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オダギリジョーが嫌いである。 女どもが夢中になるのはわかるし、この映画のなかでも、 唇盗む早ワザは噂どおりだワあなたシンドバット並みにイイ男だけど(♪「渚のシンドバット」)、 とくに奇抜な髪型を含めどーにも生理的にウケつけない。 シリアスでもコメディでもボクはどんな役もイケますみたいな雰囲気が癪だし、 おそらく若手の俳優のなかでも人一倍映画や芝居に対して熱心なのはわかるんだけど、 それがまた前面に滲み出てしまってるところがあざとくてイケ好かない。 まぁボクみたいな路傍の石が、こんなところで何を言っても蚊ほどの威力もないだろうが、 こんな遠吠えをわざわざブログに記すヤツもいないだろうから、 全国1千万の負け犬男子を代表してボクがデカデカと書いてやる。 オダギリジョーが嫌いだ(この大きさが限界) たとえボクが欲求不満の女でも、ヤローに前から後ろからブチ込まれたいなんて思わないし、 ましてやク○ニなんかゼッタイにさせない。 それでもしたかったら、せめてヒゲを落としてから日をあらためていらっしゃい。 あ〜スッキリした。遠吠えって気分が好いな(虚ろな目で)。 じゃあなぜそんな嫌いな俳優が出ているような映画をわざわざ観に行ったのかと言えば、 それは、これを撮った監督(西川美和)がカワイイからだ(やっぱりこんな理由)。 それを狙ってかメディア媒体への顔出しも映画監督にしちゃ珍しく頻繁だけど、 確かにカメラの後ろに立たせておくだけでは惜しいような美貌の持ち主である。 そんな、作家としての才能と持ち前の美貌との両極を認められつつある新進の女流監督が、 香川照之という稀代の職人的名優と、オダギリジョーという稀代のモテ俳優を手玉にとって、 いったいどんな兄弟像を見せてくれるのかが少なからず気になったからだし、 なにより、予告篇でオダギリが「兄ちゃん!」と叫ぶシーンが、 同じく弟であり、歳の離れた兄を持つボクの心にもどこか訴えるものがあったからだ。 だけど、やはり、世の中そうは甘くない。 東京でカメラマンとして成功している猛(オダギリ)は母の一周忌で帰省し、 実家のガソリンスタンドを継いだ独身の兄の稔(香川)や、 そこで兄と働く幼なじみの智恵子(真木よう子)と再会、3人で近くの渓谷へ行くことにする。 ところが、猛がひとりで付近を散策している間に、 稔と渓谷にかかる吊り橋の上にいた智恵子が転落してしまい……。 映画は、突如として起きたひとつの悲劇をキッカケに浮かび上がる兄弟間の確執を、 兄・稔の殺意をめぐる映画的な法廷劇を交えたミステリー仕立てによって見せてゆく。 確かに、香川照之はさすがの存在感でその芝居には観ていて安心するものがあるし、 オダギリのそれも、演技をひけらかそうというようなあざとさがなく好演してはいるんだけど、 たとえば、法事の会席のシーンで畳の上にこぼれたものを雑巾で始末する香川の足に、 倒れたとっくりから酒がこぼれて、その様子をじっと捉えるシーンなどに感じられるような、 凝った演出をガッツリ見せようとする作為が全篇にわたってチラついていて、 それがこちらとしてみればどうにもウザいのだ。 猛が一旦東京へ戻る途中に車の中から見る、稔がガソリンスタンドで、 いつも難癖をつけてくる客にブチ切れ暴れるのをスローで捉えるシーンもいかにも説明過剰。 映画は2時間弱だけど、仮に20分削ったとしても充分語り切れる内容のハズだ。 だけど、なによりもボクが気になったのは、 猛の稔に対する感情の“核”がいったいどこに据えられているのかまるでわからなかったこと。 猛はおそらく、田舎を毛嫌いして東京へ出ていった典型的な地方出身者なんだろうけど、 だからといってそういう出自に対する近親憎悪が兄に向けられていたわけではなく、 だとしたら、なぜ兄が好意を持っているとひと目でわかる幼なじみの女と寝るなんていう、 そんな“復讐”めいた真似をするのか理解できない。 生来の女好きが高じたほんの軽い出来心と解釈するにしても、それなら今度は、 猛の家族に対する少なからず翳りのある感情とのバランスがとれずに説明がつかなくなる。 