3Dより偉いのはやっぱりGぃ…? 『コララインとボタンの魔女 3D』&『古代少女ドグちゃんまつり』

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年が明けたら 『アバター』 をちゃんと3Dで観ようと思っていたのに、フと気がついたら案の定、早2月も終わりで、
なんかもう、このまま観ないで終わるような気がしてきたし、それに、ここまでヒットがつづくといい加減興醒めで、
別に 『アバター』 を(3Dで)観ずに死んだからって後悔しないだろうしな…とそんなことまで考え始めてるんだけど、
やっぱりこの、3D映画にハマれるか・ハマれないかを分ける要因の一つは単に映画的嗜好の問題だけでなしに、
子供の頃に特撮ヒーロー物を観ていたか・いなかったか、そして観ていたなら、特撮物のいったいどういう部分に、
心を奪われていたか、言い方を変えるなら“フェティッシュなもの”を感じていたかによるんじゃないかとボクは思う。
CGや3Dにフェティシズムは感じないし、『片腕マシンガール』 の井口昇監督は初代のウルトラマンの顔の皺とか、
仮面ライダーのマスクから髪の毛がはみ出ているのを見るとワクワクしたと語っているんだけど、すごくよくわかる。

 CGなんかいらねえぜ
 俺たちゃ手づくり特撮さ
 着ぐるみ! ミニチュア! ピアノ線!

これはオーケンこと大槻ケンヂが筋少の活動休止中にやっていたズバリ「特撮」ってバンドの曲の一節なんだが、
確かに特撮の醍醐味といえば、一つはそういった手作りだからこそ時に見えてしまう“ほころび”みたいな部分で、
そりゃ3D映画だっていいとは思うけど、やっぱり昔ながらの特撮に感じられる“人の手の温もり”に敵うものはなく、
おそらく今後、どんなに3Dが発展し映画が進化しても昔の特撮物に対してほど胸はときめかないんじゃないかと?
とはいえ、だからといって、ボクは決して3Dそのものを否定する者じゃないし、興味が向けばちゃんと観るつもりで、
なによりその証拠に今回の3D映画には超感動してしまい(舌の根も乾かぬ内に)もう一度観たいとさえ思ったほど。
だけどそんな風に激しく感動したのも要は映画が単なる3Dではなくそのベースたる部分が究極に手作りだからで、
この、『コララインとボタンの魔女 3D』 こそボクは真の映像革命だと思うし、アバなんか全然目じゃないとさえ思う!



イギリスのSF・ファンタジー作家で、アメコミ原作者としても知られる(ボクは知らなんだ)ニール・ゲイマンの原作を、
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』 『ジャイアント・ピーチ』 のヘンリー・セレック監督が、驚異のコマ撮りアニメに、
CGと3Dを加えて創ったという究極に手の込んだ本作。ホント凄い映画で3Dメガネの重さも全然気にならなかった!
もちろん、そこまで感動できたのも要は話自体も面白ければその世界観に映像がしっかりとマッチしていたからで、
いつも名前を、人から“キャロライン”と間違えられてしまう女の子コララインは、引っ越したばかりで友だちもおらず、
家に帰っても、両親は仕事で遊んでくれずに寂しい想いをしていたが、ある日、仕方なく新しい家を探索していると、
ヘンな場所に小さな扉を発見。夜な夜なその扉をくぐると奥には優しい両親がいるもう一つの世界が広がっていた。
しだいにソチラの世界に心奪われてゆくコララインだったが、ある朝元の世界へ戻ると本物の親が消えていて……。

という具合に一見明るそうなんだけどこれがよく考えたらケッコウ重い内容で、物語自体には昨今の子供をめぐる、
気の滅入るような悲劇を連想させる要素があるし、もう一つの世界の住人の目がボタンというのもとても不気味で、
本作のダークな世界観は、チョイと感受性の強い子供が観たらかなり「怖い」と思うような類なんじゃないだろうか?
個人的には、そんなどちらかといえばアダルトで仄暗い世界観の中で1人の少女が最後は両親を救い出すために、
勇気と想像力で魔女へ立ち向かうという話は傑作 『パンズ・ラビリンス』 を彷彿とさせるものがあってそこが面白く、
金や技術をかければすむって話とはまるで違うまさしく狂気の沙汰にしか思えない手作業が生み出す作品世界は、
CGや3Dでどれだけデコレートされていても人の手の温もりを損なうことなしに、大人の心こそワシ掴みにしてくれる。
とにかくこれはゼッタイ映画館で観るべきだし、できればボクはこういう映画こそを愛する姪っ子たちにも観てほしい。


