瓶詰めの映画地獄 〜断罪!断罪!また断罪!!〜

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help リーダーに追加 RSS 伝説のオペレッタをひと足早く名古屋で! 『鴛鴦歌合戦』!

<<   作成日時 : 2006/01/07 21:00   >>

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今は、年末年始なんかの帰省先が名古屋の隣町になっているので、
年に何回かは世間に倣ってそちらの方へ帰るわけだけど、
いくら映画が好きだからといって、さすがに帰省中にまで映画を観ようとは思わない。
だけど、名古屋を離れて早数年…。
そろそろ都会の生活に限界を感じ始めたのか(ウソ、限界を感じるほど何もしてない)、
今回はなぜか、気心知れた旧知の友人たちと呑み歩くだけじゃなく、
メランコリックに名古屋の街を独り再訪してみたくなり、
“自分の知っている名古屋”を求めて市交通局発行の「一日乗車券」を購入して出かけることにした。

で、向かった先がけっきょく映画館(変わり栄えのない人生ですな)。
そして名古屋の映画館と言えば、知る人ぞ知る名古屋興行界の雄(俺が決めた!)、
名古屋駅西にある 名古屋シネマスコーレ と、今池という街にある 名古屋シネマテーク の2名店。
正直な話、この2館に通わずして名古屋で映画好きなどと自称してはならない
名駅再開発地域に、なんとかシネマズができたぐらいでよろこんでいるようじゃまだまだひよっ子だ。
(ちなみに、名駅隣の伏見に新しくできた ミリオン座 は、これまた40代以降の映画好きには懐かしい
名古屋で有名だった名画座の再興進化型の劇場らしい)

ボクが今回、実際に映画を観たのは今池のシネマテーク。
長くなるのでシネマスコーレの紹介はまた別の機会に譲ることにして、
この“今池”という街が、ボクにとってはそれこそ切っても切り離すことのできない、
東京でいえば西荻(かなぁ?)みたいな場末の空気をプンプン醸した、
ドラゴンズが優勝すれば必ずTV中継もされるような各界著名人御用達の呑み屋なんかもあるという
名古屋屈指のディープタウン。
この街でボクに何があったのかなんて今ここに書いてもつまらないので割礼、もとい割愛するけど、
とりあえず、ボクが名古屋在住の時代にいろんな意味で関係した女性たちのほとんどとはこの街で
出逢っている。
言ってみれば、今池はボクにとっての“僕に踏まれた町と僕が踏まれた町”だ…。

さて、シネマテークは、名古屋市街地を東西に走る地下鉄東山線今池駅を下車、
ガスビル10番出口を地上に出て右、東京三菱UFJ銀行(長ぇよ!)を過ぎて初めての道をさらに右、
いかにも胡散臭い呑み屋やセクシーパブがポツポツと点在しているいかがわしい通りの奥にある。
もうそんなダークな場所に劇場が存在しているという時点で、旅好きならワクワク胸が躍ってしまう。
歌舞伎町のように明るくなく、渋谷のような活気もない、あくまで“いなたい”ブルージーな雰囲気だ。
その通りの右側を注意しながら200mぐらい歩いてゆくとおもむろにスタンド看板が立っている。そこ。
“今池スタービル”という、これまた身もフタもない名前の雑居ビルに入って2Fだ。