要するに、映画的な悲劇を呼ぶために敷いた布石(設定)のすべてが図式的で不自然なのだ。 事件をキッカケに噴出し始める稔の凶暴性もあまりにサイコ・スリラーじみていて、 あれじゃ猛が稔を弁護しようとする気持ちにも感情移入できないし、 それを女を寝取ったことに対する彼の罪悪感とするならば、 死なせた女に対する罪悪感がどこにも見られないのは話としておかしい。 自分さえヘタに手を出さなければあんな悲劇は最初から起きなかったに違いないわけだから。 兄弟間の愛憎を描きたかったのか、それとも秘められた愛情を描きたかったのか、 いずれにせよこの監督は、男兄弟というものを根本的に理解していない。 たとえ心の奥に潜む人間のドロドロとした感情を描くのが目的だとしても、 それがなければ成立しないドラマを撮ってしまったことが元も子もない言い方だけど致命的。 クライマックスで、猛が昔の自分たちを映した8mm映像を見るシーンにしても、 その発想のありきたりさには目をつむるとしたって、 もし本当にあれを見たならば、余計に出所する兄を迎えになんていかないハズだ。 男兄弟とはそういうものだ。 デビュー作の 『蛇イチゴ』 にしてもそうだけど、 この監督は、どこか無意味に“皮肉屋”を気どろうとしているところがある。 それが彼女の申告どおり、川島雄三の映画に所以するものであることは、 とくに 『蛇イチゴ』 を観れば一目瞭然なんだけど、 同じような下ネタであっても男が言えば笑えるものが女が言っても笑えないのと同じ理屈で、 ここまで皮肉な話を女が撮れば、そこには軽さや感動を超え、 まるで女性週刊誌の読者を悦ばせるような下世話さが匂ってくるのは明らかな話。 (差別的なことを書いているかもしれないけど、そうなっているんだから仕方がない) 人間の感情の行方を真剣に見つめた力作には違いないけど、 こんな皮肉な家族や兄弟の話を描くよりも、 この人はもっとストレートに男女のドラマとかを描くべき。 おそらくそこに自分の作家としての主義、方向性を見てないのだろうけど、 その方が絶対にいい映画を撮れると、ボクは半ば確信している。 原作頼みのCG映画やお涙頂戴の安い恋愛モノに較べたら100倍観る価値のある作品だが、 無闇に“変化球”で勝負しようとしている部分ではほかと大差がないのもまた事実。 今の日本映画に必要なのは、そんな“変化球”を小賢しく投げれる才能よりも、 直球ストレートで勝負する勇気なのだから、 3作目はぜひ、できれば監督も顔出しで観応えある恋愛ドラマを撮ってほしい。 でも、相手役をオダギリジョーにするのは悔しいからやめてネ♪ [ アミューズCQN(渋谷) ほかにて公開中 ] |
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| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|---|
ゆれる
テクテクテクとお家へ帰ろう・・・ ラストに流れる曲が心に染み入るなぁ。 ...続きを見る |
龍眼日記 Longan Diary 2006/07/18 14:51 |
ゆれる@アミューズCQN
アングルは斜め上から、しかも傾いて、時にグラグラと揺れ、緊張が続く。全ての映画、その傑作に当てはまるとは断言しないが、映し出されたものから緊張感が醸されて、保たれると見応えは増長する。 ...続きを見る |
ソウウツおかげでFLASHBACK現象 2006/07/19 23:38 |
ゆれる:エゴから生まれることもある
★監督:西川美和(2006年 日本作品) 京都シネマにて鑑賞。 本日(7月15日)は公開初日。『かも... ...続きを見る |
「朱雀門」という方法・第2章 2006/07/22 12:14 |
ゆれる
映画館で、出演:オダギリジョー/香川照之/伊武雅刀/新井浩文/真木よう子/木村祐一/ピエール瀧/田口トモロヲ/蟹江敬三/原案・脚本・監督:西川美和/作品『ゆれる』を観ました。 ...続きを見る |
Rohi-ta_site.com 2006/07/22 17:53 |
「ゆれる」心地良い揺れのなか映画の魔法にかかる