一方、そんな究極の3D映画でありながらも温もりを忘れない昔ながらの特撮的味わいを持つ作品を観たからこそ、
次はベタベタの、それこそ鈍臭いほど昔の特撮っぽい映画が観たくなった…というのはまぁ単にこじつけなんだが、
しかしそういう昔の特撮の鈍臭さを今ドキの映画に封じ込め、昇華させることができる人といったらそれはもちろん!
井口昇監督、その人で、ボクはネットでチラっと観たことがあるだけなんだけど、そんな井口監督が新たに創り出し、
TVシリーズとして当初関西ローカルのみで放送されながらもジワジワ人気に火が着いてこのたびついに劇場版へ。
シリーズ12話を再編成して現在新宿で公開中、そして今後も名古屋や大阪での上映が予定されているのがコチラ、
『きょーれつ! もーれつ!! 古代少女ドグちゃんまつり スペシャル・ムービー・エディション』 だ。(タイトルが長ぇワ!)
やっぱ井口昇は面白いし、観に行ったら偶然トークイベントもやっていてなんだかおトクな感じの今回の鑑賞だった!



基本形は30分1話完結の特撮ヒロイン物で、ヒロインの“ドグちゃん”とは、縄文時代に活躍していた妖怪ハンター。
それが、考古学者の父親にヒキコモリの息子という父子との出逢いによって、1万年の眠りから目醒め、毎回毎回、
様々なタイプの現代の妖怪を倒してゆく。元がTVということでグロくはなく脱力系のキュートなアクション・コメディで、
井口作品としては 『猫目小僧』 の系譜にあたるタイプだと思うんだけど、個人的には、昔、フジテレビでやっていた、
東映の特撮コメディ、「どきんちょ!ネムリン」と、「魔法少女ちゅうかなぱいぱい!」を足したみたいな感じに思えた。
で、全篇おバカなフェティシズムが満載で井口信者であればマズ鉄板の作品と言えるんだけど、なにしろこの作品、
ドグちゃん役の谷澤恵里香がま~可愛い! アイドリング!!!の子とか言われても中年だモンでよくわからんのだけど、
Gカップ(!)もある巨乳の娘さんが妙なコスチューム姿で特撮ヒロインをやっているというだけでうれしいし、なにより、

DよりGの方が偉い! (いえ、Dでも充分です!)

と、どーせ飛び出るならソッチだろという、アンチ3D精神を充たしてくれる、これはそんな作品でもあるワケだ(ウソ)。
で、いくらヒロインがGカップだからって、フツーこのテは観ている内にコチラ側が恥ずかしくなったりするモンだけど、
この谷澤恵里香という彼女がまた堂々とキャラになり切っているモンだから、観ていて「イタいな」と思う瞬間がなく、
どんどんドグちゃんのファンになってゆく自分がわかるし、冗談ヌきで将来いい女優になるだろうなぁ~という感じで、
本当に井口監督の女優審理眼には毎回怖れ入れば、さらに素材の魅力を引き出し切るその女優愛には感服する。
それに彼女ばかりじゃなく、誠役の俳優をはじめ脇の役者もいい人が揃っていて贅沢なら(なんで斉藤由貴まで??)、
ドグちゃんが土に還るラストの泣かせ方こそ往年の特撮物の味わいといった感じで尻尾の先まで楽しませてくれる。
「幻のパイロット版」という体のオマケも面白かったし(DVD特典だけでよかった気も?)、ホント、TV版を観たくなった。

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「映画秘宝」の今月号でオーケンと対談されてます。必読!

今サラ書くのもなんだけどドグちゃんのドグは土偶から。まぁボクなんかは土偶というより不遇な人生を送っている、
映画の感想がイチイチ大ゲサな“誇大中年フグちゃん”だから、けっきょくはどれだけ凄い3D映画を見せられるより、
こうした可愛い女の子が出てくるアナログな映画にどーしても肩入れしてしまうワケだけど、しかし 『コラライン』 は、
『アバター』 なんかよりゼッタイおススメの映画だと太鼓判を押すのでぜひ最寄りの3D上映館を探して観てほしい!
3Dのコマ撮りアニメ。もしも今レイ・ハリーハウゼンの映画を3Dで観られたらすげぇ感動するだろうなぁ~と思ったし、
去年観た日本のコマ撮りアニメで、『電信柱エレミの恋』 とか、『プッシーキャット』(「学生残酷映画祭」)の監督にも、
いつかこういう映画を撮ってほしいな~と、ボクは 『コラライン』 に感動した後でフとそんなことを思ったりもした……。
もちろん! 3Dの井口昇映画だって観られるモンなら観てみたい! 3D×Gカップなんて想像しただけで○○だよね!!

『コララインとボタンの魔女 3D』
渋谷シネパレスTOHOシネマズ六本木ヒルズ ほかにて公開中 ]
『きょーれつ! もーれつ!! 古代少女ドグちゃんまつり スペシャル・ムービー・エディション』
シネマート新宿 にて3月12日(金)までレイトショー公開 ]