これぞ“言葉のスモール・パッケージ・ホールド”!? 『サンキュー・スモーキング』

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なんでも2年後の2008年からは、
顔写真入りのICカードがなければ自販機でタバコが買えなくなるらしく、
まぁボクはタバコをいっさい吸わなぃので知ったことかといった感じで、
でも基本的に嫌いなヤツ以外は人類ある程度みな兄弟、
と思っているので愛煙家の人ともぜひ仲良くしたいんだけどボクはタバコが大嫌ぃ!
横断歩道にバラバラと落ちている無数の吸ぃ殻を見ると無性に哀しぃ気分になるし、
人の行き来の多い往来で、しかも風のビュービューと強い日に、
タバコを持つ手をブラブラさせて、後ろに灰飛ばす無神経なヤツを見ると淡い殺意さえ覚える。
別に禁煙スペースばかり増やさなくていいから要は歩きタバコを全面禁止にすればよぃのだ。
なによりかにより、古臭ぃと言われようがウザぃと嫌われようが、
女性にタバコは吸ってほしくない!
と言うワリにボクの周りの女友だちはほぼ8割方タバコを吸っているけれど、
どーせメンソールなんだからいっそのことやめちまえ!と内心(弱気)いつも思っている。
「“ハッカ”吸うぐらいならタバコなんてやめた方がいい」と、
「峰」しか吸わないボクの友人(50歳)も言っていた。

まぁやめてほしいと思うだけで女がタバコを吸ってはイカンと差別的なことは言わないけれど、
それでもアレ、女の歩きタバコだけはどーか勘弁してほしい!(後生だから勘弁してほしい)。
歩きタバコ、電車内化粧、ヒールの踵をカッツンカッツンと音立てながら駅の階段を降りる。
どんなに可愛かろうがエロかろうが巨乳だろうが、
この3点いずれかに該当すれば女の価値を下げても上げることは絶対にないと断言する!
(男も30代半ばになると女性を“所作”で見るようになります。若干ウソ)
まぁだからと言って、過去にタバコを吸う女と付き合ったことがなぃワケじゃなぃし、
この先、本当に心底、惚れた女がもしも愛煙家だったとしたら、
その時は潔く笑顔で譲るぐらいの気構えではいるんだけれど(背に腹は変えられん!)、
タバコなんざ、自分でも気づかない間に口が臭くなるだけだし、
なによりどんなにケアしていてもキスが苦くなるのが嫌だったりして。

なぁーんて具合に、ボクはどちらかと言えば感情に任せてモノを言う質なので、
繰り出すコトバに説得力はなぃし、最終的には嫌われるタイプなんだけど、
この映画、『サンキュー・スモーキング』 の主人公ニックは、
愛煙家たちの言葉の盲点を突きながら巧みなヘ理屈で丸め込むタバコ関連会社の広報マン。
そういう意味じゃボクの敵でもあるような男なんだけど、
けっきょくボクもヤツの話術にクルッと丸め込まれてモノ凄く映画に満足してしまった。
要は“映画の話術”がバツグンに巧い映画、それがこの 『サンキュー・スモーキング』 だ。

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 タバコ研究アカデミーのPRマン、ニック(アーロン・エッカート)は、
 日々マスコミを相手に、対嫌煙家との“舌戦”を繰り広げていた。
 彼の天敵、フィニスター上院議院(ウィリアム・H・メイシー)は、
 タバコのパッケージにドクロ・マークを記載する法案成立を熱望。
 それを受けてニックは大ボス(ロバート・デュヴァル)の命でハリウッドへと向かう。
 「映画」を使って、愛煙運動を拡げるという計画だったのだが……。

“言葉”を武器の代わりにして、
“言ったモン勝ち”とばかりに自分の利益を守り相手の陣地に攻め込むのは、
言ってみれば政治やビジネスの世界では当たり前の手段なんだろうけど、
それは今まで、どちらかと言えばアメリカ式のやり方だと思っていたら、
どうやら日本でもそうなりつつあるというのは、
ここ“5年間”を思い返せば誰もがギクリとするところ……。
口八丁手八丁のロビイストだらけのアメリカの政治やビジネスの世界と、
いかにも煽動されやすい、アメリカ人のバカさ加減を痛烈に諷刺した映画だと思って、
人ごとみたぃにゲラゲラ笑いながら観ていると時に背筋がゾッとするかも?

ただ、諷刺は諷刺と言ってもそこは腹を括ってエンターテインメントに徹しているので、
駒を“言葉”に置き換えたチェスを見ているような痛快さがあり余韻は軽くヤな後味も残らなぃ。
まだ28歳かそこらという、新人監督の演出も堂に入ったモンでソツなく安定感があり、
小技の利ぃた映像遊びも併せて93分を微塵も飽きさせず軽快のひと言。
男と女のスッタモンダや、父と子の愛情のドラマなど“戦略的”に取り込んでいるので、
映画全体に知的でトがった雰囲気が漂いつつも敷居は低く、
かなりベタなエンターテインメントとして過不足なく楽しい1本に仕上がっている快作だ。

アーロン・エッカート演じるニックの、
たとえば土田晃之のようにとにかくキレがよくて聞きやすぃ話芸と、
本作そのものの絶妙な語り口とキメ方の鮮やかさは、
喩えて言うなら、喩えてもほとんどの人には伝わらないと思うけど、
プロレス技の“ワキ固め”や“スモール・パッケージ・ホールド”、
回転式エビ固めが瞬時にキマった時の小気味好さ(わかる人には絶対にわかる!)。

要は、大味な大作映画がますますダメになりつつあるハリウッドでも今後、
こうしたある種、“名人芸”にヒザ打つようなタイプの映画が隆盛してゆくだろうという、
超個性的でありながら作家っぽさが見られないという意味でもこれはその典型みたぃな傑作。

ボクはタバコは大嫌いだけどしかし嫌煙家の人も愛煙家の人も怒らせない、
絶妙なバランスのよさに唸るこれはそんな技アリ!エンターテインメントだ!

シャンテ・シネ(日比谷) にて公開中 ]

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