日本が印度に…なってきた? 『アリーガルの夜明け』@インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン



これは素晴らしい! もうなかなか都合がつかないから券1枚ムダにしちゃおうかと思ったんだけどしなくて正解!
初日に観た、モデルの女性の素晴らしさはわかるけど煽情的すぎる創りに正直白けてしまったあの映画だとか、
一見オシャレでいかにも新しく観えるけど単に欧米の家族ドラマをマネしただけのあの映画みたいなのではなく、
こういうオーソドックスだけどインドの社会を力強く抉った、インド映画の底力が伝わるような作品が観たかった!
ゲイであることを理由に大学を追われた教授とその奥の陰謀を暴こうと奔走する若いジャーナリストとの交流を、
やがて裁判へ至る事の顛末とともに描いたインドの学園都市アリーガルを舞台にした実話が元の社会派ドラマ。
映画に出てくるアリーガル・ムスリム大学はインド国内のイスラーム文化復興に貢献した名門大学なんだそうな。
そしてインドでは今も同性愛が禁じられており、ゆえに本作は現地で反対運動にあって上映できなかったらしい。
インド映画名物の歌やド派手なダンスはない代わりに、深刻な雰囲気の中にも仄かなユーモアを漂わせながら、
社会の暗部を見つめる視線が誠実でインド映画としては驚くような踏み込んだ描写もあり2時間はアッという間!
世代間ギャップや、信仰とメディア、さらにはリベラル側の矛盾もさりげなく描いていてとにかくバランスがいいし、
溜飲の下がる映画的展開のあとに訪れる途轍もなくヘビーなラストがまた逆行する社会への警鐘になっている。
歌やダンスが満載のスター映画もインド映画の魅力だけどやっぱりこういう地味な映画を応援したいな、ボクは。

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個人的には歌なし系インド映画のベストに入る!

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「インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン2016」[2016年10月7日(金)‐10月21日(金)]
『アリーガルの夜明け』(2016年・インド/カラー/ヒンディー語/118分)
【監督】ハンサル・メータ
【出演】マノージュ・バージパーイー、ラージクマール・ラーオ
【5段階評価】★★★★★
【鑑賞劇場】ヒューマントラストシネマ渋谷
【鑑賞料金】3,900円(3回券)

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