役者の顔は美しいけど戦場は途轍もなく醜い… 『高地戦』



『トガニ』 を筆頭に今年も韓国映画が充実していたが、これはまさしくその真打と呼べる1本なんじゃないだろうか?
今、映画の中で本当に戦争をやっちゃうのって(それぐらいリアルな迫力という意味)、韓国映画ぐらいだと思うけど、
それはやっぱり、北朝鮮といつ戦争になってもオカしくないという緊張感が映画にも影響しているからなんだろうな。
日本にこういう映画を創るのはムリだろうが、それは案外幸せなことなのかも?(なんて言っている場合じゃない?)
それにしても、本作は予告篇などで映画の核心的な部分を最初っから明かしてしまっているんだけど、しかし実際、
その部分はクライマックスの30分で、だとしたら、そこは映画を観るまで伏せておいてほしかったと観ていて思った。
ボクはテッキリ、停戦が成立してからの12時間を描いている映画だとばかり思っていたので、映画の核心をバラす、
ある意味正気の沙汰とは思えぬ予告篇の創り方に驚いてしまった。まぁそれでも映画の印象に変わりはないけど。

だからこの 『高地戦』 を観るにあたっては、朝鮮戦争物という以外あまり予備知識を持たずに観た方がよいと思う。
とりあえず、停戦が成立せずドロ沼だった朝鮮戦争末期に、ある防諜隊隊員が北朝鮮軍との内通者を調べるため、
南北境界の最前線エロック高地のワニ中隊へ配属されるところから物語が始まるということだけ知っておけばいい。
その高地は奪い、奪われの戦闘が2年以上もつづいているまさに修羅場みたいな場所で、そこで主人公の隊員は、
以前とは人が変わってしまったようなかつての戦友と出逢い、事の真相と、戦場の本当の地獄を知ることになる―。
戦争の滑稽さ、おぞましさを容赦なく描きながらもその真相がわかるあたりは韓国映画お得意のエモーション爆弾。
本作のために考案された撮影方法による戦争シーンはまさに“高地戦”を生々しく体感させて息を呑むほかはない。
戦友役のコ・スの顔がちょっとキレイすぎるけど、あとは文句なし。『義兄弟』 の監督らしい胸の熱くなる1本。必見!

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『高地戦』(2011年・韓国/カラー/133分)
【監督】チャン・フン( 『映画は映画だ』 『義兄弟』 )
【出演】シン・ハギュン、コ・ス、イ・ジェフン、イ・デビッド、リュ・スンス、コ・チャンソク、リュ・スンリョン
【配給】ツイン
【5段階評価】★★★★1/2
【鑑賞劇場】シネマート新宿1
【鑑賞料金】ポイント鑑賞