今、香港映画で最も信頼できる男、それは… 『コンシェンス/裏切りの炎』



ダンテ・ラム!…とか言いつつ実は作品自体は数えるほどしか観てないんだけど、それでも昨年の 『密告・者』 と、
創られたのは4年前ながら今年の春に満を持して公開された 『ビースト・ストーカー/証人』 の2本の傑作を観たら、
この監督が今最も信頼できる、という言い方も、決して大ゲサじゃないとわかるハズだ(あ、ジョニー・トーは別格ね)。
そんなワケで、香港の活動家どもが尖閣諸島に上陸して大騒ぎになっている隙にこの夏は実は6本の香港映画が、
新宿と六本木に3本ずつ分かれて公開されているんだけど、新宿で上映中の内の1本、件のダンテ・ラム監督作品、
『コンシェンス/裏切りの炎』 は、これまた怒涛の如く押し寄せるもはや“ラム節”と呼びたいエモーションの奔流に、
全篇心がヒクヒクと引き攣り、大団円では全身から何かが流れ落つるようなまさしく極上のカタルシスを体感できる、
上述の2本、とくに 『ビースト・ストーカー』 や、またジョニー・トーの傑作群にも劣らない香港ノワールの絶品だった!

数ヵ月前に妻を殺されて、犯人を追っている警部マンは、娼婦惨殺事件の現場で本部のエリート警部ケイと出逢う。
同じ龍年で2人は互いに仲間意識を抱くが、いくつかの事件が重なる内、マンはケイに、ある疑念を持つようになる。
映画は、3つの殺人事件が微妙に絡み合う構成を重厚な映像でグイグイ引っ張りながら、悪と向き合う日々の中で、
形に差はあれそれぞれにいつしか心を歪めてしまった2人の男の心の中の暗黒を少しずつ浮き彫りにしてゆく……。
ヒゲを蓄え従来までのイメージを払拭したレオン・ライと悪に堕ちた人間を繊細に演じるリッチー・レンがなにより巧く、
そこに、“香港”という街そのもののドス黒い闇の部分が濃厚に活かされて、これぞノワール!という醍醐味が満載。
そしてそんな男対男の熱いドラマだけでなく全篇に度胆抜くようなアクションや銃撃戦が用意され息継ぐヒマもない。
ホントにダンテ・ラムは信用できる! 2人がデュエットした主題歌もベタだけどグッとくるマジでこの夏最高の1本だ!



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ビビアン・スーも出ています! 相変わらず可愛い。

「ニュー香港ノワール・フェス」[8月11日(土)-9月6日(木)]@新宿武蔵野館
『コンシェンス/裏切りの炎』(2010年・中国=香港/カラー/スコープサイズ/ドルビーSRD/35mm/106分)
【監督】ダンテ・ラム( 『ビースト・ストーカー/証人』 『スナイパー:』 『密告・者』 )
【出演】レオン・ライ、リッチー・レン、ビビアン・スー、リウ・カイチー、ミシェル・イエ、ワン・バオチャン
【配給】ファントム・フィルム
【5段階評価】★★★★★
【鑑賞料金】1,500円(劇場鑑賞券)