片方納得いかないけどある意味“子供を信じている”2本立! 『ルーム』『COP CAR/コップ・カー』

『ルーム』


んー…こういう映画に素直に感動できないボクはやっぱり人として欠陥があるんだろうか?(今頃気づいたの?)
もちろんこういう内容をして“逃げようと思えばもっと前に逃げられた”などとマヌケなヨタを言うつもりはないけど、
しかしそういうことじゃなくなんかいろいろスッキリしないというかハッキリ言ってボクには中途半端な映画だった。
喩えば韓国映画ならもっと徹底的にあの親子2人の長年の地獄を見せた上で絶望からの再生を描くのだろうが、
なぜ、こんな本来ならば胃のねじ切れるような陰惨な話を消化のいい離乳食みたいな感動作にしてしまうのか?
そもそもあんな部屋に7年も監禁されずっとレイプされてそれでそのはけ口に息子を虐待したりしなかったのか?
いくら母の愛とか言われてもこんなヒドい話がベースのワリにはすべての描写が観客に理想的すぎる気がする。
それに、やっぱりあの監禁野郎に生まれたことを後悔するぐらい地獄を味わわせる描写がないと納得いかない。
またTVに出る母親の気持も唐突すぎて理解できなかったしラストで地獄へ戻るだなんて精神的に無理だと思う。
なにしろお伽噺と思えばいいんだろうけどしかし今ドキありそうなことだけに“いい話”すぎるとしか思えなかった。

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子供が生き難い時代にこれは少々絵空事じゃ?

『ルーム』(2015年・アイルランド=カナダ/カラー/118分)
【監督】レニー・アブラハムソン
【主演】ブリー・ラーソン、ジェイコブ・トレンブレイ、ジョアン・アレン、ウィリアム・H・メイシー、ショーン・ブリジャース
【配給】ギャガ
【5段階評価】★★☆☆☆
【鑑賞劇場】ヒューマントラストシネマ渋谷1
【鑑賞料金】1,000円(TCG会員ハッピーチューズデー)
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『COP CAR/コップ・カー』


それと引き換え同じ劇場でつづけて観たこれはめちゃくちゃ面白かった!これだよこれ! ガキは普通これだろ?
ちょっとぐらい監禁され怖い目に遭った方がいいような2匹のクソガキが(そういうこと冗談でも言うんじゃない!)、
無人のパトカーを盗み遊んでいたら持主の悪徳警官に狙われちょっとどころかめちゃくちゃ怖い目に遭うって話。
この時代に、ケヴィン・ベーコン主演作がまさかの満席ってだけでもうれしいのに(いちばん小ちゃいハコだけど)、
“外し”のセンス抜群のテンポのいい語り口で小気味好く見せるギュっと実の詰まった88分がうれしいのなんの!
『ルーム』 の子役にも負けていない、2人の表情とキャラがいいし(事件を経て力関係が逆転する脚本が巧し!)、
え? これで終わり?と思ったらさらにひと捻りするまるでニューシネマみたいなラスト!(しかもちょっと泣ける!)
音楽もいいし低予算なんてものともしない姿勢がホンっト頼もしいひと言快作!としか言いようのない1本だった。
慌てて帰りにこの監督のデビュー作 『クラウン』 を借りて観たんだけどコチラもなかなか面白い。(後味悪いけど)
どうやら、子供に苛酷な試練を課すのが好きなんだネ。だったらこの監督の撮った 『ルーム』 を観てみたいなぁ。

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やはりこの人はこんな役を演らせたら一級だネ!

『COP CAR/コップ・カー』(2015年・アメリカ/カラー/DCP/88分)
【監督】ジョン・ワッツ( 『クラウン』 )
【出演】ケヴィン・ベーコン、ジェームズ・フリードソン=ジャクソン、ヘイズ・ウェルフォード、カムリン・マンハイム
【配給】コピアポア・フィルム
【5段階評価】★★★★☆
【鑑賞劇場】同上
【鑑賞料金】同上