まさに“ええじゃないか”級のジェットコースター・ホラー! 『ディセント』!

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行く人もいないし誘われないし誘うワケでもないしで、
遊園地なんてもう、ここ何年も行ってないんだけれど、
別に高い所が苦手なワケじゃないから(得意でもないけど)、
今でもジェットコースターは平気で乗れると思う。
だけど、先日19日にデビューした富士急ハイランドの“ええじゃないか”を見てもわかる通り、
このテのアトラクションも刺激に貪欲なユーザーの求めに応じて過激になってゆく一方で、
「こんなのに乗ってホントに大丈夫?」と乗ってもないのにいい加減不安になってくる。
退屈な日常に即物的に危険なスパイスを与えてくれるのがこのテのアトラクションだと思うけど、
でも、何も遊園地の乗り物じゃなくたって、
動かないイスにドッカリ腰かけながらも、口がカラッカラに渇くような、
手に汗握るハラハラドキドキをドライヴ感満点に味わうことはできる。
まぁそれがつまりは映画のことで、
観客にモノを考える余裕を与えず目まぐるしい展開で一気に見せてゆくようなタイプの映画を、
俗に“ジェットコースター・ムービー”なんて言い方をして、
今のアクション映画はたいていそれが基本だと思うんだけど、
この夏、そのテの映画じゃもうこれ以上はないというぐらい、
それこそ“内臓”や“骨”にまで響くという意味じゃ(伏線)、
『M:i:Ⅲ』 を上廻るといっても過言ではない超ド級のジェットコースター・ムービーがやって来た!
それがこの、『ディセント』
しかもコレ、ホラー・ファンでも驚くぐらい近年最高の血飛沫量を誇るグロッグロのスプラッター!
「いやぁ~ホラー映画って、本当に素晴らしいですね」



 年に一度の冒険旅行で、
 アメリカ、アパラチア山脈奥地の巨大洞窟を訪れた6人の女たち。
 スリリングな“ケイビング(洞窟探検)”に臨む中、突然の落盤で出口を塞がれた彼女たちは、
 迷路のような洞窟内で別の出口を探して彷徨うハメに陥る。
 やがて醜い言い争いから仲間割れが生じ、ヘッドランプの電力も残りわずかとなった6人に、
 未曾有の絶対恐怖が襲いかかる…!!!

もうこの映画だけはいっさいなんの予備知識もなしに観た方が絶対に楽しめると思うので、
ストーリーにはなるべく触れないようにしたいけど、
要するにこれは去年の夏に公開され、そのデキの悪さというより、
ホラーというものに対する心構えのあまりのなってなさに失神しそうなほど怒り狂った、
イギリスのホラー映画、『0:34 〈レイジ34フン〉』 の“洞窟”バージョン。
もしくは、『エイリアン』+『CUBE』+『ピッチブラック』 的女だらけの“川口浩(藤岡弘)探検隊”、
もしくは血みどろスプラッター版の 『セックス・アンド・ザ・シティ』。
だけどこの映画は、『0:34』 とはまるで雲泥の差のような、
ツボを心得たホラー演出で99分をあたかも一瞬のように見せ切ってくれて素晴らしい。
この怒涛のカタルシスと映画が終わった後の疲労感は、まさにジェットコースターそのものだ。

とにかく映画のメインを女6人に設定したというところがマズはウマい。
決して若いとも言い切れない海千山千で女の歓びも相応に知っているだろう6人の女たちが、
山小屋でタバコをスパスパ酒盛りしているその画面だけでもう我ら男にとってはホラーである。
そんな彼女たちが、友情を深めるために、そして傷ついた仲間を癒すために始めた洞窟探検。
しかしその先に待ち構えていたものは、二度と元には戻れない阿鼻叫喚の地獄絵図だった!

正直、ドラマなんてあってないようなものだし、
サバイバルが始まってからの女6人の心理描写もかなり雑で、
というより女たちの友情や裏切りなんて、そんなモン、コッチにゃどーでもいいことなんだけれど、
とにかく閉所恐怖症の人は卒倒必至の息詰まるような超閉塞的状況の中で、
これでもかというぐらいに展開される血と臓物の惨劇はまさに地獄めぐりのジェットコースター。
思考する余地なく目前の事象を受け入れるしかない超リアル視覚体感型の悶絶お化け屋敷。
ヒロインたちが洞窟に持ち込んだ各種探検アイテムの用い方もバッチリでムダがなく、
そんなところもサバイバル映画としてこれは及第点以上のデキで、
なによりこの映画には、見掛け倒しのCG映像や小手先の編集技術に頼ることなく徹底的に、
観る者の身を捩じらせ骨を軋ませようという映画的工夫と旺盛なサービス精神に充ちている。
俯瞰すれば既存のホラー映画の寄せ集めには違いないけど、
こんなに面白いのなら、これからもイギリス映画にはこのテを定期的に量産していってほしい。

とにかく!
超刹那的ドライヴ感と徹底した残酷描写でド真ん中を突き進むサバイバル・ホラーの大快作!
このテが少しでも苦手な人にはゼッタイにおススメしないけど、
ジェットコースターからお化け屋敷から怪談話からホラーまで、
3度のメシよりこのテが好きな人にはご馳走みたいな傑作だ!

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