、メシ喰ったりウ○コしたりだの、
それと同じ感覚で映画を観続けているので、
自身の恋愛経験に併せて思い浮かぶ映画って、
実はあんまりなかったりするんだけど(まったくないワケじゃないが)、
逆に音楽に関しては、アレコレと聴かないし聴く音楽も偏っている分、
聴いた途端恋していた時の顛末とそれにまつわる風景を思い浮かべ、
我知らず胸が詰まったり、あまつさえ目頭が熱くなってしまったりという曲が何曲かある……。

たとえば1曲挙げると、まったく柄じゃないがドリカムの「うれしい!たのしい!大好き!」。
その昔、ボクが唯一長~く付き合った子がカラオケに行くたんび、「これはアタシの歌」と、
何度も何度も聴かせてくれた。重かったが、ボクも若かったので全身で受け止めていた。
だから、今でもこの曲を聴くとその子のことを想い出して胸が痛むし、いい曲だなぁと思う。
……ゴメンよォ! キミがその昔、あんなに愛してくれた男はここまでゲスな男になったYo!

そんなワケで、ボクは最近、失恋した。したのかどーかわからなかったが、
しかしメールさえ返ってこないんじゃ最早一人相撲、暖簾に腕押し、ヌカに釘。
ボクの人生は滞っている。そして彼女の人生も滞っていた。そこでボクは彼女に、
“愛の大連立”を持ちかけてそして彼女も一旦はボクの案を党に持ち帰ってくれたが、
役員会で却下されたか、いつしか辞任してそのまま連絡が途絶えてしまった……。
きっとボクなんかより連立を組みたい理想の相手がどこかにいたのかもしれない。
今の時代じゃそれがテットリ早いフリ方なんだろうし自分も人のこと言えないし(?)、
なにより、どっちでもいいから白黒ハッキリしないとボクは前に進めないタイプなので、
俺は徹底的に嫌われたんだと、そう自分に言い聞かせ心の禊はすませた…つもり。ただ、
朝目が醒めるとその子の顔を思い浮かべるし、誰かからメールがくれば一瞬は期待するけど。

まぁそんな経緯については、近々このブログにでも書き綴って、
その子を 俺ごと晒し者 にしてやろうと秘かに考えているんだけど、
(そう! 故・橋本真也と小川直也の究極合体技、「俺ごと刈れ」のように)
とにかく、あぁ恋愛疲れた、モーやめた諦めた!と踏ん切りを付けようとしたこないだ、
何かそんな気分にピッタリな曲でも聴こうかと部屋に並んでいるCDを眺めていたところ、
CDが並んでいるその隅の方にポツネンと、1本のカセットテープがあることに気がついた。
気がついたって、まぁそこにテープがあることは几帳面なので前から知ってはいたんだけど、
しかし何を録音したテープかはなんとなく思い出せるようでやっぱりハッキリ思い出せず、
部屋にあるオーディオにはさすがにもうカセットデッキが付いていなかったので、翌日、
ラジオ聴き用に置いてある職場のラジカセにてそのテープを聴いてみることにした。

で、コレが聴いてみたら、テープに録音されていたのは、まずA面が、
シャ乱Qに、THE YELLOW MONKEYに、筋肉少女帯に、真心ブラザーズ。
書いてもほとんどの人はわからないかもしれないが一応曲目を挙げてみると、

① ためいき(シャ乱Q)
② GREAT ADVENTURE FAMILY(真心ブラザーズ)
③ サマーヌード(真心ブラザーズ)
④ トキハナツ(筋肉少女帯)
⑤ タチムカウ -狂い咲く人間の証明‐(筋肉少女帯)
⑥ 楽園(THE YELLOW MONKEY)
⑦ パワーソング(シャ乱Q)

という、ネガティヴからポジティヴへ―みたいな内容の曲ばかり並んでいて、
そして聴くまで本当に思い出せなかったB面はというと、イエモン一色、
コチラも一応曲目列挙すれば、イエモン知ってる人には一目瞭然、

① ジュディ
② SEA
③ BURN
④ 聖なる海とサンシャイン
⑤ STONE BUTTERFLY
⑥ 淡い心だって言ってたよ
⑦ 峠

という、多彩なイエモン・ナンバーの中でも選りすぐりの“暗くて重い”ラインナップ。
実はそのテープ、今から数年前、名古屋で今回と同じよーに女の子にフラれた時に、
自分を奮い立たせようと作ったしかし暗めの曲ばかり好んで入れたボク・オリジナルの、
“失恋ネガ・ポジティヴ・コンピレーションアルバム”だったんだ。あぁ書いてて恥ずかしい!
そうだ、コレ、名古屋で美咲チャンにフラれた時に俺、作ったワ。しかしテープってなぁ・・・。
そう言えばその美咲チャンは、甘える時のやえ歯の見せ具合がかなり男好きするタイプの、
今思い返しても非常にイイ女だった。今頃どこで何してんのかなぁ~。・・・どーでもいいけど。

