黒沢清だからこそ許される今ドキ古めかしい幽霊屋敷もの、でも… 『ダゲレオタイプの女』短評



ダメだ…。寝不足がたたり自分こそ彼岸と此岸を往ったり来たりしてるみたいで微塵も映画に集中できなかった。
しかし、仮に眠くなかったとしてもやっぱり今回ばかりはこれを手放しで面白いとは言えなかったような気がする。
みなこれこそ黒沢清とか言っているし自分もそこに異論はないけどそれはそれとして自分にウソはつきたくない。
つまらなかった。本作は、黒沢清監督初の海外作品にして今ドキこんな映画創るか!?というくらい古風な幽霊譚。
だからその“今ドキこんな”という話をそれこそこうして昔のフランス映画みたく創れてしまう監督の腕はスゴいし、
珍しいダゲレオタイプの撮影法や拷問器具みたいな拘束用具など、確かにディテールの面白さはあるんだけど、
しかしそれだけといえばそれだけで肝心のラブ・ロマンスの部分はどこかに気負いがあるのかあまりグッと来ず、
2時間越えはいくらなんでも長すぎでそれこそコッチは写真のモデルになったような気分。(ま、まさかそのため!?)
なにより主演のタハール・ラヒムがフツーすぎ西島秀俊のような「この人なんか変!」感がなくそこが物足りない。
逆にヒロインを演じるコンスタンス・ルソーの雰囲気はよかったから何もムリに全キャストをあちらの俳優にせず、
なじみの役者を日本から何人か連れていった方がよかったんじゃなかろうか? やはりこんな役は西島くんかな。
やっぱ 『岸辺の旅』 のようなアジア的死生観は向こうにはそぐわないのかもしれない。とにかく眠かった。残念!

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ラヒム自身の魅力も少々足りなかったと思われ。

『ダゲレオタイプの女』(2016年・フランス=ベルギー=日本/カラー/131分)
【監督】黒沢 清( 『神田川淫乱戦争』 『スウィートホーム』 『CURE』 『蛇の道』 『蜘蛛の瞳』 『ドッペルゲンガー』 )
【出演】タハール・ラヒム、コンスタンス・ルソー、オリヴィエ・グルメ、マチュー・アマルリック、マリック・ジディ
【配給】ビターズ・エンド
【5段階評価】★★☆☆☆
【鑑賞劇場】ヒューマントラストシネマ有楽町
【鑑賞料金】1,300円(TCG会員)

【弊ブログ内黒沢清監督作品記事一覧】
『LOFT ロフト』(2005年)
『叫』(2006年)
『トウキョウソナタ』(2008年)
『岸辺の旅』(2015年)
『クリーピー 偽りの隣人』(2016年)