エアーとフィンチャー、デヴィッド対決2本立! 『フューリー』&『ゴーン・ガール』



ガイジンさんで“デヴィッド”って名前はよく聞くけど日本でいえばどれぐらい多い名前なのかな?(けんじとか?)
もうちょっとしたらデヴィッド・クローネンバーグ監督の新作も観られるし12月はあたかもデヴィッド祭的な様相だ。
というワケで、個人的には今最も好きな“デヴィッド”といってもいいかもしれないシュワルツェネッガーの主演作、
『サボタージュ』 もイロイロな意味で熱かった(やりたい放題で)デヴィッド・エアー監督の最新作 『フューリー』 は、
ブラピを主演兼プロデューサーに迎え勇気100倍これまたやりたい放題にやり切った凄まじい迫力の戦争映画!
戦争映画がとにかくリアルになったのは 『プライベート・ライアン』 からだけどそれもここまで来るともうなんだか。
映画はナチスがはびこるドイツの戦場で“フューリー”という戦車へ乗り込み戦いを挑む5人のアメリカ兵の物語。
シネコンの音響設備のよさもあり戦車が大地を駆る音が地鳴りみたく腹に響いてものスゴい臨場感を味わえる。

ひと昔ふた昔、いや三昔前だったらきっと“戦車物語”という邦題が付けられていたんじゃないかと思えるぐらい、
映画はかつてのサミュエル・フラーやサム・ペキンパーの超濃厚戦争活劇を彷彿とさせるほど硬派な男の世界。
だけど男たちは全員それぞれ死に対する尋常でない恐怖を内面に抱えているというその描写が非常に巧みで、
そこから、戦争に英雄など存在しないことや戦場は決してカッコいい死に場所ではないという真実が提示される。
また、中盤挿し込まれるドイツ人女性とのエピソードも白眉でとくに若き2人が言葉を超えピアノで交流する件は、
無益な殺し合いもするけど言葉や人種を超える芸術も創造するという人間の二面性を見事に表して素晴らしい。
戦争活劇という娯楽の態を見せながらもそれ以上に戦争の非情さをこれでもかとタタきつける究極の反戦映画。
戦争に、“真っ当な理由”なんて絶対にないと言い切るさすが元軍人が撮っただけはある説得力抜群の傑作だ。

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平和のためには血を流すことも必要? アホか!



一方、デヴィッドといえばコチラはもはや不動の人気を誇ると言えるデヴィッド・フィンチャー監督待望の最新作、
『ゴーン・ガール』 は、結婚5周年の日に突如姿を消した妻を捜す夫が警察の捜査やメディアに追い込まれる内、
だんだん自分が妻殺害の嫌疑をかけられそこから理想的に見えた夫婦の真実が暴かれてゆくというミステリー。
『アルゴ』 でオスカー受賞のベン・アフレック主演で彼の映画に 『ゴーン・ベイビー・ゴーン』 というのがあるから、
テッキリとこれも彼の監督作だと少し前まで勘違いしていたんだけどそれはともかく聞くからに面白そうな話だし、
なにしろ前評判がいいようなのでかなり期待して望んだら…残念ながらボクにはあんまり面白くない映画だった。
むしろ評判が高いのも理解はできるけど何もそこまで…?とフシギに感じたぐらい。(まぁ人それぞれなんだけど)
『インターステラー』 といい 『6才のボクが、大人になるまで。』 といい最近“長いだけ”って映画が多い気がする。

おそらく、映画に何を求めるかの問題だと思うんだけど本作はミステリーというより夫婦ネタのブラック・コメディ。
だから、もっと直球のミステリーを期待していたボクはそこからしだいに外れてゆく本作についていけなかったし、
じりじり明らかになってゆく夫婦の真実にしてもいかにも頭の中で考えたような話にだからどうした?って感じで、
いったら単に○が○○○○だったというそんなしょーもない話をなぜ2時間半もかけて見せる必要があるのかと、
いかにも、リアリズムを笠にモッタイつけて進む映画に対し途中からイラ立ちを抑えられなかったというしだい…。
今年はナントカ細胞の小○方さんやら60代の女が青酸カリで次々夫を殺したとされる事件が話題になったけど、
ああいうネタが好きな人はもしかしたら愉しめるかもだがボクはどうでもよかったので本作もどうでもよかった…。
カップルで観るのはムリなんて言われているけどそんな 『レボリューショナリー・ロード』 みたいな映画ではない。
むしろ“今のところ”は夫婦円満っぽいブラピが本作をプロデュースしていたらスリリングで面白かったんだけど?
というワケで、奇しくもつづけて観ただけのエアーとフィンチャー2人のデヴィッド対決は圧倒的にエアーの勝利!

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それかアフレックが監督すればよかったんじゃ?

『フューリー』(2014年・アメリカ/カラー/135分)
【監督】デヴィッド・エアー( 『フェイク シティ ある男のルール』 『エンド・オブ・ウォッチ』 『サボタージュ』 )
【出演】ブラッド・ピット、シャイア・ラブーフ、ローガン・ラーマン、マイケル・ペーニャ、ジョン・バーンサル
【配給】KADOKAWA
【5段階評価】★★★★☆
【鑑賞劇場】ユナイテッド・シネマとしまえん(豊島園)
【鑑賞料金】1,000円(更新特典使用)

『ゴーン・ガール』(2014年・アメリカ/カラー/149分)
【監督】デヴィッド・フィンチャー( 『セブン』 『ゲーム』 『ファイト・クラブ』 『パニック・ルーム』 )
【出演】ベン・アフレック、ロザムンド・パイク、ニール・パトリック・ハリス、タイラー・ペリー、キャリー・クーン
【配給】20世紀フォックス映画
【5段階評価】★★☆☆☆
【鑑賞劇場】同上
【鑑賞料金】同上(2ポイント使用)

【弊ブログ内デヴィッド・フィンチャー監督作品記事一覧】
『ゾディアック』(2006年)
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(2008年)
『ソーシャル・ネットワーク』(2010年)
『ドラゴン・タトゥーの女』(2011年)