辛坊さんにも観てほしい驚異の実話を描いた海洋冒険映画の傑作! 『コン・ティキ』



テッキリどこかのTV番組で司会をやってるとばかり思っていた辛坊治郎さんがいつの間にか海の男になっていて、
挙句、遭難して帰ってきたというニュースにも驚いたけど、もっと驚いたのはやっぱり辛坊さんのお相方という人が、
なんと全盲の船乗りであったという事実。まったく目が見えないのに船に乗るだなんて…凄い…凄いとしか言えん。
世の中にはホントにブッ飛んだ規格外の人がいるもんである。で、日本には植村直己に堀江謙一に三浦雄一郎と、
世界に誇れる冒険家が数多くいるんだけど、知り合いの北欧通によると実は北欧にも冒険家がたくさんいるそうで、
そのお1人が、ノルウェー人トール・ヘイエルダール(1941-2002)。(他にスヴェン・ヘディンフリチョフ・ナンセンなど)
『コン・ティキ』 は、そのトール・ヘイエルダールが、“ポリネシアンの起源は南米”という自らの説を立証するために、
なんと大昔と同じいかだで1947年に太平洋8000kmを見事に渡ったという驚異の実話を映像化した海洋冒険映画。

とにっかく面白い! 純っ粋にワクワクドキドキする。あまりお客さんがいなかったもんだから、上映中思わず何度も、
「あぁ!」とか「危ねェ!」と小さく叫んでしまったほど。なにせ実話な上に撮影に約2年も費やしたというだけあって、
スケール感が大きく、またドラマ的にも描写が巧みなため、冒険の昂揚感やその裏の焦りや恐怖、そしてなにより、
ヘイエルダールの狂気にも近い執念が伝わってグイグイ惹き込まれてしまう。そう、冒険心の根幹は、狂気なのだ。
サメ映画としても白眉だし(これ、文科省推薦の家族向け映画とか謳っているけど子供が観たらトラウマになるワ!)
カニの扱い方も巧く、自然の脅威と美しさをちゃんと平等に描いてるからこのテの冒険譚としてすごく説得力がある。
冒険達成の果てに主人公がある大切なものを失うという件にも大人のドラマを感じてグっと来てしまった。憎いねぇ。
なにしろ必見! 辛坊さんも「この国の国民でよかった」なんて言ってないでこれを観てもう1回冒険に挑戦しなきゃ!

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むしろ本作を観てから出航の準備をするべきだった?

『コン・ティキ』(2012年・イギリス=ノルウェー=デンマーク=ドイツ/カラー/113分)
【監督】ヨアヒム・ローニング、エスペン・サンドベリ( 『ナチスが最も恐れた男』 )
【出演】ポール・スヴェーレ・ヴァルハイム・ハーゲン、アンドレス・バースモ・クリスティアンセン
【配給】ブロードメディア・スタジオ
【5段階評価】★★★★★
【鑑賞劇場】角川シネマ新宿1
【鑑賞料金】1,000円(水曜サービスデー)