「ゆれる」★★★★ オダギリジョー、香川照之 主演 西川美和 監督、2006年 ...続きを見る |
soramove 2006/07/28 09:23 |
【映画】『ゆれる』天使のように繊細に、悪魔のように大胆に
...続きを見る |
Badlands〜映画・演劇・音楽レビュ... 2006/07/31 00:23 |
【劇場鑑賞77】ゆれる
弟 ―東京の売れっ子カメラマン ...続きを見る |
ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!... 2006/08/05 00:51 |
【劇場映画】 ゆれる
≪ストーリー≫ 写真家の猛は、母の一周忌で帰郷した。父と折り合いの悪い彼だが、温和な兄・稔とは良好な関係を保っている。翌日、猛は稔、そして幼馴染の智恵子と渓谷へと向かった。智恵子が見せる「一緒に東京へ行きたい」という態度をはぐらかして、一人で自然へカメラを向ける猛。そんな彼がふと吊橋を見上げた時、橋の上にもめている様子の稔と智恵子がいた。そして次の瞬間、そこには谷底へ落ちた智恵子に混乱する稔の姿だけがあった…。(goo映画より) ...続きを見る |
ナマケモノの穴 2006/08/06 20:53 |
『ゆれる』
リアル度[:スペード:][:スペード:][:スペード:][:スペード:] 2006/07/08公開 (公式サイト) 緊迫感 [:ラブ:][:ラブ:][:ラブ:][:ラブ:] 満足度 [:星:][:星:][:星:][:星:][:星:] ...続きを見る |
アンディの日記 シネマ版 2006/08/17 13:11 |
ゆれる
ゆうらリと こころゆらゆら たまゆらの ...続きを見る |
空想俳人日記 2006/08/19 13:25 |
「 ゆ れ る 」
東京でカメラマンとして活躍する弟。実家に残り、家業と父親の世話に明け暮れる兄。対照的な兄弟、だが二人は互いを尊敬していた、あの事件が起こるまでは…。(「BOOK」データベースより) 『蛇イチゴ』の監督西川美和がオダ ...続きを見る |
共通テーマ 2006/08/22 12:34 |
− タイトルなし −
兄弟に限らず確執や葛藤といった人間の内面を描く作業は、映画のもっともむずかしいところでしょう。 この作品はそのむずかしい作業にあえて挑み ...続きを見る |
シネクリシェ 2006/09/13 20:59 |
『ゆれる』(西川美和)@渋谷シネ・アミューズ
公式サイト→http://www.yureru.com/top.html 7月初旬に公開された作品を9月中旬になって観て、ようやく11月初旬に感想文をUPする、というのもどうかと思いましたが、アミューズCQNでの全日上映も今日で終わりとのことですので、UP致します。 この作品の感想を述 ...続きを見る |
香港旅行と映画鑑賞とラーメン二郎 2006/11/10 18:31 |
ゆれる
出演 オダギリジョー、香川照之、伊武雅刀 ほか 監督 西川美和 母の一周期で帰省 ...続きを見る |
いろいろと 2006/12/16 19:23 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
え〜っと、オダギリジョーとARATAの大ファンですけど、なにか? |
Ako 2006/07/17 02:16 |
栗本さんこんにちは。自分も小田切(漢字にしろよ!)は、永瀬マサトシやら浅野タダノブらのグループに入りたくて、頑張って高校デビューしちゃったように思えてならなくて、その姿がどうも映画好きを認めてもらいたく奮闘を続ける「内村(うっちゃん)」の姿とダブリ、何か「イタイ」ものを感じます・・・。 |
ジェットバス 2006/07/17 11:07 |
>ジェットバスさん |
栗本 東樹 2006/07/17 14:38 |
ご無沙汰です。 |
sabunori 2006/07/18 14:50 |
なかなかすげえ映画だなぁと圧倒されながらも、猛の稔に対する思いは希薄だなぁと感じました。やはりバランス悪かったですよね。稔の心情は繊細に描かれていましたけれども。 |