とにかく、そのテープをひと通り聴いてみてボクが何を思ったかと言えば、
赤くなって自分で笑ってしまったのと同時に 「ウワァ~俺、変わってねぇ~!」
「もう二度と会えない人に恋したり」「誰かのせいにして自分を許したり」(ためいき)
「その髪の毛でその唇でいつかの誰かの感触を 君は思い出してる」(サマーヌード)
「君は僕のことを忘れるだろう」「蜂の巣になった魂の束君にあげたいな」(聖なる~)
「止めたりしないよ 仕方がないだろう 終わっちまった」(パワーソング)などという具合、
前聴いた時と同じようにバキューン!バキューン!といくつものそんなフレーズに胸を撃たれ、
前と同じように失恋のカタルシスでメロメロになって、そしてボクは、少しだけスッキリした。

失恋すればその時は今日も明日もないような心境になるのは誰とて一緒だけど、
しかしけっきょく人なんていつまでも同じよーなことを繰り返すばかりで(とくにボクは)、
きっと1年後も、5年後も、10年後も、俺は同じことを繰り返してるんだろうなと(10年後!?)、
そう考えたら、まぁフラれたモンはしょーがない。ヘソ曲がりゆえムリして笑うのは嫌いだが、
今にまた別の子を好きになるサと、今は毎朝、その子の顔を思い浮かべため息をついている。



一応コレ、ボクなりの恋と音楽をめぐるチョットいい話のつもりだったんだけど、
そーでもなかった? で、長くなった上にボクの話とは全然方向性が違うんだけど、
遠くアイルランドからやって来た、今話題の単館映画、『once ダブリンの街角で』 は、
それぞれに、失恋だとか、複雑な事情だとかを小脇に抱えたひと組の男と女が、
ある日街角で出逢い、音楽を通して仲を深め、そして……という、たったそれだけの話。
だけどたったそれだけの中に、剥き出しの映画と音楽と恋と人生の魅力がたっぷり詰まった、
いやぁ~本当にいい映画だった。実に素敵な映画だった。なんだかんだ言ってボクは最近、
その子とのアレコレの中で観た映画をベスト!とか言ってる気がして、まぁそんなモンだ。

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 ひとり暮らしの父を心配してロンドンからダブリンに戻ってきて以来毎日、
 街角でギターを弾くストリート・ミュージシャンの男(グレン・ハンサード)は、
 ある日、歌っている途中チェコ移民の女(マルケタ・イルグロヴァ)に出逢う。
 彼女が楽器店でピアノを弾くのを楽しみにしていることを知った男は、
 その楽器店で、自分の書いた曲を彼女といっしょに演奏してみることに。
 すると、そのセッションは想像以上に素晴らしく、2人は意気投合して……。

手のブレが伝わるドキュメンタリー調の映像、というより単に素人っぽいだけの映像。
そんな中、ダブリンの街角で繰り広げられる、いや、繰り広げられるというほどでもない、
ストリート・ミュージシャンの男とチェコ移民の女とのなんの変哲もないひと時の恋模様―。
冒頭、失恋の痛手から立ち直れていない男が夜の街角で自作の曲を歌っているんだけど、
その歌詞がまぁフラれた女に対する未練タラタラ未練がましいことこの上ないような内容で、
それをまた情熱込めて歌い上げるモンだから、なんだかボクは心の中で笑えて仕方がなく、
同じにしたら悪いけど、なんか最近の自分のブログを読んでるような気さえして恥ずかった。

けっきょくアレだ。恋に燃え上がっている時も、失恋に打ちひしがれている時も、そんなのは、
ハタから見たら一人相撲みたく滑稽で、この映画を作った人はそのヘンをよくわかってるし、
だからこの冒頭でボクはすっかりこの映画に好感を抱いて、音楽の虜にもなってしまった。
話逸れるけど、このブログってヤツも、思えばストリート・ミュージシャンにチョット似てない?
日々の想いのタケを書き連ね、通りすがりの誰かが目を留めてくれるのをひたすら待ってる。
街頭に立つ勇気と楽器を覚える手間がない分ブログは楽だ。歌うように文章を書ければなぁ。

