こんなん渋谷のレイトショーでやるなよ! だって… 『ゴッド・ブレス・アメリカ』



これの一つ前に観た 『トガニ』 は、映画が社会を動かす力となって、結果的に弱者を守る法律ができたらしいけど、
実際にゃ悪いヤツに天罰を与えてくれと頼んだって、誰も何もしちゃあくれない。だったら…ブッ殺すしかねぇだろう。
とはいえ実際に殺すワケにはいかないから、せめて映画という虚構の中でぐらい悪いヤツは皆殺しにすりゃあいい。
大津の教育委員会も、虐めた連中とそのクソ親たちも、東電の幹部も、原子力ムラの人間も、野田も谷垣もみんな。
そして悪いヤツだけじゃない。犬のクソも始末できないヤツ、スマホ見ながらチンタラ歩くヤツ、電車で化粧をする女、
ヒールの踵をカツカツと鳴らす女、ハイタッチするためだけにサッカーを応援してるヤツ、バカなタレント、読者モデル、
ムカつく輩はみんな映画の中でブッ殺しちまえばいいんだ! というワケで 『トガニ』 の後に同じ劇場で観た本作は、
人生に絶望した中年男が可愛い女子高生と一緒に世に蔓延るバカを殺しまくるという超ブラックなロード・ムービー。

で、予告の印象だといかにも痛快な映画という感じだから本作を観て一つスカっとしたいなぁと思っていたんだけど、
意に反してほとんど笑えもしなければ、まったくスカっともしなかった。むしろ主人公のリアルな怒りに共感しすぎて、
あぁ…オレは親兄弟の人生を台なしにしたくないから、“こういうこと”をやらずにいるだけなんだなぁ…自分がもしも、
天涯孤独の身の上だったら、きっと“こういうこと”をやっていたかもしれないなぁ…と重苦しい気分になってしまった。
適度に笑いもまぶしてはいるけれど、しかし映画に込められた毒と創り手の厭世観はもはやトッド・ソロンズ級……。
ゲラゲラこれ聞こえよがしに笑ってる人もいたが(それにまたムカついた)、マジメな人はあまり観ない方がいいかも?
こんな映画、渋谷のレイトショーでやらないでよ。だって劇場を出た途端殺したくなるようなバカな連中ばっかじゃん。
あ~観に行った日にサッカーの試合なくてよかった。もしも日本が勝って交差点でハイタッチなんてしてたら…なぁ?

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いえ、サッカーは応援してますヨ。騒ぐヤツがイヤ。

『ゴッド・ブレス・アメリカ』(2011年・アメリカ/カラー/シネマスコープ/5.1ch/104分)
【監督】ボブキャット・ゴールドスウェイト
【出演】ジョエル・マーレイ、タラ・ライン・バー、マッケンジー・ブルーク・スミス、メリンダ・ペイジ・ハミルトン
【配給】トランスフォーマー
【5段階評価】★★★★☆
【鑑賞劇場】シネマライズ(渋谷)
【鑑賞料金】1,000円(火曜サービスデー)