正月恒例、名古屋の聖地(ミニシアター)巡礼でとんでもない“性地”にハマる!? 『百円の恋』ほか3本



ブログ11年目! まぁそれはひるがえれば人生に変化がないという証左かもしれんがそれにしてもよくつづいた。
そしてボクは、11年目1発目の記事に相応しいここ10年で最も強烈な体験を名古屋のとある劇場でしてしまった。
まぁその話はすぐに書くとしてまずは昨年と同じく元旦に名古屋は新栄の名演小劇場で観たシンガポール映画、
『イロイロ ぬくもりの記憶』 は、これこそ栄えある新年1発目に観るに相応しいホントに珠玉の人間ドラマだった!
アジア通貨危機の頃を舞台にとある中流一家とフィリピン人メイドの交流を綴った物語は一見すごく地味ながら、
多くを語らぬ端正な語り口の先にきちんとシンガポールの社会問題や“世界”が垣間見え見事なことこの上なし。
まるで台湾の故エドワード・ヤン監督の映画を観ているような気にもなってこれが長篇1作目とはこの監督天才!?
最初はイケ好かねぇガキだった主人公の少年の心の成長にもめちゃくちゃ共感できてとにかくいい映画なんだ!

画像
まさしく“一年の計は元旦に観る映画にアリ”よ!

で、そんな風に新年の映画鑑賞が幸先よく始まったのも束の間強烈な体験をしたってのがいわゆるポルノ劇場、
愛するシネマテークと同じ今池の駅地下にある今池地下劇場なんだがここがなんとガッチガチの“ハッテン場”!
もちろんこのテの劇場がそんな秘めた願望を持つ人らの社交場として機能する面があることくらい知っているし、
昔は、新宿にあった同系統の劇場で実際にナニしてる現場を見たことだってあるんだけどここは度が過ぎる!
しかも、正月の土曜だからか全然客などいなかろうと思って金を払い中に入ったら場内ギチギチのすーごい人!
もう中に入った瞬間にワラワラ~っとおっさんたちが次から次へと寄ってきてワ体はまさぐるしチ○コは触るしで、
違う!オレは映画を観に来たんだ!とこれはもうキツい…と思いすぐに帰ろうかと思ったんだけど…哀しいかな。
900円も払ったという貧乏人根性とここで帰れば負けだという妙な気持に駆られけっきょく最後まで観たっていう。

ハコ的にはシアター・イメージフォーラムの1階くらいの大きさで90席弱の劇場なんだけど(冷静なリサーチ力!)、
半分は埋まってる座席の方々でも寄り添い合ったりペアの片方が片方のそこらへんに顔を埋めたりしていれば、
もっと驚くのは壁際にもびっちり並び2人であんなことしたりもしくは3人や4人一組でこんなことしたりと以下自粛。
それでもボクはマジメに映画を観たいのにスクリーンの前をウロつく人もいるなど劇場としては完全に機能停止。
だんだん慣れてきて(慣れるなよ)スクリーンだけをじっと観ているとやがて寄ってくる輩も少なくなり(ゾンビか!)、
座席最後部後ろの手すりとテメェの間にカバンを挟みチ○コを死守しながら映画を観るというそんな状態だった。
つーか、体をまさぐられるぐらいならなかなか年季の入ったフェザータッチでさほど不快ってワケでもなく(オイッ)、
最後の方では、もう体をまさぐる手が股間に伸びようとするとそれを払うというその繰り返しみたいな感じだった。

いやぁーまさか今年で43歳という今になり複数のおっさんから寵愛を受けるなんて経験をするとは思わなんだ!
自慢じゃないがボクは女なら鈴木砂羽並の体をしてるハズだからさぞかしおっさんたちも欲しかったことでしょう。
客席もマバラで居心地好けりゃ今後もシネマテークへ行く前後に通おうかななんて思っていたけどもう行かない。
名古屋市千種区の“今池”という街はボクにとって想い出の尽きない街でありここで青春の一頁を過ごした以上、
この地下劇場もいつかは巡礼せねばならない場所だと思っていたけどよもやこんな深いガンジス河だったとは!
ちなみに、そんな経験をしてまで観たのは愛田奈々主演&池島ゆたか監督作 『官能エロ実話 ハメられた人妻』。
我が愛しの奈々嬢はじめ女優がみな巨乳というやっぱこれじゃん?ってな1本だった。(ただ、内容は憶えてない)
というよりムショと一緒でいくらかは単に男が好きなんじゃなく“男にいくしかない”というそんな人たちなんだろう。

画像
飛んで火に入る夏の虫とは俺の事!



