荒木一郎フィーバーでシネマヴェーラ脱出不可能!? 『脱出』@「デビュー50周年記念 荒木一郎の世界」

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そら東宝でこんな映画創ったらお蔵入りも当然のハッキリ言って駄作だけど逆にヒドすぎてけっこう面白かった!
12時間後にはブラジルへ旅立つハズだった黒人ハーフ青年が、差別主義者のアメリカ人を過失で殺してしまい、
彼の女友だちと偶然集まった男たちが日本脱出を手助けするという粗筋だけ聞くとめちゃくちゃ面白そうな物語。
そしたらその中に過激派が混じっていて内ゲバっぽい展開になるというあたりが浅間山荘事件と…似てないよ!
だいたい、初めに共謀をけしかけるのが荒木一郎演じる雑誌記者なのにいつの間にか傍観者みたくなってるし、
脚本も演出も本当にグッダグダなんだけど…なぜかフシギと憎めない。現場の愉しさが滲み出ているからかな?
日本人が黒塗りしたようにしか見えないピート・マック・ジュニアとフラワー・メグのやりとり自体は別に悪くないし、
なぜそんな展開になるのか不明なんだが彼女がガチで火炎瓶をパトカーに放り込むクライマックスなんて最高!

今ちょうどやっている機動隊がどうの反対派がどうのという不毛な言い合いなど吹き飛ばすような痛快さがある。
やっぱり70年代の映画はいい! 主題歌もムダにカッコよかった! これゾ時を経て熟成されたレアものだと思う。
そして上映後はお待ちかね、整理券を求める人で朝から凄い人だった荒木一郎とフラワー・メグのトークショー!
いやぁー独壇場とはまさにこれと言わんばかりの立て板に水の如しなトークでこれまためちゃくちゃ面白かった!
とくに、内容はあまり詳しく書けないけど(つーか書くのためらう)芹明香を売り出した時のエピソードなんか素敵!
だけど最初ブ○だったから映画に出してキレイにしただなんて荒木一郎だからこそ言える(そして許される)台詞。
そしてよく憶えてるなぁというくらい次々と語られる演出論も説得力抜群で本当に中身の濃いトークショーだった。
さらにその後サイン会なんてあるもんだからロビーは大混雑。ホンっト劇場を脱け出すのに苦労したよ!って話。

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72歳にはとても見えない若さとトークテクでした!

「デビュー50周年記念 映画特集 荒木一郎の世界」[2016年10月8日(土)-21日(金)]
『脱出』(1972年・近代放映/カラー/35mm/85分)
【監督】和田嘉訓( 『自動車泥棒』 )
【出演】ピート・マック・ジュニア、フラワー・メグ、荒木一郎、林ゆたか、石橋蓮司、原田大二郎
【配給】東宝
【5段階評価】★★★☆☆
【鑑賞劇場】シネマヴェーラ渋谷
【鑑賞料金】1,000円(会員)