デス・ロードとは違うけどこれもある意味マッドな120分 『コングレス未来学会議』



本作を観る前に、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』 を今度は2D字幕版で観たんだけどやはり最高に面白い!
ただただ夢中だった1回目とは異なり細かな部分も気にしながら愉しめて120分というやや長い尺もアッという間。
人間の“時間の感覚”というのは本当にフシギなもので夢中だったり心から愉しいと瞬く間に過ぎていってしまう。
で、至福の余韻に浸りながらつづいて観たこの映画 『コングレス未来学会議』 も上映時間はピタリ同じで120分。
正直マッドマックスみたく瞬く間ってワケじゃなかったけど違う意味で時間の感覚を忘れさせてくれる映画だった。
その原因はストーリーの難解さに加えそれを実写とアニメーションを織り交ぜて表現する幻覚チックな作風ゆえ。
アリ・フォルマン監督は、前作 『戦場でワルツを』 でも実写とアニメを巧く使い分けて映画を衝撃たらしめたけど、
本作でもとくに後半以降はその見事な使い分けによりある種のSF映画らしい稀有な酩酊感を体感させてくれる。

“ある種の”というのは原作が 『惑星ソラリス』 などで知られる(案の定読んだことないけど)ポーランドのSF作家、
スタニスワフ・レムによるものだからでそれを表現した近未来世界に漂う雰囲気はどこか切なくいかにも寓話的。
共産主義への皮肉だったという原作をハリウッドに置換し、(中盤のアニメ部分が原作で実写は映画オリジナル)
1人の女優がたどる人類の行く末を描いた物語はハッキリ言ってボクのオツムにはちょっと手強すぎたんだけど、
しかしクライマックスで再び実写に戻ってからの展開は、『戦場で~』 とはまた違う意味での衝撃があり物悲しく、
ラストでようやくこれが人類が行き着くところまで行っても愛だけは残るという話だと合点し(多分)、じんわり感動。
ロビン・ライトが見事だけど久々にハーヴェイ・カイテルを観れたのも嬉しかった。好きにCGキャラになれる薬か。
もしそんな薬があればぜひ一度呑んでマッドマックスの世界に入り込み砂漠を疾走してみたい!(けっきょくそこ)

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本作にも裸で太鼓を叩く男たちが出てきます!

『コングレス未来学会議』
(2013年・イスラエル=ドイツ=ポーランド=ルクセンブルク=フランス=ベルギー/カラー/120分)
【監督】アリ・フォルマン( 『セイント・クララ』 『戦場でワルツを』 )
【出演】ロビン・ライト、ハーヴェイ・カイテル、ポール・ジアマッティ、コディ・スミット=マクフィー、ジョン・ハム
【配給】東風/gnome
【5段階評価】★★★☆☆
【鑑賞劇場】新宿シネマカリテ1
【鑑賞料金】1,400円(劇場鑑賞券)