そして正月早々そんな超ディープな体験をしたことをおくびにも出さずシネマテークへ移って観たのが韓国映画、
『自由が丘で』。(ようやく直接お話できた館員の永吉さんと夜な夜なツイッターでやりとりしてずいぶん驚かれた)
韓国ダメ男映画の巨匠ホン・サンスの映画に加瀬亮が参戦したということですこぶる評判のよい1本なんだけど、
なるほど、いつもの語り口に加瀬が違和感なくなじみ最近のサンス映画じゃいちばん好きかもという映画だった。
(というより↑こんな経験の後では劇場も映画の中の出来事も至極ノーマルでほどよく中和されたっつぅのもある)
映画は加瀬が愛する韓国人女性を追ってソウルまで来るものの知り合ったカフェの女主人ともデキちゃうという、
相変わらずストーカーな上にダメな男の話なんだけどやはりそこが加瀬だからかダメというよりむしろ可愛らしく、
それがややヒネった構成の妙とも相まってラストはなんとも言えない多幸感に包まれるというそんな作品だった。

画像
大好きな劇場で心地よい67分。これゾ至福の時。



そして性地、違った聖地めぐりのラストはもちろん名古屋駅西のシネマスコーレでこの冬の話題作 『百円の恋』
名古屋でも大ヒットのようで日曜日ということもあり大方満席のもうすぐ勃ち見…いや立見という盛況ぶりだった。
今や日本映画において完全に自分の立ち位置を確立している安藤サクラがそりゃもうド胆抜くほどの役者魂で、
32歳のだらしのない負け犬ヒロインがボクシングと出逢い少しずつ変わっていく様子を大熱演しているんだけど、
ヒロイン、一子が新井浩文演じるこれまたダメなボクサーにフラれ闘争心に火をつけるまでの前半は超タルイし、
サクラが表現する女の惨めもサウダージな周りのキャラの描き方もこのテの邦画に多い赤裸々上等って感じで、
正直、途中まではコイツは苦手なタイプの映画かな…と杞憂していたものの中盤からはマジで心をわしづかみ!
クライマックスかつ大評判のボクシング・シーンはなるほど途轍もないエモーションで思わず感極まってしまった。

画像
本作で彼女の女優としての地位は保証された!

ゆえに、肝心のラストは賛否が割れるところだと思うんだけど…ボクとしてはまぁああいうラストも悪くないと思う。
そして新井がさすがに巧くやや“間”を溜めすぎなサクラの芝居を上手に包みそこはデキる男って雰囲気だった。
さすがリハーサルでもキス・シーンじゃ女優の口に舌を入れる俳優の娘ってことで必見の1本じゃないでしょうか。
そんなワケで、今年の聖地巡礼は今後しばらくは記憶から消せそうもないとんでもない展開になってしまった…。
つーか、映画を観なかった合間の日にもう1軒名古屋に残るポルノ映画館“中村映劇”の外ヅラだけを見に行き、
これまた、ボロい建物で味があるし次の休みに来てみようなんて↑の話の前日だから呑気に思ってたんだけど、
盛りの夏になんて行ったら今度こそ飛んで火に入る夏の虫状態になるかも…と思ってどうしようかと悩んでいる。
『シンプル・シモン』 の主人公みたく「ボクは映画を観に来ました。触らないで」って札でも首から下げようかしら?

『イロイロ ぬくもりの記憶』(2013年・シンガポール/カラー/デジタル/99分)
【監督】アンソニー・チェン
【出演】コー・ジャールー、アンジェリ・バヤニ、ヤオ・ヤンヤン、チェン・ティエンウェン
【配給】日活/PLAYTIME
【5段階評価】★★★★★
【鑑賞劇場】名演小劇場2(新栄)
【鑑賞料金】1,100円(映画サービスデー)

『官能エロ実話 ハメられた人妻』(2014年・日本/カラー/アメリカン・ビスタ/60分)
【監督】池島ゆたか( 『おやじ男優Z』 )
【出演】愛田奈々、月美弥生、川越ゆい、野村貴浩、なかみつせいじ、竹本泰志、池島ゆたか、松井理子
【配給】オーピー映画
【5段階評価】★★★☆☆
【鑑賞劇場】今池地下劇場
【鑑賞料金】900円(2本勃)

『自由が丘で』(2014年・韓国/カラー/ビスタ/67分)
【監督】ホン・サンス( 『豚が井戸に落ちた日』 『江原道の力』 『気まぐれな唇』 『女は男の未来だ』 )
【出演】加瀬亮、ムン・ソリ、ソ・ヨンファ、キム・ウィソン、チョン・ウンチェ、ユン・ヨジョン
【配給】ビターズ・エンド
【5段階評価】★★★★☆
【鑑賞劇場】名古屋シネマテーク(今池)
【鑑賞料金】1,500円(ユーロスペース&シネマヴェーラ渋谷の会員券提示で)

『百円の恋』(2014年・日本/カラー/DCP5.1ch/ビスタサイズ/117分)
【監督】武 正晴
【出演】安藤サクラ、新井浩文、根岸季衣、稲川実代子、早織、宇野祥平、坂田聡、沖田裕樹、伊藤洋三郎
【配給】SPOTTED PRODUCTIONS
【5段階評価】★★★★☆
【鑑賞劇場】シネマスコーレ(名古屋駅西)
【鑑賞料金】1,300円(劇場鑑賞券)

【弊ブログ内ホン・サンス監督作品記事一覧】
『映画館の恋』(2005年)
『アバンチュールはパリで』(2008年)
『ハハハ』(2010年)
『次の朝は他人』(2011年)
『3人のアンヌ』(2012年)