現象 2006/07/19 23:50 |
>sabunoriさん |
栗本 東樹 2006/07/21 20:47 |
こんにちは、こちらにもトラックバックいたしました。 |
朱雀門 2006/07/22 12:28 |
こういうどこもかしこも高評価の作品を見つけると、 |
栗本 東樹 2006/07/22 20:31 |
共感するところ大いにあり。「ゆれる」は、とにかく随所随所に疑問点が多すぎます。 |
通りがかりの者です 2006/07/28 23:30 |
>通りすがりさん |
栗本 東樹 2006/07/29 05:26 |
こちらこそ、ありがとうございます。あれだけ絶賛の嵐だと、こちらの性格がよほど歪んでいるのかと・・・。それにしても、本当に消化不良です。映画から目が離せない、退屈しないというのは確かだけど、世の中には、緊迫感たっぷりの駄作もたくさんあると思います。 |
通りすがりのものです 2006/07/29 09:09 |
>通りすがりさん |
栗本 東樹 2006/07/29 22:03 |
こういう欄の私物化を怖れ、数日遠ざかってましたが、まだ言い足りず、自分のblogも持ってないので、恥ずかしながら再び。 |
通りすがりのはずが長逗留 2006/08/02 14:27 |
>通りすがりのはずが長逗留さん |
栗本 東樹 2006/08/05 03:44 |
そういえば、なんで、渚のシンドバッドなんでしょう? |
かえる 2006/08/05 13:09 |
(続き)タケルは温和なミノル兄ちゃんの存在にとても感謝している。肉親としてはそうなんだけど、仕事で成功したかっこよくてモテモテなこの男は、心のどこかで、ミノルのような男/人間を、ださくってさえないなと嘲笑していたと思うんです。見下す部分があったからこそ、面と向かってはむしろ兄には好意的に接しているし、感謝や信頼の気持ちも本物なんだけど、そこに他者か介在すると、よこしまな気持ちがあらわれてくる。兄が好意をもっているチエコをちょっとつまみ食いしてみたくなる。ほとんどゲーム感覚じゃないんですかね。兄を本気で苦しませようとは思っていないんです。どうせ、チエコはミノルになんてなびかないと思っていたんじゃないかな・・。 |
かえる 2006/08/05 13:09 |
>栗本さんはもう別にこの映画について語らいたくなんてない |
栗本 東樹 2006/08/06 12:49 |
『イン・ハー・シューズ』 は、 |
栗本 東樹 2006/08/06 13:26 |
すみませんー。やっぱりレスをしていただきまして。 |
かえる 2006/08/10 13:39 |
それに比べると、早川兄弟の互いの気持ちはずいぶんとリアルに感じたのですよ。ほとんど全てがあるある・わかるという感じでした。もちろん私は男ではないし、同性のきょうだいもいないし、想像の範囲でしかないのかもしれないけど、その距離感のようなものもうまく映し出されていたように思いました。確かに、7年後のシークエンスはちょっと取ってつけたような感じでしたが・・。7年後はちょっと惜しい気がしましたが、それまでの心理劇の見事さでとりあえず満足してしまいました。 |
かえる 2006/08/10 13:40 |
まぁあれですよ、 |
栗本 東樹 2006/08/12 03:24 |
あ、早川兄は事件当時35歳だったかと思います。 |
かえる 2006/08/15 21:34 |
私も、誰も聞いてないだろうと思いながらも、 |
チュチュ姫 2006/08/29 00:27 |
俺は柴咲コウも嫌いだぁー! |
栗本 東樹 2006/08/29 01:59 |
超遅ればせで見たのですが、コメント。 |
海 2006/09/27 19:08 |
>海さん |
栗本 東樹 2006/09/28 08:56 |
はじめまして。ですよね。ご挨拶も適当で失礼しました^^; |
海 2006/09/28 12:07 |
>海さん |
栗本 東樹 2006/10/02 19:09 |
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