一度キメられたら逃げられない笑いと涙のサブミッション! 『激戦 ハート・オブ・ファイト』!



本当に凄い…。とにかく以前より早く観たいと期待しまくっていた1本なのに行こうと思っていた新宿の上映館が、
いちばん観やすい時間帯にいちばん小さなスクリーンでやるという信じ難いほどイケズなマネをするもんだから、
ワザワザ電車賃払って一度も行ったことのない立川のシネコンまで観に行ったんだけど…それで大正解だった。
前から一度、行ってみたいと思っていた劇場だしスクリーンがどデカくて位置も高いからめちゃくちゃ観やすいし、
なにより、日曜のレイトショーで人も少なかったおかげで場内最後列を1人独占し思う存分笑い泣くことができた。
最高だった…。上がりまくっていたハードルを楽々と超えるどころかもう傑作なんてそんな生易しいもんじゃない。
今年まだ11ヵ月もあるのにこの先これ以上の映画に出逢うことができるのかとむしろ不安になるくらいのレベル。
とにかく、最初から最後まで心の関節を“キメられっ放し”の途轍もない1本だった 『激戦 ハート・オブ・ファイト』

物語は、香港のボクシング王者に2度も君臨しながら八百長に関与してすべてを失くし借金まみれになった男と、
元は、富豪の御曹司でありながら父親が倒産し毎日酒に溺れる彼の面倒を見つつ日雇い労働で身を立てる男、
そして、夫に逃げられた挙句息子を死なせてしまいその自責の念から精神を病んでしまった女がある時出逢い、
それぞれの人生のやり直しを懸け新たな一歩を踏み出すという昔ながらの“どん底人生からのリベンジもの”で、
目新しい点といえば題材がボクシングではなくMMA(総合格闘技)で舞台がマカオというくらいのものなんだけど、
そんないわば手垢まみれのテーマがしかしまったく古びもせず今のドラマとして胸に熱く伝わるというこの奇蹟!
苦渋と悔恨の人生のドラマを描かせたら今や中華圏じゃダンテ・ラム監督の右に出る者なしといった感じながら、
今回はそのドラマ演出がなにしろ見事で登場人物たちの感情がビシバシと心の琴線に触れまくり堪らないのだ。

もちろん、練習シーンをはじめ肉の裂ける音や骨の軋む音まで聞こえてきそうな試合シーンも凄まじいド迫力で、
アンタたち本物目指す気か!?と言いたくなるようなニック・チョンとエディ・ポンの肉体改造はまさに驚愕のひと言。
母親役のメイ・ティンも繊細な芝居を見せればその娘役のクリスタル・リーがまた腹が立つほどの名子役ぶりで、
とにかく笑いと泣きの連打に感動の関節技にバックドロップ級の子役の可愛さで観終える頃にはもう廃人寸前!
「サウンド・オブ・サイレンス」(カバー)の使い方も絶妙だしどんな場面を想い起こしても胸が震え目頭が熱くなる。
いくら最後列を独占とはいえ他にも人はいたからラスト間近のあるシーンではもう嗚咽を堪えるのに必死だった。
とにかく人間生きている限り人生はまだまだこれからだと心の底から奮い立たせてくれる早くも今年最高の1本!
主人公は48歳、そしてオレ43歳! 今年はいろんなことに挑戦するつもりだけど本作を心の支えに1年頑張るぞ。

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もうダメだ…。予告を観ただけで泣けてしまう…。

『激戦 ハート・オブ・ファイト』(2013年・香港/カラー/シネマスコープ/116分)
【監督】ダンテ・ラム
【出演】ニック・チョン、エディ・ポン、メイ・ティン、クリスタル・リー
【配給】カルチュア・パブリッシャーズブロードメディア・スタジオ
【5段階評価】★★★★★
【鑑賞劇場】立川シネマシティ/CINEMA TWO
【鑑賞料金】1,300円(レイトショー)

【弊ブログ内ダンテ・ラム監督作品記事一覧】
『ビースト・ストーカー/証人』(2008年)
『スナイパー:』(2009年)
『密告・者』(2010年)
『コンシェンス/裏切りの炎』(2010年)
『ブラッド・ウェポン』(2012年)