兄弟から姉弟に変わって作品の世界観もグレードアップ! 『クラウド アトラス』!



スタローンが主演した 『暗殺者』 の脚本で注目され、傑作レズビアン・ハードボイルド 『バウンド』 で監督デビュー。
そして、ボチボチ20世紀も終ろうかという頃に 『マトリックス』 を発表して世界中に衝撃を与え、だけどその後つづく、
『~リローデッド』 と 『~レボリューションズ』 で早くも終わりかと思われていた( 『スピード・レーサー』 は未見です)、
ラリーとアンディのウォシャウスキー兄弟。いつの間にやら、お兄ちゃんだったラリーがお姉ちゃんのラナへと変わり、
その話を知った時はマコトに失礼ながら軽い芸能ゴシップぐらいにしか受け止めなかったんだけど、しかしこの映画、
ウォシャウスキー兄弟あらため、ウォシャウスキー姉弟の最新作 『クラウド アトラス』 を観ると、10年もかけたという、
そのラナの性転換は、もちろんそれだけじゃないだろうとはいえ、作品に相当深い影響を与えたんじゃないかという、
そんな気がして仕方がない。とにかくこの最新作は 『マトリックス』 以上に革新的でその何10倍も傑作!もう最高!

19世紀の奴隷船、1930年代のスコットランド、70年代のサンフランシスコ、現代のロンドン、22世紀のネオ・ソウル、
そして文明崩壊後のとある島という6つの時代の物語を並行に描くということで一見追随困難な印象の本作だけど、
観始めればなんのことはない、抜群のストーリーテリングと映像に瞬く間に惹き込まれマジで3時間はアッという間。
しかも6つの話それぞれでジャンルも別だから(史劇、社会派、コメディ、SF etc.)実にメリハリがあって飽きがこない。
そしてそんなわかりやすくも究極の挑戦的手法で描かれるのは、いつの時代も変わらない弱肉強食の歪な世界と、
それにタチムカウ人たちの姿。同じ俳優がいろんな時代でいろんな役を演じるつまりこれは「火の鳥」のような物語。
6つの大団円が一気に押し寄せるラストには体中から何か噴き出すかのようなカタルシスを得ることができる。凄ぇ。
映画6本分を一度に観たオトク感。まさしく兄が姉へと“生まれ変わり”最強となった作家姉弟のこれからに注目だ!

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画像1枚だけではどんな映画なのか想像つかん!

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オマケ。H・ウィービングはバイキング・小峠の生まれ変わり!?

『クラウド アトラス』(2012年・アメリカ/カラー/172分)
【監督】ラナ・ウォシャウスキー、アンディ・ウォシャウスキー( 『バウンド』 『マトリックス』 3部作)
【監督】トム・ティクヴァ( 『マリアの受難』 『ラン・ローラ・ラン』 『ヘヴン』 『パフューム ある人殺しの物語』 )
【出演】トム・ハンクス、ハル・ベリー、ジム・ブロードベント、ヒューゴ・ウィービング、ジム・スタージェス、ペ・ドゥナ
【配給】ワーナー・ブラザース映画
【5段階評価】★★★★★
【鑑賞劇場】新宿ピカデリー
【鑑賞料金】1,300円(劇場鑑賞券)