瓶詰めの映画地獄 〜エイガ必滅会者定離〜

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help リーダーに追加 RSS “カオス(混沌)”の中じゃ反則技もオッケー!? 『カオス』

<<   作成日時 : 2006/11/13 23:15   >>

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どちらかと言えばボクなんかは、
男にしてはワリに几帳面というか神経質な方で、
カードの残高は常に把握しているし(額が少ないからだけど…)、
部屋だってそのヘンの女の部屋よりかよっぽどキレイに整理整頓されている。
決められた社会の秩序やルールの中で真っ当に生きてきたつもりだし、
危険を冒して人生を大きく踏み外したこともない(小さく踏み外したことは何度か…)。
田舎出の人間らしく、都会の雑踏にもいまだ馴染めないままだ。
だけど、そんな、どちらかと言えば“堅い”人間である自分を、
根っコからメチャクチャに壊したいという願望は10代の頃からあって、
“海外独り旅”という、冒険と言えばそう言えなくもない大きな行動に出て、
なかでもアメリカやヨーロッパとかじゃなく、インドという国をそのメインに据えたのも、
要は、整然とした秩序やルールに沿って生きてきた“マジメ”な自分を、
その対極にある“カオス(混沌)”のなかに叩き込むことで解放させたかったからなんだと思う。

旅行記じゃなぃのでその様子について仔細に書く気はないけれど、
インドほど、“カオス”という言葉がピッタリと当てはまる国はない。
“聖”と“俗”が同じレベルで足下に入り混じり、
“清”と“汚”に明確な境い目を見出すことができない国、それがインドだ。
だけど、そんなインドを、4ヵ月という決して短くはない時間を費やして旅しても、
ボクは彼の地で自分を根っコから“破壊”することはできなかったし、
何から何までデタラメ(にしか見えない)インドにあっても、
ボクは、自分の旅行スタイルに秩序とルールを設けようとして、
その過程で毎日のようにインド人と喧嘩ばかり繰り返していた……。
今思ぃ返すと、ツマラナイ旅だったかな・・・とも思う。

だから、ボクにとって“カオス(混沌)”というのは永遠に憧れの言葉だし、
できれば、気力も体力も充分なうちに、自分を一度くらいは思いっきり壊してみたい……。

と、ここまで書いてきてどーにも話をうまく展開することができないので、
いい加減、話は映画の内容へと切り替えることにしたいけど、
言ってみれば、映画にしても小説にしてもいわゆる“ミステリー”というジャンルは、
一見、バラバラに散らばったパズルのなかから必要なピースだけを摘み上げ、
そこから「一枚の絵」を完成させるという、その過程とスリルを楽しむもの。
それは言い換えれば、“カオスのなかから秩序を見つけ出す”ということだと思うんだけど、
今回の話題作 『カオス』 は、
そのものミステリーの理論的な部分を前面に押し出して見せる映画。
ただ、やはり映画のタイトルが“混沌”というのはあまりにも掴みどころがなく、
キャストも“硬”と“軟”が入り混じりいったいどんな話なのかと楽しみにしていたんだけど……。

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 白昼、シアトルの銀行を武装強盗団が襲撃し、
 リーダー格のローレンツ(ウェズリー・スナイプス)は、
 交渉人に停職処分中のコナーズ(ジェイソン・ステイサム)を指名する。
 交渉の最中、一味は警察の裏をかいて逃走を果たすが、
 銀行からは何も盗まれていないことが判明。
 コナーズは新米刑事デッカー(ライアン・フィリップ)と組んで不可解な事件を追うが……。

今回の映画ばかりはさすがに、
少しでも筋に触れるとなるとすぐさまネタバレになってしまいかねないので詳述は避けるけど、
要はこれは(でも書く)、骨のあるキャストの魅力と謎解きのスリルでグイグイ引っ張る、
喩えて言うなら 『インサイド・マン』 に 『ユージュアル・サスペクツ』 を足して、
それを 『アイデンティティー』 で割ったようなクライム・サスペンス。

そろそろこのテの映画御用達といった雰囲気になってきた、
『トランスポーター』 シリーズのジェイソン・ステイサムには主役としての華があり、
それに相対するライアン・フィリップも、
オスカー映画やイーストウッドの映画に負けないくらいマジメに芝居に取り組んでいるし、
なにより我らが愛すべきダメ人間のウェズ兄貴も、
大運動会の時とは比較にならないぐらいスターとしてのオーラを発揮していてうれしい限り。
全体的な詰めは甘かったけど、“『Uボート』+『アウトブレイク』”な設定がけっこう面白かった、
男泣き“呉越同舟”系潜水艦映画、『Uボート 最後の決断』 のトニー・ギグリオの演出も、
勢いとパワーがあって90分チョイという適度な尺をラストまで飽きさせずに軽快だ。

だけど、やはり、この御都合主義的な展開を、
ゴリ押し感もここまでくれば潔いというほど強引に説き伏せる“反則技”には賛否両論は必至。
『ユージュアル・サスペクツ』 や、最近だと 『24』 の一般的評価に甘えたような脚本も、
個人的には気に喰わずサスペンスとしてのカタルシスも結果味わえずじまい。
どーせなら奇をてらわず(それじゃサスペンスじゃないという意見もあるだろうが)、
続篇も楽しみになるような、新しい“刑事アクション・ドラマ”にしてほしかったし、
なまじステイサムが、『ダイ・ハード』 のブルース・ウィリスぐらいいってるので、
なおのことその印象は拭えない(ここまで書けばもうバレちゃったかな…?)。

