『チリの闘い』で燃えた後に最適の脱出系サスペンス 『コロニア』短評



まさしく、現在大ヒット中の 『チリの闘い』 を観た後にピッタリなチリ版 『クーデター』+『サクラメント 死の楽園』!
1973年の強硬な軍事クーデターによって発足し南米史上最悪の独裁政権と呼ばれたピノチェト政権下のチリで、
実に2万8千人を拷問し、およそ3千人を虐殺したという極秘施設“コロニア・ディグニダ”を題材としたサスペンス。
その施設を表向きは慈善団体として運営していたのがなんと小児性愛者の元ナチス党員だったというから驚き。
しかもその男パウル・シェーファーが死んだのが意外と最近の2010年というから本当に悪いヤツほどよく生きる。
ハッキリ言ってエマ・ワトソン演じるCAが甘っチョロい理想でヨソの国の社会主義運動に片足を突っ込んだ挙句、
軍事政権に捕まった恋人を救うべくコロニアに単身乗り込んでゆくというストーリーはいかにもハリウッド調の上、
ご都合主義のオンパレードで絶望感というより安心感が漂っちゃっているものだからサスペンスとしては今一つ。
ヒロインカップルのドラマも薄っぺらだし、詳細は書かないが男が知能障害を装うという件もデリカシーに欠ける。
だけどナチスの残党がよもやチリへと逃げ延びこんな悪行を働いていたなんてそんな事実は初めて知ったから、
もっと面白い映画にできたハズだけどなぁ…と若干物足りなくはあったものの知識を得られたので観てよかった。
くしくも 『チリの闘い』 と併せ、チリの現代史にちょっぴり詳しくなった気分。これが映画を観る醍醐味じゃないか。

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あとは 『NO(ノー)』 を観ればすっかりチリ通に?

『コロニア』(2015年・ドイツ=ルクセンブルク=フランス/カラー/シネスコ/5.1ch/110分)
【監督】フロリアン・ガレンベルガー
【出演】エマ・ワトソン、ダニエル・ブリュール、ミカエル・ニクヴィスト、リチェンダ・ケアリー、ヴィッキー・クリープス
【配給】REGENTS
【5段階評価】★★★☆☆
【鑑賞劇場】角川シネマ新宿
【鑑賞料金】1,000円(TCG会員ハッピーチューズデー)