秋の夜長にいかにもシネコン映画二本立! 『イーグル・アイ』&『ゲット スマート』

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まァ映画好きとしてシネコンなんか基本的に大嫌いだしドダイ映画館なんていうモンは、
ロビーが少し便所臭いとか上映中に近所の呑み屋のカラオケが小さく聴こえてくるとか、
もしくは場内まで地下鉄の振動が伝わってくるくらいが場末な感じでいいと思うんだけど、
(だけど上映中にケータイ見る奴や人の席の背もたれを蹴るような奴は死ねばいいと思う)
折からの邦画バブルに乗って、雨後のタケノコみたくバカみたいに増えまくったシネコンも、
最近では案の定、集客がガタ落ちして経営難に陥っているところがケッコウ多いみたいで、
しかし経営難だからと言ってそれでハイ、や~めたと、簡単に撤収できるワケでもないから、
そんな状況をいかに打破するか、どこも日々頭を悩ませているといった感じなんだとか……。

そこでついこないだニュース番組を見ていると、ある近郊のシネコンでは状況打開の策として、
とくに客が入らない平日の昼間に余っている(?)ホールを企業に貸し出し、そしてその企業は、
そこで映画ではなくて新卒者向けの就職セミナーを開いているんだという・・・。ハッキリ言って、
もう映画館でもなんでもない。けっきょく、シネコンなんてのは(シネコンだけじゃないかもだけど)、
映画を金儲けの道具としか考えていない奴が作っているというなによりの証ってな話なんだけど、
それでもシネコンにばかり人が集まって、小さくても良質な映画をかけている昔ながらの劇場が、
どんどん潰れていっているというのは哀しいかな現実―。シネコンでかかるような映画ばかりが、
映画だと思ったまま死んでゆくシネコンしかないような地方の人って本当に不憫だと思うけどな。

だけどまぁシネコンなんか嫌い嫌いとばかり言っているのも大人気ないと言えば大人気ないし、
現状、これだけ映画を数観ていたらけっきょくボクとてシネコンで観ざるをえない時もあるワケで、
確かにシネコンて平日でも夜9時とか10時とかの遅い回があるから重宝しているって面もあるし、
なにより散々書いておきながらボクは豊島園のユナイテッド・シネマでしっかり会員となっている!
しかも期限が近づいて先日更新したら更新料、前は1000円だったのにいつの間にやら500円に!
レイトショーも1200円だしサンキュー!ユナイテッド・シネマ! というより、本当に大丈夫なのか!?
まァ最近のデジタル偏重のハリウッド映画なんかはシネコンで観た方がいいという場合もあるし、
そんなワケで、最近、豊島園で観てきた映画がこの2本、『イーグル・アイ』『ゲット スマート』

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『イーグル・アイ』 は、製作がスティーヴン・スピルバーグということで話題の超大作なんだけど、
加えて主演がシャイア・ラブーフ、監督が 『テイキング・ライブス』 に去年の 『ディスタービア』 と、
バカ映画を連発しているD・J・カルーソ(カルソーな名前だ)だから今回も…と思っていれば案の定、
マジメに観たら腹も立つだろうけど、個人的には期待通りのバカ映画である意味楽しい1本だった。
シャイア・ラブーフ扮するしがないコピー屋の店員が、ある日突然テロリストとして追われるハメに。
彼は同じく突然何者かに息子を人質に取られたミシェル・モナハン扮するシングルマザーとともに、
ケータイへかかってくる謎の女の声に従い逃亡をつづけるが、その先には、あらゆる行動を監視し、
すべてのデジタル機器を操ってアメリカ政府転覆を企む未曾有の敵が待っていた…というような話。

アメリカのテロ対策への批判やハイテク社会に対する警告といういかにも頭いい感じを醸しながら、
しかし人間が全能コンピューター(?)に反逆されるという設定は、今さら感たっぷりでなんか鈍臭く、
政府転覆という目的はわかるけど何もそこまで細かい手間をかける必要はないんじゃないかという、
そのアナログさに失笑は必至。見た目はデジタル全開なんだけど、映画の発想がとにかく古いんだ。
ドダイB級映画とかであれば低予算を逆手にとったアイデア勝負で面白くなったりもするだろうものを、
金だけかけてやっているから中身は本当に薄っぺらで、テンポがいい分観終えた瞬間すべて忘れる。
まァとは言え先にも書いた通りハナからバカ映画を観るつもりだったから腹はチットモ立たなかったし、
スピルバーグはともかくこの監督&主演コンビには今後もバカ映画の王道を突っ走ってほしいばかり!

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一方、『ゲット スマート』 はそれこそアメリカらしいサイズのデカいバカを積極的に楽しむべき娯楽作。
チットモ知らなかったけれど 『それ行けスマート』 という昔やっていた向こうのTVドラマが元みたいで、
時代らしく東西冷戦が背景のスパイ・コメディだったオリジナルを本作じゃ豪快かつ現代風にアレンジ、
そして主人公のおバカなスパイに、顔を見ただけで安心して笑えてしまうという、『40歳の童貞男』 の、
スティーヴ・カレルがナンセンス全開に扮するというのだから面白さはある程度保証されたようなもの。
そしてこれが観てみれば案の定で、全篇笑いが止まらない上質なコメディになっていてうれしい限り。
これだけ他愛もない話にびっくりするくらい豪華な顔ぶれを揃えそしてメチャクチャ金をかけるっていう、
要は“笑い”にこそ金と命を懸けるというのがボクはアメリカ映画の本当の素晴らしさじゃないかと思う。

ヘタな社会諷刺や政治批判など少しもなけりゃ狙い通り終わった後には観客の心に何一つ残さない、
ただ刹那的にバカを楽しむだけのこれこそポップコーン食べながら観るに相応しいシネコン・ムービー。
とは言えカレルの相棒の女スパイに扮したこれが初コメディのアン・ハサウェイの可愛さは心に残るし、
コメディだってのにどこまでも真剣に演じようとしているそんなハサウェイの鈍臭可愛い生マジメぶりと、
それさえも計算に入れた上でボケ続けるカレルとの絶妙なアンバランスさがとにかく楽しくて飽きない。
まァ日本はとにかく映画料金がアホみたいに高いから自ずと日本人も映画に“泣き”や“感動”を求め、
それってある意味仕方のない話だよなァ~と思うんだけどしかし本来シネコンなんてのは(しつこい?)、
こういう映画を楽しむためにこそあるんじゃないかってな気がするんだけどいったいどーなんでしょうか?

というワケで、シネコンなんか嫌いと言っていながらシネコンでいかにもシネコンな映画を観てしまった。
まァ人間、基本的なスタンスは大事だからネ! 豊島園は最寄り駅より近いから本当に重宝しているし、
6ポイント溜まればただで1本観られて、ということは、レイトショーで観ていったら7200円で7本観られる、
要するに毎回1000円チョイで新作映画が観られるってワケだ!財布に優しいゼ!ユナイテッド・シネマ!
ボッタクリ上等の「韓流シネマ・フェスティバル」に聞かしてやりたいワ!とか言ってまァ冒頭に書いた話、
企業に貸してるシネコンてユナイテッド・シネマの豊洲のことなんだけどねェ~。世の中、ホントに大変だ。

『イーグル・アイ』 『ゲット スマート』
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