来年も北欧映画祭をやります! でも、その前に… 「フィンランド映画祭 2011」

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そうです!やるんです!いぃ~んです!(もう古いコレ?) 今年の2月に、ユーロスペースアップリンクで開催され、
なんとか盛況のウチに閉幕することができたアップリンクの“映画配給ワークショップの有志から始まった映画祭”、
「トーキョーノーザンライツフェスティバル」。初動期からのメンバーじゃなかったけど去年の今ぐらいに声をかけられ、
主にチラシやWEBの作品解説を書くライター担当としてボクは参加したんだが、映画祭本番じゃ、かの映画評論家、
柳下毅一郎さんのトークショーの聴き手を務めるという大大役まで仰せつかり、本当に想い出に残る映画祭だった。
で、ボクなんかは所詮、映画好きの延長の想い出づくりぐらいな気持で参加していたところもあったんだけど、当然、
コトを始めた主催者としては端より“映画祭を毎年開いて大きくする”という野望があったモンだから、震災があって、
一時はどうなることかと案じたもののなんとかGWぐらいから活動を始め最近ようやく2回目の形が見えてきたところ。

今回はボクも初めから参加ということで、一応映画をよく観ているという見地から作品選びに携わっているんだけど、
正直、いまだこの先不透明な部分も多いので詳細は一つも明かせないとはいえ、なんとか映画好きの目に留まる、
そして北欧に興味のある人に足を運んでもらえるような魅力的なラインナップにしたいなと、日夜頭を働かせている。
…とか言いながら相変わらず自分の好みな映画ばっかり観ているんだけど、しかし今回ばかりはそれにプラスして、
なにせ北欧はフィンランドの映画を集めた映画祭なのでいつもにも増して(?)真剣な心持で観に行ったというしだい。
というワケで、今年でもう3回目になる、そして今や我がノーザンライツとも浅からぬ縁となった「フィンランド映画祭」
閉館した恵比寿ガーデンシネマから今年は会場を有楽町へ移しやや“規模を縮小”しての開催と相なったんだけど、
しかしながら当のフィンランドでは現在映画が堅調みたいで今回もまた魅力的な作品が5本ラインナップされている。



ボクが観てきたのは初日の2本。昨年、フィンランドで最も観客動員が多かったという 『ラップランド・オデッセイ』 と、
メチャクチャ美人の女性監督が撮った 『グッド・サン』 という作品。映画のタイプが全然違って2本とも充分楽しめた。
おそらく来年、ボクらが映画祭をやる前後に新作が公開されると思うけど、カウリスマキだけがフィンランドじゃない!
『ラップランド・オデッセイ』 は、そんなフィンランド映画の従来的イメージを覆す、コミカルなタッチのロード・ムービー。
失業して以来、5年も無職の主人公が、奥さんよりTVのデジタルチューナーを買ってきてとお金を渡されるんだけど、
彼は、そのお金を仲間との酒代に使ってしまい、奥さんは大激怒。翌朝までにチューナーを買わなければ離婚だと、
最後通告を受けてしまう。家を放り出された彼は2人の仲間と一緒に200キロ離れた街へとチューナーを買いに行く。
…で、その買い物旅が案の定困難を極め、しかし3人はその旅を通じて男としての自信を取り戻してゆくという寸法。

“ラップランド”とは、スカンジナビア半島北部を差すんだけど、フィンランドのその辺りは失業率がかなり高いようで、
映画みたく、男の多くが自身を失っているんだという(まぁフィンランドだけじゃないだろうけど…)。つまりこの映画は、
そうしたフィンランド人の自虐的気質をデフォルメして描いているんだが、スウェーデンとロシア両国に挟まれてきた、
フィンランドという国そのものを表すエピソードなんかも上手に織り込まれてあって、そのヘンも、ヒットの要因だとか。
しかし、何も最近はフィンランドに限らず、たとえば 『ハングオーバー!』 やジャド・アパトーの“童貞”映画みたいに、
いつまで経っても“大人になり切れない”ダメな男たちを描いた映画が大人気だから、ある意味これもその系譜だし、
ということはボクなんかも全然共感できる内容なワケであって、“案の定”共感しまくれたしだからラストもグッときた。
起承転結、オチもよく、お色気だってあるなど、北部の凍て付いた風景も興味深い、上手にまとまった快作だと思う。



一方の 『グッド・サン』 はスキャンダル真っ最中のエキセントリックな女優である母親に対し、近親相姦スレスレの、
危うい感情を抱く息子の心情と、それによって少しずつ歪になってゆく母子の関係を深淵なる視線で見つめた佳作。
ラブ・ストーリーとサイコ・スリラーの微妙なラインを突く演出が実にしたたかというか巧みで90分をしっかりと見せる。
こういう題材を女性監督が描くと時としてテイストが女性週刊誌やワイドショーみたく下世話な感じともなるんだけど、
本作にはそんな昨今流行り(?)の赤裸々上等といった開き直りがなくて、本当にじっくり映画を堪能できるって感じ。
芝居も構図もちゃんとしていて、映像もキレイだし、銀座近辺の単館で公開したならソコソコ稼げるんではないかな?
会場で居合わせた、ノーザンライツのCEO.とも言うべきお方は本作をいたく気に入っており、ボクは、やはり性格上、
どちらかを推せと言われたら 『ラップランド~』 を推すんだけど、相対的レベルでいえば確かにコチラの方が若干上。

そんなことより、先にも触れたけど、『グッド・サン』 を撮ったザイダ・バリルート監督はお世辞いっさい抜きに美人で、
ティーチインがあったから上映の前後に壇上の彼女を堪能することができたんだけど、撮るだけなんてモッタイない。
彼女こそ映画に出るべきだとボクは本気で思ったし彼女こそ温水プールとかサウナのシーンを演ずるべきだと思う!
いいな~フィンランド!(でも、こういうことを書く俺みたいな男を最も嫌うタイプの女性じゃないかと話を聴いて思った)
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というワケで今までより少し規模を小さくしての今回の「フィンランド映画祭」。初日初回の 『ラップランド~』 以降は、
どうも盛況じゃないみたいで、それを見て「俺たちの映画祭も…」と多少怯む気持も起きたんだけど、なんのなんの!
作品自体も大事だけどもっと大事なのは“映画祭を楽しく見せる”知恵と工夫! 来年の2月へ向けて頑張りますよ!

「フィンランド映画祭 2011」[10月2日(日)-7日(金)]@角川シネマ有楽町
『ラップランド・オデッセイ』(2010年・フィンランド/カラー/94分)
【監督】ドメ・カルコスキ
【出演】ユッシ・ヴァタネン、ヤスペル・パーッコネン、ティモ・ラヴィカイネン、パメラ・トラ
【5段階評価】★★★★☆
【鑑賞料金】1,500円(均一)

『グッド・サン』(2011年・フィンランド/カラー/88分)
【監督】ザイダ・バリルート
【出演】エリナ・クニヒティラ、サムリ・ニーットュマキ、エーロ・アホ、アンナ・パーヴィライネン
【5段階評価】★★★1/2☆
【鑑賞料金】招待券

そして!
「トーキョーノーザンライツフェスティバル2012」
来年2月開催予定!!!
※詳細は追って弊ブログのどこかにアップしていきます!