楽器店にてギターとピアノのセッションをしたことで互いにほかにないシンパシーを感じ、
そしてほんの少し女が(掃除機直してもらうために)家に寄ったからって、寂しさにまかせ、
すぐ見切り発車して「泊まっていかないか」とか簡単に事を運ぼうとする男のバカさ加減。
そして女に「何言ってんの?」みたいな顔された時のあのなんともクールダウンした空気。
いや~わかってるなぁ~ボク、あんな場面大好き! 簡単に事を運ぼうとしてるんじゃない、
その一瞬一瞬のロマンチシズムを糧にして男は旅するように生きているんだ・・・多分ね―。

男も魅力的なバカだけど、対するヒロインのチェコ移民の子がまた途轍もなく魅力的。
個人的なことを言えば、ボクは完全に彼女みたいな女の子がタイプだしチェコ好きだし、
近くにいたら完全にベタ惚れするし、間違いなし、ほかがなんにも見えなくなる。ゼッタイ。
全篇通して、男より彼女が“一歩リードしてる感じ”、というのがこの恋愛模様の肝だし、
女の抱える背景が複雑なら複雑なほど引くどころか「俺が守ってあげる!」みたいな、
女はとっくの昔にその向こうの現実見てるし、できないクセにそんな顔する、
これまた男のド単純ぶり! あ~わかる!チョ~わかる! ヤメて!

荒削りで剥き出しがゆえに繊細な数々の名場面と相まって物語を深める楽曲の数々。
映画的な手練手管の計算ずくじゃなく本物のミュージシャンたちの感性でこそ描かれた、
素晴らしい音楽の制作過程とともに奥行きが深くなってゆく男と女の惹かれ合う心と心―。
2人の恋の顛末に関しては観た人それぞれによって感想も違ってくると思うんだけど、
しかしボクはそれがどーこーというより、2人の間の空気、あの距離感こそが好きだった。
これは音楽映画として当然サントラ必聴の傑作だと思うけど(劇場、サントラ品切れだった)、
恋愛映画としても、個人的には香港映画の 『ラヴソング』 に並べていいような気がした。
40歳に達するまでに、もう一度長い旅に出ようかなんて実は秘かに考えているんだけれど、
もし本当に行くなら今度は絶対、英語をマスターしてからと心に誓った!(楽器じゃないのか!?)





ボクも主人公たちと同じように今回の記事は徹夜で書いた。なんか気分が好い―。
まだまだ書きたい。しつこいけど冒頭の話に戻ると映画ももちろんそうで、観れば、
自分を奮い立たすことのできる映画はそりゃいくつかあるけれど( 『ゾンビ』 とか)、
↑に列挙した曲の数々だってやっぱり今聴いても昔と同じように胸がグッと熱くなるし、
どんなにフラれても、どんなにダメな人生でも、喉元過ぎりゃ「悪くない」と、思わせてくれる。
中でもオーケンは、やっぱり旧・筋少時代に俺の心のすべてを歌ってくれていたよなぁと、
ネガ・ポジティヴの究極として、我が人生歌として最後にダラダラと書いてやろう……。
映画の印象ブチ壊すかもしれないがきっと共感る人は多いハズ。筋肉少女帯、「トキハナツ」。



 OK!『孤独ですか』
 OK!『くやしいですか』
 OK!『ありでしょうそれも』
 OK!『人生はね』
 OK!『バスカービル家の犬だ』
 OK!『恐ろしいのが』
 OK!『あたりまえなんですよ』
 OK!『OKとしましょう』
 OK!『犬になれ!』
 OK!OK!OK!

 犬を飼っています ヨロヨロの犬です
 名前は「憂鬱」で 死だけを見つめ

 OK!OK!OK!OK!

 怒りとか孤独を いやしく喰らっては
 闇の夜にお散歩 やっかいものだなー

 だがな犬よ お前がいるから僕は生きてく
 さあ ガブリとやってくれよ
 アイ・アム・ア・トップ・オブ・ブリーダー
 トキハナツ この獣
 OK!OK!OK!OK!

 何度も捨てようと 自転車に乗せたが
 さみしげな遠ぼえ はたせなかった

 だがな犬よ お前がいるから僕も死なない
 さあ ガブリとやってくれよ
 アイ・アム・ア・トップ・オブ・ブリーダー
 トキハナツ この獣

 だがなOK! お前は僕の最愛の友さ
 「憂鬱」よ お前がいるから負けはしない
 さあ 噛みつきに行こうぜ
 アイ・アム・ア・トップ・オブ・ブリーダー
 トキハナツ トキハナテ

 OK!『孤独ですか』
 OK!『くやしいですか』
 OK!『ありでしょうそれも』
 OK!『人生はね』
 OK!『バスカービル家の犬だ』
 OK!『恐ろしいのが』
 OK!『あたりまえなんですよ』
 OK!『OKとしましょう』
 OK!『犬になれ!』





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