通路には、今後公開予定の映画のポスターがズラリと貼ってあり、劇場の隣は中国系の食料品店。
受付の奥のスペースがもう事務所兼作業場で、フードなどの販売はもちろんなく、
小さな待合スペースは一応喫煙テーブルと禁煙テーブルとに分かれちゃいるが狭いので関係ない。
以前はそこに、
観客が自由に映画のことを書き込みできるノートがあったんだけど、さすがにそれはなくなった様子。
トイレは和式で男女各1室ずつ、ホール入口すぐにあるので上映中も開閉の音がフツーに聞こえる。
座席数は45席。でもボクが行ったときは、
昼間上映の 『ある子供』 の客入りがいいのか、最前列の前に座イスが並べられていた。
そう言えば、ボクは数年前、ここでインド映画の 『ムトゥ 踊るマハラジャ』 も観たんだけど、
そのときは平日の昼間というのに窒息するかと思うぐらいの超満員だった。夏だったし…。
この劇場でいちばん観やすいのは実は最前列。だけど、
列の中央あたりに座るというのがどこの劇場でも嫌いなので右端の席がボクの昔からの指定席だ。
そして上映の寸前になると、劇場の人がのそのそ入ってきて空調の調節をしていよいよ上映開始!
でもここでまたひときわ味わい深いのが、
どこの階になんのテナントが入居しているのかわからないような雑居ビルなもんだから、
レイトショーあたりの時間にもなるとどこからともなくカラオケに興じる声が微かに聞こえてくるところ。
だけど、銀座のシネパトスが、
地下鉄の真上にあって定期的に電車の震動が聞こえてくるのをなぜか心地好く感じるのと同じで、
それもまた劇場の場末的な味わいとしてかつては客から苦情もあったらしいけどボクはわりと好き。
前に人が座ってるのに平気で背もたれに足をかけたり足を組みかえるたびにぶつけてくような輩は
ブン殴ろうかと思うし、たまには注意もしてやるけど、
電車の震動とか、そういうのはボクは気にならない。
それもすべては、本当にいい劇場だけが放つ本当にいい映画の“匂い”のなせるわざ…。
どんなに時代が流れても変わらない手作りの舞台小屋的感覚こそボクが劇場に求める最大要素。
前売鑑賞券もかなりお得で、会員になれば1本1,200円と安い上に10本観れば1本ただ!
まさしく“映画好きのための映画好きによる映画のためのサロン”。それがシネマテーク!

で、2006年1発目から話はダラダラ長くなったけど、
そんなシネマテークで、近く
リニューアル・オープンする渋谷ユーロスペースに先んじてモーニングショー公開されていたのが、
日本娯楽映画の大巨匠、マキノ正博(当時)監督(1908〜93)が突貫で撮り上げたものの、
そのあまりの完成度の高さと内容の贅に今になっても語り継がれている戦前の伝説的オペレッタ、
『鴛鴦歌合戦』(1939)!(“鴛鴦”は“おしどり”です)
今回は、HDデジタルリマスターによるコレクターズ・エディション発売に併せての上映なんだけど、
やっぱり実質20年ぶりの劇場リバイバルということもあり、これはなんとしてもスクリーンで観たい。

画像

「オペレッタ」と言えば、
昨年公開された老匠・鈴木清順監督の快作 『オペレッタ狸御殿』 も凄い映画だったけど、
「オペレッタ」というのは、まぁ言ってみれば“ミュージカルの原型”。
「オペラ」の芸術的敷居の高さを崩した歌あり踊りありの庶民的エンターテインメントが「オペレッタ」。
一般には「オペレッタ」が時代劇で、「ミュージカル」が現代劇という括りらしいけどまぁなんでもいい。
とにかく一目瞭然、69分という超タイトな尺のなかに、
“娯楽の原型”としか言いようのないエッセンスと和的な情感が綿いっぱいに溢れていて、
観る者を心地好い空間に誘いワクワクさせ、そして心から楽しませ大いに笑わせてくれる。
急病か何かで拘束時間がたったの2時間だったという(それが本作が急場しのぎの映画だった理由)
片岡千恵蔵のそれでも輝きを失わない粋な存在感。
元祖アイドル(?)、市川春代の時おりボショボショと父親役の志村喬に文句を言うときの可愛らしさ。
往年のジャズ・ヴォーカリスト(って詳しくはよく知らないけど)ディック・ミネの憎めない“バカ殿”ぶり。
そして事実上、この映画の主人公であるインチキ骨董品の数々を偏愛するトボケた父親役を演じる
志村の意外な”笑いの間”の巧さとなかなかの“ノド”。そんな彼らが
スタンダード・サイズ狭しと繰り広げる江戸の町の活気と貧乏浪人(片岡)をめぐる恋の“さやあて”が
軽快なこれまたトボケたナンバー(なんと全35曲!)に乗ってスクリーンから横溢してくる。
“戦前”や“伝説”という稀少価値を抜きにしたってこの楽しさは現代に通じるからその面白さたるや。