しかし、気鋭の才気と勢いそれにキャストの魅力が満載の、
“何も考えず”に観れば、お腹イッパイに楽しめる映画は映画。
とにかく、タイトルから想像するほど小難しい映画ではないので、
できればいっさいの予備知識を仕入れずに楽しむのが正解だろう。

レンタルが始まるとかなりの高回転を示しそうな、良くも悪くもこれは“シネパトス”的な1本だ。

銀座シネパトス ほかにて公開中 ]

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トラックバック(8件)

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118.カオス
一見するとまるで繋がりのないように思えるという、出来事の数々。・・・カオス理論ー“予測できない複雑かつ不規則な様子を示す現象を扱う理論”を元に計画された、という犯罪事件。・・・とか言っても、大した意味は成してはいない。なんか大仰なこと言ってるな、という感.... ...続きを見る
レザボアCATs
2006/11/14 10:10
映画『カオス(CAOS)』に学ぶこと
カオスには二つの意味があって、通常使われる「混沌」としてのカオスと、カオス理論で言われるカオスとはまったく別もの。 この映画で使われているのはカオス理論の方です。 ですから、「この映画のどこがカオス(混沌)なの?」なんて、間違っても聞いちゃいけないんです(笑)。 これはカオス(混沌)についての映画でも、カオス(混沌)をめぐる映画でもありません。 もちろんカオス(混沌)そのものでもありません。 といってカオス理論の映画でもない(笑)。 強いて言えば、カオス(科学用語)という言葉、... ...続きを見る
weekly? ぱんだnoきぐるみ
2006/11/18 11:06
「カオス」小粒だが映画の魔法に見事にかかっている
「カオス」★★★☆ ジェイスン・ステイサム、ライアン・フィリップ、ウェズリー・スナイプス主演 トニー・ギグリオ 監督、2005年アメリカ ...続きを見る
soramove
2006/12/05 00:38
カオス 2006-67
「カオス」を観てきました〜♪ ...続きを見る
観たよ〜ん〜
2006/12/06 07:15
結局バカを見るのはライアン・フィリップ?●映画『カオス』
 ひとつの事件が次々と不可解な謎を呼び、観る者を混沌へと引きずり込む・・・・・。                        カオス とかなり意味深なコピーと出演者に惹かれて、この『カオス』を鑑賞しました。なんと言っても、ジェイソン・ステイサムあの「トランスポーター」シリーズでお馴染みあの声は印象深いですよね。思わずトランスポーターを観ているような気分に・・・。今回の役どころは、冷静沈着なベテラン刑事コナーズ。その相棒役の闘志に満ちた刑事デッカーにライアン・フィリップ、“父親達の星条旗”のド... ...続きを見る
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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
おっはようございます〜♪
『カオス理論』は、「いろいろ難しそうに見せたいんだろうな」程度の感じでありましたが(笑)、
何か最後にドンデン返しでひっくり返さないと、最近のミステリファンは納得しないんだろうかーぐらいの納得の仕方で、
なかなかに楽しめた良作!
と、物凄い力技なレビューをちゃっちゃと書いて、納得してしまった私です。
とらねこ
2006/11/14 09:54
コメント、ありがとうございます。

“カオス理論”というのを、
イマイチ活かし切れていないという印象も大きかったですね。
ですが、とりあえずは俺も楽しく観れた映画ではありました。
ただまぁ、いつ何時もアンチテーゼは重要なので(笑)。
栗本 東樹
2006/11/15 02:02
この映画の事についてではないのですが、書かせて頂きます。
映画は好きなのに、実際には近年、映画館にはすっかりご無沙汰。
そんな私が今年映画館で見た唯一の作品が「ゆれる」でして、その時、こちらにコメントさせていただきました。
今、映画に関するブログで欠かさずチェックしているのは栗本さんのと、実は、テレビドラマのレビューですっかり共感して、以来時々チェックしているきぐるまさんのブログだけ。
で、その「ゆれる」についても、ニックネームは違いますが、お二人のブログにだけ、コメントをさせて頂いたのです!(苦めのレビューが書かれていて、共感できたのがお二人だけだったという偶然もあります。)
それが、このたび、きぐるまんさんのブログを見ていたら、栗本さんのお名前が!時には、おふたりの評価がはっきり分かれる作品もあり、いつも興味深く読んでいるのですが、「カオス」では一致するものがあったようですね。私の気に入ってるおふたりが出逢った(?)という、この偶然を他人事とは思えず、コメントしてしまった次第です。接点となったこの「カオス」、いつか必ず見ることにします。
かつての通りすがり
2006/12/24 16:35
>かつての通りすがりさん、こんばんは。
ずっと読んでいただいていたんですね。
それはそれはありがとうございます。いやぁ〜恐縮です。

そうですか、
今年唯一映画館でご覧になったのが 『ゆれる』 ・・・。
それはさぞかし辛かったですね(笑)。
ボクなんかは次々観てパッパと忘れてゆくんですが、
ここぞというタイミングでヘビーな映画を1本観てしまうと、
なまじあれこれと考え込んでしまうものですよね。
『ゆれる』 はボクにとっても、
いろんな意味で想い出深い映画になりました(爆)。

>きぐるまんさんのブログを見ていたら、栗本さんのお名前が!
それはまた妙なご縁を感じますね。
ボクも人様のブログにいきなり自分の名前が出てきて、
一瞬、心臓が止まりました。照れ臭いモンです(笑)。

『カオス』 はなんの気なしに観ると楽しい映画かもしれません。
またお時間がありましたら覗きにいらしてください。
記事に挙げている映画に関してじゃなくても、
こちらとしては一向にかまいませんので。ではでは、また!
栗本 東樹
2006/12/25 20:13