ブルーレイディスク上映なので画質のわりにスクリーンに対して多少の違和感は感じるかもだけど、
一度耳にしたら忘れられない数々の名フレーズとともにこの妙にクセになる心地好いグルーヴ感は
やはり劇場で体感しなければもったいない。

とにかく、こういう真の意味での良心的な娯楽映画の上映も含めて、
名古屋に住んでいて映画好きなのにシネマテークにもシネマスコーレにも滅多に行かないなんて、
そんなもったいないことほかにないよキミ!
もしも、たまたまこのブログを目にした方で、
名古屋在住で映画好き、でも両館に行ったことがないまたはたまにしか行かないという人がいたら、
今すぐシネコン通いなんかやめてこれからは毎週毎週名駅西と今池の往復を始めよう!
地方の単館事情よろしくテークもスコーレも、
東京の単館数館のラインナップを朝昼夜の三興行に無理矢理ねじ込んだ超絶ラインナップなので、
こちらで単館めぐりする数倍の速さで映画通になれることウケアイ!

映画の後は、やたらとデカいパチンコ屋が居並ぶ今池をそぞろ散策。
地元誌を見れば旨い食べ物屋もたくさん見つかるし、今池からひと駅歩いて隣の池下まで行けば、
これまた“男心をくすぐる”ディープな夜の街が広がっていて、浮世の憂さを忘れられるかもよ…???
(名古屋でその数が多いと言えば、パチンコと喫茶店、そして○○!)

♪とかく浮世はままならぬ〜日傘差す人作る人〜♪

こういう映画を新年1発目に選ぶのが、本当の通ってやつなんだな。

[ 1月14日(土)より渋谷 ユーロスペース にてレイトショー公開 ]

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
昨日、こちらの作品を観て来ました!!
本当に心がほくほくになってしまい、
帰り路、一人ニヤニヤと笑みをこぼしながら
歩いたホテル街。
さぞかしおかしい女と思われたことでしょう。

でも、こんなにあたたまる映画とは・・!!!
観れて良かった!!!
そして、観た後にまたこのブログの記事を読み返してみると
また違う感想がもてますね。
二度美味しいってやつです♪♪

こういう気分になれた日は、
どんなに寒くても我慢できるんだな!!
ちなみに、チャップリンは明日観る予定。
なんだか楽しいです。こういう生活♪
sayoyo
2006/01/19 23:52
それはよかった♪♪
キッカケになってなによりです。

日本が戦争まっしぐらで、
映画なんてのん気なこと言ってる場合じゃなかった時代に、
それでもこうして庶民のために娯楽映画を撮り続けた
かつての名匠の仕事ぶりに屈強な男気を感じる、
ボクにはそんな映画でもありました。
栗本 東樹
2006/01/21 02:26
突如として映画館でマキノ雅弘の映画が花盛り!
なんですか、これは。こんなの、通えないよ〜。
『次郎長三国志』シリーズは僕は第1部から第5部までと第8部は見ました。特に「第8部 海道一の暴れん坊』は日本映画史上のベストテンとかそういうのに入れてもいいぐらいの超傑作だと思う。
しかし、今回はなんと第6部、第7部、さらには東映版まで上映される・・
参りますよ〜

2/4〜2/17
銀幕の名巧 マキノ雅弘監督傑作選@新文芸坐
http://www.shin-bungeiza.com/schedule.html#0204

2/11〜3/10
勢揃い『次郎長三国志』全13部作参上!@シネマヴェーラ渋谷
http://www.cinemavera.com/schedule.html
kusukusu
2006/02/05 18:30
詳細な情報ありがとうございますm(_ _)m

ホント、
急にどうしたんですかね、この突然のマキノ雅弘ブームは?
生誕100年は2年後ですよね???
文芸坐なんて相当にぎわってそうだ!

超傑作ですか! そいつは気になる。
俺も3本ぐらいは観てるんですけど、
果たして第何部だったんだろう・・・?
栗本 東樹
2006/02/06 21:03